出雲大社の縁結び|なぜ恋愛のパワースポットなのか徹底解説

出雲大社の縁結び|なぜ恋愛のパワースポットなのか徹底解説

はじめに

「縁結びの神様」と聞いて、多くの方がまず思い浮かべるのは出雲大社ではないでしょうか。島根県出雲市に鎮座するこの古社には、年間約600万人もの参拝者が訪れ、その多くが良縁を願って手を合わせています。しかし、なぜ出雲大社が「縁結びの聖地」と呼ばれるようになったのか、その理由を正確に説明できる方は意外と少ないかもしれません。

出雲大社の縁結びの力は、単なる「恋愛パワースポット」という流行りの言葉では語りきれない、深い神話的・歴史的な根拠に支えられています。御祭神・大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)は、日本神話において「国造り」を成し遂げた偉大な神です。この国造りの物語そのものが、あらゆる「縁」を結ぶ力の源泉とされているのです。

さらに、旧暦10月には全国八百万の神々が出雲に集結し、人々の縁を話し合う「神議り(かみはかり)」が行われるという壮大な信仰があります。全国で「神無月」と呼ばれる10月が、出雲だけ「神在月(かみありづき)」と呼ばれるのはこのためです。この記事では、出雲大社がなぜ縁結びの最高峰とされるのか、その神話的根拠から参拝作法、お守り、ご利益の受け取り方まで徹底的に解説します。

出雲大社の大注連縄がかかる神楽殿の正面

出雲大社と縁結びの概要

出雲大社は、日本最古の歴史書『古事記』にその創建が記される、日本でも最も古い神社のひとつです。御祭神の大国主大神は「だいこくさま」の愛称で親しまれ、縁結びの神として全国的な信仰を集めています。

正式名称出雲大社(いづもおおやしろ)
所在地島根県出雲市大社町杵築東195
御祭神大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)
主なご利益縁結び・子授け・夫婦和合・商売繁盛
参拝時間6:00〜20:00(季節により変動あり)
拝観料境内無料(宝物殿は大人300円)
神在祭毎年旧暦10月10日〜17日

※最新の参拝情報は出雲大社公式サイトをご確認ください。

出雲大社の「縁結び」のご利益は、恋愛だけに限りません。仕事の縁、友人との縁、健康との縁など、人生におけるあらゆる「良き巡り合わせ」を司るとされています。これは大国主大神が「国造り」において、多くの神々や人々と協力関係を築いてきたという神話に由来しています。

出雲大社が他の縁結び神社と一線を画すのは、その信仰の規模とスケールの大きさです。毎年旧暦10月には日本全国の神々が出雲に集まり、翌年の人々の運命——誰と誰を結びつけるか——を話し合うとされています。つまり出雲大社は、個々の神社で授けられる縁結びの上位に位置する「縁の総本山」ともいえる存在なのです。現在も出雲大社には縁結びを願う参拝者が全国から絶えず訪れています。

出雲大社の御本殿を遠景から見た風景、千木と鰹木が特徴的な大社造り

なぜ出雲大社が縁結びの聖地なのか——神話と歴史の根拠

1. 大国主大神の「国譲り」と縁結びの神託

出雲大社が縁結びの聖地となった最大の根拠は、日本神話の「国譲り」の物語にあります。『古事記』『日本書紀』によると、大国主大神は少彦名命(すくなびこなのみこと)とともに葦原中国(あしはらのなかつくに=日本の国土)を造り上げました。しかし、天照大御神は高天原(たかまのはら)から使者を遣わし、国土を天孫に譲るよう求めます。

大国主大神は長い交渉の末、ひとつの条件を出しました。「天にそびえる壮大な宮殿を造ってくれるなら、この国を譲ろう」と。こうして建てられたのが出雲大社の起源とされる巨大神殿です。そして国譲りに際して大国主大神はこう告げたと伝えられています。「私は以後、目に見えない世界——幽事(かくりごと)を治めましょう」と。

この「幽事」こそが縁結びの根源です。政治や経済といった「顕事(あらわごと)」は天照大御神の子孫(天皇家)が治め、人の目に見えない運命の糸——縁——は大国主大神が司る。この神話的な役割分担が、出雲大社を「縁結びの総本山」たらしめているのです。つまり出雲大社の縁結びは、単なる俗信ではなく、日本の国家神話そのものに根ざした信仰なのです。

