五稜郭について|歴史や概要を詳しく解説

🕓 2024/7/10
#文化

五稜郭の歴史や概要を詳しく解説

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 目次

  1. 五稜郭の概要
  2. 五稜郭の歴史
  3. 五稜郭寺の見どころ


はじめに

五稜郭は、北海道函館市に位置する日本初の西洋式星形要塞であり、その美しい景観と深い歴史的背景から多くの観光客を魅了しています。1857年から1866年にかけて築造され、オランダのブールタンゲ要塞をモデルにした独特の星形デザインが特徴です。

本記事では、五稜郭の概要、歴史、見どころについて詳しく紹介します。五稜郭の歴史を辿り、その防御システムや特徴的な星形デザインの魅力を解説し、さらに訪れるべき主要なスポットや季節ごとのイベントについても触れていきます。五稜郭の魅力を余すところなくお伝えし、訪れる際のポイントも詳しく解説しますので、ぜひご参考ください。

 



 

1. 五稜郭の概要

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五稜郭は、北海道函館市にある日本初の西洋式星形要塞です。1857年から1866年にかけて築造され、その独特の形状はオランダのブールタンゲ要塞をモデルにしています。

江戸幕府が北方防備のために築いたもので、当初は箱館奉行所の移転先として使用されました。しかし、その完成からわずか2年後に江戸幕府が崩壊し、その後は箱館戦争で旧幕府軍の拠点として使用されました。

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現在は、1914年から公園として一般に開放され、函館市民の憩いの場として親しまれています。約5,000本の桜が植えられ、春には桜の名所として多くの観光客を魅了します。また、五稜郭タワーからは美しい星形の全景を一望することができ、季節ごとに異なる風景を楽しむことができます。

国の特別史跡に指定され、「五稜郭と箱館戦争の遺構」として北海道遺産にも選定されています。函館市が管理しており、観光地としての整備も行き届いています。特徴的な星形は、防御を重視した設計であり、攻撃側に対して死角を作らない工夫がされています。このデザインは、戦闘における防御力を最大化するためのものです。



 

 

 

2. 五稜郭の歴史

1854年 - 開港と防備強化の始まり

日米和親条約の締結により箱館(現在の函館)が開港されました。これに伴い、江戸幕府は箱館周辺の防備強化を目的として五稜郭の築造を計画しました。五稜郭はオランダのブールタンゲ要塞をモデルにした西洋式の星形要塞で、設計は蘭学者の武田斐三郎が担当しました。最新の築城技術を取り入れたこの要塞は、防御を重視した設計が特徴です。

 

1864年 - 五稜郭の完成

五稜郭の建設は1857年に始まり、1864年に完成しました。当初、五稜郭は箱館奉行所の新たな拠点として計画されました。江戸幕府は箱館開港後、北方防備の強化を急務としており、そのために西洋式の星形要塞である五稜郭を建設しました。設計は、どの方向から攻められても必ず2方向から銃砲で反撃できる「十字砲火」を可能にするものでした。さらに、欧米に対して日本の軍事力や技術力を誇示する目的もあり敵の攻撃に対して効果的に防御できる設計となっていました​​。

 

1868年 - 戊辰戦争と旧幕府軍の拠点

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戊辰戦争が勃発し、旧幕府軍の榎本武揚が率いる艦隊が函館に上陸しました。五稜郭は旧幕府軍の拠点として使用され、榎本らは蝦夷地において独自の政権を樹立しようと試みました。旧幕府軍の土方歳三をはじめとする多くの武士たちが奮戦したものの、新政府軍の圧倒的な力の前に敗北を喫しました。このように、1868年の戊辰戦争において五稜郭は旧幕府軍の最後の拠点として重要な役割を果たし、その戦いは日本の近代化への大きな転換点となりました​。

 

1869年 - 明治新政府の掌握

1869年、戊辰戦争の末期、新政府軍に降伏した五稜郭は、明治新政府の管理下に置かれることになりました。降伏後、旧幕府軍の指導者である榎本武揚や土方歳三らは捕えられ、五稜郭はその要塞としての役割を終えました。その後、一時期放置され、廃墟のような状態が続きました。しかし、明治時代の末期には五稜郭の歴史的価値が見直され始めました。

 

1914年 - 公園としての再生

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1914年、五稜郭は公園として一般に開放され、函館市民や観光客の憩いの場として親しまれるようになりました。毎年春には約5,000本の桜が咲き誇り、美しい花見スポットとしても有名です。また、五稜郭タワーからは星形の美しい全景を一望することができ、四季折々の風景を楽しむことができます​



