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嵯峨野トロッコ列車について|歴史や概要を詳しく解説

作成者: BesPes|Jan 1, 2025 2:55:25 AM

🕓 2025/1/3
#観光地

嵯峨野トロッコ列車の歴史や概要を詳しく解説 


 目次

  1. 嵯峨野トロッコ列車とは?
  2. 嵯峨野トロッコ列車の歴史
  3. 嵯峨野トロッコ列車の楽しみ方
  4. おすすめのモデルコース


はじめに

京都の嵐山から亀岡まで、保津川渓谷の絶景を楽しみながら走る観光列車「嵯峨野トロッコ列車」。この列車は、四季折々の自然の美しさやレトロな雰囲気、さらには沿線の豊かな観光スポットが一体となった、京都観光の新しい楽しみ方を提案してくれます。

本記事では、嵯峨野トロッコ列車の基本情報や歴史、乗車中や周辺観光地での楽しみ方、さらにおすすめのモデルコースまで詳しくご紹介します。京都の自然と文化を満喫できる旅の計画に、ぜひお役立てください。

 

1. 嵯峨野トロッコ列車とは?  

嵯峨野トロッコ列車は、京都の嵯峨嵐山から亀岡までの約7.3kmを結ぶ観光列車で、保津川沿いの美しい自然景観を楽しめることで知られています。この路線は、JR山陰本線の複線化に伴い使用されなくなった旧線路を活用しており、片道約25分の旅程です。 

列車はディーゼル機関車が牽引し、5両編成の客車で構成されています。特に5号車の「リッチ号」は窓ガラスのないオープン車両で、風や光、音を直接感じられる開放的な乗車体験が可能です。車内は木製の椅子や裸電球が配置され、レトロな雰囲気を醸し出しています。 

四季折々の風景が魅力で、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、季節ごとに異なる景観を楽しめます。特に桜の季節には、線路沿いに咲く桜がトンネルのように列車を包み込み、見頃に合わせて沿線で桜のライトアップも行われます。 運行期間は3月から12月までで、1日8往復程度の運行が基本です。また、紅葉の季節などには、沿線のライトアップを楽しめる臨時列車が運行されることもあります。 

アクセスは、始発駅のトロッコ嵯峨駅がJR山陰本線(嵯峨野線)の嵯峨嵐山駅からすぐの場所にあり、終点のトロッコ亀岡駅は同線の馬堀駅から徒歩約10分の位置にあります。また、トロッコ亀岡駅からは保津川下りの乗船場への連絡バスやタクシーが利用可能で、川下りとの組み合わせも人気の観光コースとなっています。

 

 

 

 

2. 嵯峨野トロッコ列車の歴史 

嵯峨野トロッコ列車(嵯峨野観光鉄道)の歴史に関して、主に旧国鉄・JR時代の路線事情から第三セクターとしての観光列車開業までの流れを年表形式でまとめています。憶測や不確かな情報ではなく、一般的に広く知られ、各種公式資料や公開情報で確認されている事実をもとに構成しています。

 1. 1897年:京都鉄道の開通と嵯峨~亀岡間の始まり 

※イメージ画像

当時、京都から丹波・山陰地方へと鉄道を通す計画が進められており、民間会社である「京都鉄道」が設立されました。1897(明治30)年には京都駅から亀岡方面へ向けて路線が敷設され、現在の嵯峨嵐山付近を経由する区間が開通しました。この区間が、後に嵯峨野トロッコ列車として活用される旧線の礎となります。

 

 2. 1907年:国有化による路線統合 

※イメージ画像

京都鉄道を含む多くの民営鉄道が、1906(明治39)年から進められた鉄道国有法により順次買収されました。1907(明治40)年には京都鉄道も国有化され、嵯峨~亀岡間は政府の管理下となり、後の国鉄(日本国有鉄道)の山陰本線の一部として組み込まれることになります。

 