2. 因幡の白兎——大国主大神の「優しさ」が縁を呼ぶ

大国主大神が縁結びの神とされるもうひとつの理由は、「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の物語に表れています。この神話は、大国主大神の慈悲深い性格を象徴するエピソードとして広く知られています。

物語はこうです。大国主大神の兄たちである八十神(やそがみ)が、因幡国の八上比売(やかみひめ)に求婚するため旅をしていました。大国主大神は兄たちの荷物持ちとして最後尾を歩いていました。道中、皮を剥がれて泣いているウサギに出会います。兄の神々は意地悪にも「海水を浴びて風に当たれば治る」と嘘を教え、ウサギの痛みをさらに悪化させました。

遅れてやってきた大国主大神は、苦しむウサギを見て心を痛め、「真水で体を洗い、蒲(がま)の穂の上に寝転がりなさい」と正しい治療法を教えました。ウサギは回復し、感謝のあまり予言します。「八上比売は兄神たちではなく、あなたを選ぶでしょう」と。実際にその通りになり、大国主大神は八上比売と結ばれました。

この物語は、真心のこもった「つながり」が良縁を呼ぶという教訓を含んでいます。大国主大神は自らの優しさによって運命の相手との縁を引き寄せたのです。出雲大社の境内に多くのウサギの像が置かれているのは、この神話に由来しています。縁結びを願って訪れる参拝者たちは、大国主大神の優しさにあやかろうとしているのです。

3. 神在月——八百万の神々が縁を決める会議

出雲大社の縁結び信仰を決定的にしているのが、「神在月(かみありづき)」の伝承です。旧暦10月は日本全国で「神無月(かんなづき)」と呼ばれますが、出雲地方だけは「神在月」と呼びます。その理由は、全国の八百万(やおよろず)の神々がこの月に出雲へ集結し、出雲大社で「神議り(かみはかり)」という大会議を開くからです。

この神議りで話し合われるのは、来年の人々の「縁」についてです。誰と誰を結びつけるか、どんな出会いを生み出すか——恋愛の縁だけでなく、仕事の縁、友人の縁、あらゆる人間関係の縁が、神々の合議によって決定されるとされています。いわば、日本中の神々が年に一度集まって行う「運命の編成会議」です。

この神在月の期間中、出雲大社では「神在祭(かみありさい)」が執り行われます。旧暦10月10日の夜、稲佐の浜で「神迎祭(かみむかえさい)」が行われ、全国からやってきた神々を出雲大社に迎え入れます。浜辺でかがり火が焚かれ、神官が祝詞を奏上する厳かな光景は、千年以上変わらず続けられてきた出雲の神事です。

神々は出雲大社の境内にある「十九社(じゅうくしゃ)」と呼ばれる宿泊所に滞在し、7日間にわたって神議りを行います。最終日の旧暦10月17日には「神等去出祭(からさでさい)」が行われ、神々はそれぞれの国へ帰っていきます。この神在祭の期間中に出雲大社を参拝すると、縁結びのご利益が格段に高まるとされ、毎年全国から大勢の参拝者が訪れます。

4. 江戸時代の「出雲参詣」ブームと縁結び信仰の全国化

出雲大社の縁結び信仰が庶民の間に爆発的に広まったのは、江戸時代のことです。江戸中期以降、伊勢参りと並んで「出雲参詣」が庶民の間で大流行しました。「一生に一度はお伊勢参り、もう一度は出雲参り」という言葉が生まれるほど、出雲大社は庶民にとっても特別な聖地でした。

この時期に出雲大社の御師(おし)と呼ばれる宗教者たちが全国を回り、大国主大神の縁結びのご利益を説いて回りました。御師たちは出雲大社のお札やお守りを配布しながら、因幡の白兎の物語や神在月の伝承を語り、縁結びの霊験を広めたのです。特に結婚適齢期の娘を持つ家庭では、出雲のお守りが重宝されたと記録に残っています。

また、江戸時代には「縁結び」の概念自体が拡大しました。それまでの男女の縁だけでなく、商売の縁、主従の縁、友人の縁など、あらゆる人間関係の「良縁」を大国主大神に祈るようになったのです。この多層的な縁結びの概念は、現代の出雲大社信仰にも引き継がれています。当時、出雲地方を訪れる旅人たちは出雲の地酒を楽しみながら参詣の旅を満喫していたと伝えられています。