このように、五稜郭はその歴史的背景と美しい景観から、多くの人々に愛され続けています。歴史を感じながら散策できる場所として、訪れる価値のある観光スポットです。

 

 

 

 

3. 五稜郭の見どころ

五稜郭はその美しさと歴史の深さから、多くの見どころが存在します。以下に主要なスポットについて詳しく説明します。

五稜郭タワー

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五稜郭タワーは高さ約107メートルの展望タワーで、五稜郭の全景を一望できる絶好のスポットです。展望フロアは360度ガラス張りで、星形の五稜郭をはじめ函館市街や函館山までの美しい景色を楽しむことができます。タワー内には五稜郭の歴史を学べる展示や土方歳三のブロンズ像なども設置されており、訪れる人々に五稜郭の歴史を伝えます。

 

箱館奉行所

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五稜郭の中心には、箱館奉行所があります。当時の幕府の重要な拠点として、外交、防衛、行政の中心として機能しました。しかし、戊辰戦争が勃発し、1868年には旧幕府軍の拠点となりました。旧幕府軍はここで最後の抵抗を試みましたが、最終的に新政府軍に敗れました、2010年に古写真や古図面を基に忠実に復元されました。内部では、侍の時代を体感できる大広間や建築技法を紹介する展示があり、当時の雰囲気を感じることができます。

 

星形の堀と土塁

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五稜郭の最大の特徴である星形の堀と土塁は、防御を重視した西洋式築城技術の結晶です。この設計は、どの方向から攻められても必ず2方向から反撃できる「十字砲火」を可能にするものであり、効率的に敵を防御するための工夫が随所に施されています。

【 構造の詳細 】
・星形のデザイン 

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星形の城郭は、中央から放射状に伸びる稜堡(リドゥート)を持つことで、敵がどの方向から攻撃しても防御側が優位に立てる構造になっています。この形状により、死角を最小限に抑え、効率的な防御が可能となっています​。稜堡の間に設けられた「フランク」は、稜堡の側面を援護し、敵が接近する際に効果的に防御する役割を果たしています​。


堀 

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五稜郭を囲む堀は幅が広く、深さもあり、敵が直接城郭に近づくことを防ぎます。堀の周囲には木橋が設けられており、これも防御の一環として敵の進入を遅らせる設計になっています。
堀の水面には、金閣が映り込み、美しい景観を楽しむことができます。特に春には桜、秋には紅葉、冬には雪景色と、四季折々の風景が堀の周りを彩ります​​。


・土塁 


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五稜郭の土塁は高く、厚みがあり、これも敵の進入を防ぐ重要な防御要素です。土塁の上を歩くことで、その高さと厚みを実感でき、五稜郭全体の防御システムをより深く理解することができます。土塁の上には木々が植えられ、訪れる人々はその自然の中を散策しながら、歴史的な構造を体感することができます。また、土塁からは五稜郭全体を見渡すことができ、その複雑な設計を一望することができます​。

 

【 見どころと体験 】
堀の周りを散策 
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散策路が整備されており、訪れる人々は堀の周りを歩きながら、その美しさと防御システムの複雑さを体感できます。堀にはスイレンが咲き乱れ、季節ごとに異なる景観を楽しむことができます。

土塁の上を歩く 
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土塁の上を歩くことで、五稜郭の全体構造をより深く理解することができます。高い視点から見る堀や稜堡の配置は、訪れる人々に五稜郭の防御システムの全貌を明らかにします​。


桜と四季折々の景観 
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五稜郭公園は四季折々の美しい景観が楽しめる場所です。春には約1,600本の桜が咲き誇り、堀の水面に映る「逆さ桜」も絶景です。夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色が広がり、一年を通じて訪れる人々を魅了します。


五稜郭祭り 
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毎年5月に開催される「箱館五稜郭祭」では、戊辰戦争最後の戦いを再現するイベントが行われます。大砲や鉄砲のパフォーマンス、開城セレモニーなどがあり、五稜郭の歴史を生き生きと感じることができます​。

 

 

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さいごに

五稜郭は、日本の歴史と文化を象徴する重要な遺産です。美しい星形の要塞、豊かな歴史、そして四季折々の風景が訪れる人々を魅了し続けています。本記事で紹介した五稜郭の概要、歴史、見どころを通じて、この素晴らしい要塞の魅力をより深く理解していただけたことと思います。

五稜郭は、一年を通じて訪れる価値のある場所であり、それぞれの季節に異なる表情を見せてくれます。訪れる際には、事前にイベント情報や見どころを確認し、最大限に楽しむための計画を立ててください。