 3. 1989年:JR山陰本線の新線開業と旧線の廃止 

※イメージ画像

国鉄の分割民営化(1987年)を経てJR西日本となった山陰本線では、複線化やルート改良が各地で行われました。京都~亀岡間でも新しいルート(新線)が完成し、トンネルを多用した直線的な区間に切り替わりました。これに伴い、それまで使われていた旧線(現・嵯峨野トロッコ列車の区間)は正式に「廃止」の手続きが取られ、列車の運行が停止となります。

 

 4. 1991年:第三セクター「嵯峨野観光鉄道」の発足 

※イメージ画像

旧線の自然豊かな保津川沿いの景観を活かした観光列車として再生させる目的で、JR西日本や京都府などの出資により第三セクター「嵯峨野観光鉄道株式会社」が設立されました。ディーゼル機関車が客車を牽引し、オープン車両(5号車「リッチ号」)では自然をダイレクトに体感できるスタイルを採用。

この嵯峨野トロッコ列車は、旧国鉄の不要路線を観光用に転換して成功した事例として注目を集め、京都の新たな観光資源として定着しました。開業後しばらくして口コミやガイドブック等で広がり、四季折々の景観を楽しめる路線として国内外からの観光客が増加。

 

 5. 1991年:第三セクター「嵯峨野観光鉄道」の発足 

※イメージ画像

1991年の開業から30年が経過し、嵯峨野トロッコ列車は京都を代表する観光名物のひとつとして定着。季節ごとの絶景とレトロな客車スタイルの組み合わせが、多くのリピーターを呼び込み続けています。近年では訪日外国人観光客(インバウンド)の利用も増え、多言語対応の案内が進められるなど、さらなるサービス向上にも取り組んでいます。

 

 

 

3. 嵯峨野トロッコ列車の楽しみ方  

嵯峨野トロッコ列車(嵯峨野観光鉄道)に乗車する際に、ぜひ押さえておきたい「乗車の楽しみ方」と「沿線や周辺スポット」について詳しくご紹介します。京都屈指の風光明媚なエリアである嵐山から亀岡にかけての保津川渓谷を走るトロッコ列車は、四季折々で表情を変える雄大な自然景観や周辺観光との組み合わせで、何度でも楽しめる魅力があります。

 1. 嵯峨野トロッコ列車の基本情報 

  • 運行区間:トロッコ嵯峨駅 ~ トロッコ亀岡駅(全長約7.3km)
  • 所要時間:片道約25分
  • 編成・座席:ディーゼル機関車が5両の客車を牽引する形で運行


 2. 各駅と沿線の注目スポット 

(1) トロッコ嵯峨駅周辺

嵯峨嵐山駅(JR嵯峨野線)から徒歩すぐの場所に位置する、嵯峨野トロッコ列車の始発駅です。改札やホームは木造風のレトロな雰囲気が漂い、待合スペースには鉄道関連の展示や売店があります。

渡月橋・嵐山公園は、嵯峨嵐山駅から徒歩圏内に位置し、保津川(大堰川)に架かる橋を中心に広がる嵐山の代表的な景勝地です。四季折々に異なる表情を見せる山々や川の流れ、周辺の公園が織りなす風景は、京都でも屈指の美しさを誇ります。

さらに、嵐山といえば外せないのが「嵐山竹林の小径」です。青々と天に伸びる竹が生み出す神秘的な空間は、季節や時間帯によってさまざまな雰囲気を楽しめるのが魅力。

また、世界遺産に登録されている臨済宗天龍寺派の大本山「天龍寺」も、嵐山を訪れるならぜひ押さえておきたい名所のひとつです。境内に広がる曹源池庭園は四季の花々が彩りを添え、歴史と自然が調和した優美な景観を存分に堪能することができます。