5. 現代——パワースポットブームと新たな縁結び文化

明治時代以降、出雲大社は「官幣大社」として国家的な格式を与えられましたが、縁結びの信仰は庶民の間で途切れることなく続きました。戦後、特に昭和の高度経済成長期には、新婚旅行で出雲大社を訪れるカップルが増加し、「結婚の聖地」としてのイメージが定着していきます。

2000年代に入ると、パワースポットブームの波に乗り、出雲大社の縁結び人気は全国的に再燃しました。テレビ番組や女性誌で「最強の縁結びスポット」として繰り返し紹介され、若い女性を中心に参拝者が急増しています。2013年の「平成の大遷宮」では約800万人が訪れ、出雲大社の知名度は国際的にも大きく高まりました。

現在の出雲大社では、縁結びに特化したさまざまな授与品が用意されており、「縁結守」「縁結びの糸」「えんむすびお守り」などは参拝者の間で非常に人気があります。また、出雲大社の周辺にも「縁結びスポット」が点在し、出雲の町全体が縁結びの聖地としての雰囲気を醸し出しています。SNSの普及により、出雲大社の美しい境内や荘厳な大注連縄の写真が世界中に拡散され、海外からの参拝者も年々増加しています。

出雲大社の参道、松の馬場と呼ばれる美しい松並木の参道

縁結びの見どころ・おすすめスポット

出雲大社を訪れたら、縁結びのご利益をしっかり受け取るために外せないスポットを厳選してご紹介します。

1. 御本殿と八足門——大国主大神に直接祈る場所

出雲大社の御本殿は「大社造り(たいしゃづくり)」と呼ばれる日本最古の神社建築様式で建てられており、国宝に指定されています。現在の御本殿は延享元年(1744年)に造営されたもので、高さ約24メートル。かつては48メートルもの高さがあったと伝えられ、2000年に境内から発見された巨大な柱の遺構がこの伝説を裏付ける証拠として注目を集めました。

参拝者が通常拝礼できるのは御本殿の前にある八足門(やつあしもん)までです。ここが大国主大神に最も近づける場所であり、縁結びの祈りを捧げる核心のスポットです。出雲大社の参拝作法は他の神社と異なり、「二拝四拍手一拝」です。通常の神社の「二拝二拍手一拝」より拍手が2回多いのは、出雲大社の格式の高さを表しているとされます。

御本殿の特徴は、大国主大神が西を向いて鎮座していることです。正面から参拝した後、本殿の西側にも拝所があり、ここから横向きに拝むと大国主大神の正面からお参りすることになります。この「西側の拝所」は知る人ぞ知る隠れた参拝ポイントであり、縁結びの効果がさらに高まるとも言われています。参拝の際には心の中で具体的な願いを念じるのがよいでしょう。

出雲大社の御本殿を八足門越しに見上げるアングル

2. 神楽殿の大注連縄——出雲大社のシンボル

出雲大社といえば、多くの方が真っ先にイメージするのが神楽殿(かぐらでん)の巨大な注連縄(しめなわ)でしょう。長さ約13.6メートル、重さ約5.2トンというこの大注連縄は日本最大級であり、その圧倒的な存在感は訪れる人すべてを驚嘆させます。

注連縄は神聖な場所と俗世を隔てる結界の役割を持ち、その「結ぶ」という行為自体が縁結びと深い関係にあります。実は出雲大社の注連縄は一般の神社とは逆向きに綯われていることをご存じでしょうか。通常の神社では向かって右側が太い「綯い始め」ですが、出雲大社では向かって左側が太くなっています。これは出雲大社特有の伝統であり、その理由には諸説あります。

神楽殿は昭和56年(1981年)に建てられた比較的新しい建物ですが、大広間は270畳の広さを誇り、結婚式をはじめさまざまな祭事が行われています。出雲大社での結婚式は「縁結びの神の前で永遠の契りを結ぶ」として、全国から申し込みが絶えません。神楽殿の前で大注連縄を見上げながら、縁結びの祈りを捧げる参拝者の姿は、出雲大社の日常風景となっています。