(2) トロッコ嵐山駅周辺


トロッコ嵯峨駅からわずか1駅先に位置する中間駅で、嵯峨野トロッコ列車の中ではもっとも嵐山寄りにあたるのが「トロッコ嵐山駅」です。ここでは途中下車も可能で、駅周辺から嵐山公園や竹林までのアクセスがさらに短くなるため、散策の起点としてもおすすめです。

駅の近くには季節の花々が彩る遊歩道が整備されており、保津川渓谷だけでなく、嵐山の山肌を間近に感じながら四季折々の風景を楽しむことができます。


(3) 車窓からの保津川渓谷

トロッコ嵐山駅を過ぎると、列車は保津峡の渓谷美をたどりながらゆっくりと進んでいきます。春には桜の淡いピンクと新緑が調和し、夏には深緑の木々と清流のせせらぎが涼やかな景色を演出。秋になると、特に11月中旬から12月上旬にかけて紅葉のピークを迎え、色鮮やかな山肌が絶景を生み出します。冬は落ち葉や雪化粧が加わってまた違った風情が楽しめますが、運休期間と重なることもあるため事前の確認が必要です。

沿線のフォトスポットとしては、川面に沿って整備された遊歩道や保津川下りの船、遠くに見えるつり橋などが挙げられ、季節や時間帯によって姿を変える渓谷の風景を心ゆくまで撮影できます。特に5号車(オープン車両)からの撮影は迫力があります。


(4) トロッコ保津峡駅

この区間の山あいに位置する「トロッコ保津峡駅」は、豊かな自然に包まれた情緒ある中間駅です。ただし、便によってはドアが開かず通過となる場合もあるため、下車できるかどうかはシーズンや時間帯によって異なります。もし下車可能な便で訪れることができれば、山肌と渓谷のコントラストを目の前で楽しめる、まさに絶好のスポットです。

周辺には大規模な観光施設こそありませんが、保津峡のハイキングコースや清滝方面へ抜ける山道など、自然散策が好きな人には魅力的なエリア。静寂と美しい景観に包まれながら、ゆったりと時間を過ごせるのがこの駅の醍醐味です。


(5) トロッコ亀岡駅周辺


トロッコ亀岡駅は亀岡市側の終着駅で、JR山陰本線・馬堀駅から徒歩約10分の場所に位置します。ここでは、「保津川下り」の乗船場(亀岡乗船場)が最大の見どころの一つです。トロッコ亀岡駅からバスやタクシーで数分という近さにあり、船で嵐山まで下る約2時間の川旅はトロッコ列車とのセットプランとして定番の楽しみ方です。

また、亀岡市街地は古くから丹波地方の入口として栄えた城下町で、亀山城跡や周辺の寺社、穴太(あのう)地区の田園風景など、多彩な歴史や自然の魅力に溢れています。さらに、保津川沿いに点在する「湯の花温泉」は日帰り入浴施設や旅館があり、露天風呂でゆったりと癒されるのもおすすめです。


 3. 季節ごとの魅力とイベント 

【 春(3~4月頃) 】

沿線に桜が咲き誇る最も華やかなシーズンの一つです。特に晴れた日には、車窓から保津川渓谷を見下ろすと、淡いピンクの花びらで一面が染まった絶景を楽しめます。

桜の花びらが舞う中をゆっくり進むトロッコ列車は、写真撮影にもぴったりのロマンチックなひとときを演出してくれます。


夏(7~8月頃)

トロッコ沿線の緑がいっそう鮮やかに映える季節です。木々の葉が生い茂る保津川渓谷は渓流のせせらぎや心地よい山風に包まれ、乗車中も涼しさを感じられます。特にトロッコ亀岡駅で下車して保津川下りを楽しむコースは人気が高く、船が渓谷を下る際の水しぶきが夏の暑さを和らげてくれます。

青々とした山々を背景に、川面をゆったりと進む船旅は、日常の喧噪から離れて自然の魅力を満喫する絶好の機会です。


秋(10~12月初旬)