出雲大社神楽殿の大注連縄を見上げるアングル、圧巻のスケール

3. 稲佐の浜——神々が降り立つ縁結びの始まりの地

出雲大社から西へ徒歩約15分、日本海に面した稲佐の浜は、神在月に全国の神々が最初に降り立つ聖なる浜辺です。毎年旧暦10月10日の夜に行われる「神迎祭」では、この浜辺にかがり火が焚かれ、神官が祝詞を奏上して八百万の神々を出迎えます。まさに、一年分の縁結びが始まる瞬間の舞台なのです。

浜辺にはひときわ目を引く「弁天島(べんてんじま)」が鎮座しています。かつては海中に浮かぶ小島でしたが、砂の堆積により現在は砂浜と陸続きになっています。島の頂上には豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)を祀る小さな祠があり、夕日に照らされたそのシルエットは神秘的な美しさです。

参拝者の間では、稲佐の浜で砂を採取し、出雲大社境内の「素鵞社(そがのやしろ)」に奉納して代わりに御砂をいただく「砂の交換」の習わしが人気です。この御砂を自宅の敷地や田畑に撒くと、土地が清められてご利益があるとされています。稲佐の浜の夕日は「日本の夕陽百選」にも選ばれており、水平線に沈む太陽と弁天島が織りなす絶景は、縁結びの旅の忘れられない一場面となるでしょう。

4. 素鵞社(そがのやしろ)——隠れたパワースポット

御本殿の真裏、八雲山の岩肌が迫る場所にひっそりと鎮座する素鵞社は、知る人ぞ知る出雲大社最強のパワースポットです。御祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)——大国主大神の義父にあたる荒ぶる神です。素鵞社は御本殿の真後ろに位置しており、御本殿を流れる神気がこの社に集まるとされ、特に霊的なエネルギーが強い場所として知られています。

素鵞社が縁結びと深い関係にあるのは、須佐之男命と大国主大神の関係に由来しています。日本神話によると、大国主大神は須佐之男命から数々の試練を課されました。蛇の室屋、百足と蜂の室屋など、命がけの試練を須佐之男命の娘・須勢理毘売命(すせりびめのみこと)の助けを借りて乗り越え、最終的に須佐之男命に認められて須勢理毘売命と結ばれます。つまり、試練を乗り越えて得た「最強の縁」の物語がここに宿っているのです。

先述の稲佐の浜で採取した砂を素鵞社の床下に置き、代わりに既に置かれている御砂をいただくのが人気の参拝方法です。御砂はお守りとして持ち歩いたり、自宅に撒いたりすると良いとされています。素鵞社の背後にそびえる八雲山の岩肌に直接手を触れると、強い気を感じるという参拝者も多くいます。メインの参拝路からやや外れた場所にあるため見落とす方もいますが、縁結びを願うなら絶対に外せないスポットです。

出雲大社の素鵞社、御本殿の裏手にひっそりと鎮座する社殿

5. 縁結びのお守り・授与品——ご利益を持ち帰る

出雲大社を訪れた記念に、そして縁結びのご利益を日常生活に持ち帰るために、授与品(お守り)の購入は欠かせません。出雲大社の授与所では、縁結びに特化したさまざまなお守りが用意されており、参拝者の間で非常に人気があります。

最も人気が高いのは「縁結守(えんむすびまもり)」です。紅白2体セットのお守りで、ひとつを自分が持ち、もうひとつを縁を結びたい相手に渡すという使い方が伝統的です。紅白の色は吉兆を象徴し、二つのお守りが一組になっていること自体が「縁を結ぶ」ことを表現しています。価格は1,000円で、毎年デザインが少しずつ変わるため、リピーターも多いのが特徴です。

もうひとつ見逃せないのが「縁結びの糸」です。紅白の絹糸が束ねられたこの授与品は、衣服の縫い糸として使ったり、身の回りの品に結びつけたりすることで、良縁のご利益が得られるとされています。実際に「縁結びの糸をカバンに結んだら、その月に運命の人と出会えた」という体験談がSNS上に数多く投稿されています。