秋は保津川渓谷の山々が赤や黄色に色付き、特に紅葉がピークを迎える例年11月中旬から12月上旬にかけては、嵯峨野トロッコ列車が一年でもっとも混雑するシーズンです。渓谷を鮮やかに染める紅葉は、車窓から眺めても、途中下車して付近を散策しても圧巻の美しさ。

夜間にはライトアップが行われることもあり、臨時列車の運行が組まれる場合もあるため、昼間とはまた違った幻想的な紅葉を楽しめます。各地で開催されるライトアップイベントでは、もみじが闇夜に照らし出され、秋の京都らしい風情を存分に体感できるのが魅力です。

 


冬(12月~2月)

12月中旬以降は、年末年始の休みに合わせて運行スケジュールが変動したり、1月~2月にかけて一部期間が運休となったりすることがあります。雪が降った日には保津川渓谷が白く覆われ、一面の銀世界が広がることも。

静謐な景色が楽しめますが、山あいを走る列車ゆえ、冷え込みが一段と厳しいので防寒対策は必須です。また、積雪によって運行が変更される可能性もあるため、公式サイトや現地情報をチェックしておくと安心です。

 

4. おすすめのモデルコース 

以下に、「嵯峨野トロッコ列車」を満喫できる2つのおすすめモデルコースをご紹介します。トロッコ列車と保津川下りの組み合わせや、往復乗車を楽しむプランなど、滞在時間や好みに合わせて選んでみてください。

 1. 片道トロッコ → 保津川下り → 嵐山へ戻る 

【 行程例 】

  1. トロッコ嵯峨駅からトロッコ列車に乗車(約25分)
  2. トロッコ亀岡駅で下車し、バスまたはタクシーで保津川下りの乗船場へ移動(約5~10分)
  3. 保津川下り(約2時間)を楽しみながら、嵐山・渡月橋エリアに到着
  4. 嵐山周辺を散策・観光

【 見どころ 】

  • トロッコ列車と船旅の両方で保津川渓谷の美しい自然を堪能できる、最も人気の定番コース。
  • 保津川下りでは水面近くから渓谷を望むため、視点がガラリと変わり、川面の風や自然の音をダイレクトに感じられます。
  • ゴール地点は嵐山エリアなので、下船後も渡月橋や竹林散策、寺社巡りなどを楽しめます。

 

 

 2. 往復トロッコ + 嵐山散策 

【 行程例 】

  1. トロッコ嵯峨駅からトロッコ列車でトロッコ亀岡駅へ(約25分)
  2. 亀岡エリアを散策しながらランチなどを楽しむ
  3. トロッコ亀岡駅からトロッコ列車で嵯峨へ戻る(約25分)
  4. 嵐山・嵯峨野エリアを観光

【 見どころ 】

  • 往復ともにトロッコ列車に乗車できるため、往路と復路で違った時間帯の保津川渓谷を楽しめる。
  • 朝・昼・夕方と時間が変われば車窓から見える景色や光の加減も変化し、同じルートでも別の魅力を味わえます。
  • 帰りに嵯峨嵐山駅周辺で下車すれば、竹林の小径や天龍寺、渡月橋周辺の散策がスムーズにできます。

 

 

 

 さいごに 

嵯峨野トロッコ列車は、保津川渓谷を走る非日常の旅を提供する観光列車として、京都観光に欠かせない存在となっています。その魅力は、車窓から望む四季折々の美しい景観や、レトロな列車の雰囲気、そして沿線や周辺の豊かな観光スポットにあります。春の桜や秋の紅葉、夏の新緑、冬の雪景色と、どの季節に訪れても特別な思い出を作ることができるでしょう。

今回ご紹介した内容を参考に、ぜひご自身にぴったりのプランを立てて、嵯峨野トロッコ列車ならではの旅をお楽しみください。この列車が紡ぐ風景と時間が、心に残る京都のひとときをお届けします。