このほか、「えんむすびお守り」「幸縁むすび守」「蘇り守」など、用途に応じた多彩な授与品が揃っています。特に神在祭の期間中にのみ授与される限定品は毎年人気が高く、早い時間帯に売り切れることもあります。お守りは神社で購入する際に「買う」ではなく「受ける」と表現するのが日本の作法です。大国主大神の御神徳が宿ったお守りを「お受け」して、縁結びの旅の大切な思い出としてお持ち帰りください。

出雲大社の授与所に並ぶ色とりどりの縁結びお守り

周辺の観光スポット

1. 出雲大社 神門通り——参拝の前後に楽しむ門前町

出雲大社の正門(勢溜の鳥居)から南へ延びる神門通りは、約700メートルにわたって土産物店やカフェ、食事処が立ち並ぶ門前町です。参拝の前後に立ち寄ると、出雲ならではの食文化や土産物を楽しむことができます。

この通りで特に人気なのが「出雲そば」です。出雲そばは「割子(わりご)」と呼ばれる丸い漆器に盛られるのが特徴で、3段重ねの割子にそれぞれ薬味を変えて食べるスタイルが一般的です。蕎麦の実を殻ごと挽く「挽きぐるみ」製法のため、色が濃く香りが強いのが特徴です。出雲大社参拝の後に温かい出雲そばで体を温めるのは、古くからの参拝者の楽しみでした。

また、縁結びスポットを巡る参拝者には、通り沿いにある「ご縁横丁」もおすすめです。出雲の特産品や縁結びグッズを扱う小さな店が集まっており、ハート型の「縁結びぜんざい」やピンク色の「縁結びソフトクリーム」など、フォトジェニックなスイーツも充実しています。門前町全体が縁結びの雰囲気に包まれており、参拝の余韻を楽しむのにぴったりの場所です。

出雲大社の門前町・神門通りの賑わい、土産物店が並ぶ通り

2. 日御碕神社——海辺の朱色の社殿

出雲大社から車で約20分、島根半島の最西端に位置する日御碕(ひのみさき)神社は、鮮やかな朱色の社殿が日本海の青さに映える美しい神社です。天照大御神と須佐之男命を祀り、「日の本の夜を守る神社」として朝廷からも崇敬されてきました。

日御碕神社は出雲大社と対をなす存在とも言われています。出雲大社が「幽事」(見えない世界の縁結び)を司るのに対し、日御碕神社は「日沈宮(ひしずみのみや)」として夕日の力を宿しています。社殿は徳川家光の命により造営されたもので、極彩色の彫刻が施された権現造りの建物は国の重要文化財に指定されています。近くの出雲エリアの観光と合わせて訪れるのがおすすめです。

日御碕灯台は高さ約43.65メートルで、石造灯台としては日本一の高さを誇ります。灯台の展望台からは360度の日本海パノラマが広がり、水平線に沈む夕日は絶景そのもの。出雲大社で縁結びの参拝をした後に日御碕まで足を延ばし、日本海の壮大な夕日を眺めて一日を締めくくるのは、出雲旅行の理想的なプランです。

3. 八重垣神社——鏡の池で占う縁結び

出雲大社から車で約40分、松江市に鎮座する八重垣(やえがき)神社は、出雲大社と並ぶ縁結びの名社として知られています。御祭神は須佐之男命と櫛名田比売命(くしなだひめのみこと)。日本神話で須佐之男命が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治して櫛名田比売命と結ばれた物語は、日本最古のラブストーリーとも言われています。

八重垣神社で最も人気のスポットが「鏡の池」の縁占いです。社務所で半紙のお守り(100円)を購入し、その上に10円玉か100円玉を乗せて池に浮かべます。紙が早く沈めば良縁が早く訪れ、遠くに流れれば遠方の人と縁がある——というものです。池の周りでは、真剣なまなざしで紙の動きを見守る参拝者の姿がいつも見られます。

出雲大社と八重垣神社を一日で巡る「出雲縁結び巡礼」は、縁結びを願う旅行者に非常に人気のコースです。二つの聖地で縁結びの祈りを重ねることで、より強いご利益が得られると言われています。出雲大社の概要をあらかじめ把握しておくと、より深い参拝体験ができるでしょう。

アクセス方法

電車でのアクセス

出雲大社への電車でのアクセスは、JR出雲市駅を経由するルートが一般的です。東京からはJR東海道・山陽新幹線で岡山駅まで約3時間20分、岡山駅からJR特急「やくも」で出雲市駅まで約3時間、合計約6時間20分です。大阪からは新幹線で岡山経由、合計約4時間です。出雲市駅からは一畑電車(いちばたでんしゃ)大社線に乗り換え、「出雲大社前駅」で下車すると徒歩約5分で勢溜の大鳥居に到着します。一畑電車の所要時間は約25分です。

もうひとつの選択肢として、出雲空港(出雲縁結び空港)を利用するルートがあります。羽田空港から約1時間25分で到着し、空港からは連絡バスで出雲大社まで約40分(約900円)です。飛行機を利用すれば東京から半日で出雲に到着できるため、時間を節約したい方にはおすすめです。

バスでのアクセス

JR出雲市駅からは一畑バスが運行しており、「出雲大社連絡所」行きのバスで約25分(520円)です。稲佐の浜や日御碕方面へのバスも出雲大社連絡所から出ているため、周辺観光にも便利です。また、松江駅からは一畑バスの「出雲大社行き」が運行されており、約1時間で到着します(1,000円)。

車でのアクセス

車でのアクセスの場合、山陰自動車道・出雲ICから約15分です。駐車場は出雲大社の周辺に複数あり、大社駐車場(無料・約385台)が最寄りです。ただし正月や神在祭の時期は大変混雑するため、早朝に到着するか、出雲市内のホテルに車を置いてバスや電車で訪れることをおすすめします。

おすすめのアクセス方法

最もおすすめのアクセス方法は、出雲空港から連絡バスで直行するルートです。時間効率が良く、体力的な負担も少ないため、縁結び参拝に集中できます。日本の交通手段についての基本情報も参考にしてみてください。出雲大社周辺は徒歩で回れるコンパクトなエリアですが、稲佐の浜や日御碕神社まで足を延ばす場合は、レンタカーがあると便利です。

一畑電車の出雲大社前駅、レトロな駅舎

まとめ

出雲大社の縁結びの力は、大国主大神の「国譲り」に端を発する壮大な神話に裏打ちされたものです。幽事(かくりごと)を司る大国主大神のもとに八百万の神々が集まり、人々の縁を決める——この日本独自の信仰こそ、出雲大社を「縁結びの総本山」たらしめている根源です。

因幡の白兎の物語に表れる大国主大神の優しさ、神在月の神議りという壮大な世界観、そして稲佐の浜から素鵞社まで境内に点在するパワースポットの数々。出雲大社の縁結びは、単なる「恋愛パワースポット」を超えた、日本文化の深層に触れる体験です。

良縁を願う方はもちろん、日本神話の世界を肌で感じたい方にも、出雲大社への参拝は一生の思い出となるでしょう。伊勢神宮と並ぶ日本最高峰の聖地で、大国主大神に心からの祈りを捧げてみてはいかがでしょうか。厳島神社春日大社など他の名社との比較もまた、日本の神社巡りの奥深い楽しみです。

よくある質問

1

A.境内をひと通り巡るには約1時間30分〜2時間が目安です。御本殿、神楽殿の大注連縄、素鵞社などに加え、授与所でお守りを受ける時間を含めるとこのくらいかかります。稲佐の浜まで足を延ばす場合はさらに30〜40分を見込んでください。

2

A.旧暦10月の「神在月」、特に神在祭が行われる旧暦10月10日〜17日(新暦では例年11月下旬〜12月上旬頃)が最も縁結びのご利益が高まるとされています。ただし、大国主大神は年中鎮座されていますので、いつ参拝しても縁結びのご利益は受けられます。

3

A.出雲大社の参拝作法は「二拝四拍手一拝」で、一般の神社の二拍手より2回多くなります。また、御本殿は正面だけでなく西側の拝所からも参拝するのが通の作法です。大国主大神は西を向いて鎮座されているためです。

4

A.松江市の八重垣神社(車で約40分)の「鏡の池」での縁占いや、玉作湯神社(車で約50分)の「叶い石」がおすすめです。また、出雲大社境内の素鵞社(そがのやしろ)は隠れた最強パワースポットとして知られています。

5

A.はい、仕事上の良い出会い、友人関係、健康との縁、運気向上など人生におけるあらゆる「良縁」を司るとされています。ビジネスマンが商談成功を祈って参拝するケースも多くあります。