【角館の武家屋敷×日本酒】酒蔵巡りで地酒を堪能!角館と日本酒を満喫する旅

🕓 2025/5/18
#日本酒

自然で心を潤し、地酒で舌鼓を打つ角館 

 

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 目次

  1. 角館で味わう日本酒とは
  2. 角館の武家屋敷周辺の「おすすめ酒蔵」
  3. 角館の武家屋敷周辺の「日本酒おすすめセレクション」
  4. 角館の武家屋敷と酒蔵を巡「モデルコース」

はじめに

黒板塀と枝垂れ桜が織り成す“みちのく小京都”角館。武家屋敷が400年の時を刻むこの町では、奥羽山脈の伏流水と秋田米が醸す地酒が、歴史景観に静かに寄り添っています。

本記事では、武家屋敷通りの情緒を味わいながら老舗蔵を巡るモデルコースや、角館でぜひ手に取りたい厳選銘柄を紹介します。桧木内川堤の四季折々の風景とともに、日本酒がもつ奥深い物語を旅の中で体験してみませんか。



1. 角館で味わう日本酒とは 

武家屋敷の黒板塀と枝垂れ桜が織りなす“みちのくの小京都”角館。400年の時を刻む侍町の風情は、奥羽山脈の伏流水と秋田の酒米を育む豊かな大地と結びつき、東北屈指の酒どころとしても知られています。春は桧木内川堤の桜が町を淡紅色に染め、秋は格子窓越しに紅葉が揺れる――季節折々の景観が、日本酒の滋味をいっそう引き立ててくれるのです。

 1 | 黒板塀の静寂と、奥羽山脈伏流水の恵み

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角館から車で10分、元禄二年(1689)創業の鈴木酒造〈秀よし〉は、奥羽山脈から湧く軟水を地下45 mから汲み上げ、杜氏が磨き抜いた秋田酒こまち・美郷錦を自家精米。“藩御用酒”の系譜を受け継ぎながらも、低温長期発酵を用いた吟醸造りで気品ある香味を奏でます。蔵見学では江戸期の甲冑や美術品も公開され、武家文化と醸造技術の融合を体感できます。

 

 2 | 武家屋敷通りを歩き、角打ちで味わう地酒の鼓動

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武家屋敷通りに点在する地酒専門店は、黒塀散策の楽しみを深める隠れた名所。〈樹の下や よしなり〉では常時40種以上の秋田酒を無料利き酒付きで紹介し、〈地酒のふじた〉は駅前で角打ちも可能。桜皮細工のぐい吞みを片手に、限定生原酒や低アルのスパークリングを味わえば、歴史の街並みと酔いが心地よく溶け合います。

 

 3 | 桜の古都に映える杯、秀よしの多彩な表情

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秀よしの代表銘柄「桜の舞」「蔵の舞」は、角館の桜並木を想わせる淡麗な香りと米旨味の余韻が魅力。春限定の花見酒、秋に瓶囲いで出荷される「EN-SO MOMIJI」、干支ボトルやミズナラ樽熟成など挑戦的なラインも豊富で、蔵元の革新精神が息づきます。武家町の美意識を映しとった多彩な一杯が、旅人の杯に奥深い季節感を注ぎ込みます。

 

角館武家屋敷エリア 概要情報 】

項目 内容
所在地 秋田県仙北市角館町(武家屋敷通り・桧木内川堤周辺)
アクセス JR角館駅から徒歩約15分(武家屋敷通り)/JR角館駅から車10分〈鈴木酒造 秀よし〉
主な観光地 武家屋敷通り(青柳家・石黒家ほか)、桧木内川堤の桜並木、角館歴史村・伝承館、田沢湖、抱返り渓谷
日本酒スポット 鈴木酒造〈秀よし〉、樹の下や よしなり、地酒のふじた、仙北市観光情報センター〈角館駅前蔵〉、土間人 角館店 など
イベント情報 角館の桜まつり(4月中旬〜5月上旬:花見酒限定販売)/角館まつりのやま行事(9月7–9日:祭礼限定酒「宵山」)/秀よし蔵開き(春)、新酒しぼりたて試飲会(冬)

 

 

 



2. 角館の武家屋敷周辺の「おすすめ酒蔵」

武家町の面影と豊潤な伏流水が醸す――みちのく小京都で味わう蔵巡り

黒板塀の武家屋敷が残る角館は、雄物川・桧木内川の清流と奥羽山脈の雪解け水に恵まれ、古くから良質な酒米の集散地でした。駅から少し足を延ばせば、歴史ある酒蔵が今も息づき、見学や利き酒を通して“秋田流の酒造り”を肌で感じられます。ここでは、角館から日帰りで訪ねやすい2蔵を厳選してご紹介します。

 1. 鈴木酒造店〈秀よし〉|元禄創業 ・藩御用酒を今に伝える名門蔵

会社概要 | 秋田の日本酒 秀よし - 鈴木酒造出店:http://www.iw-kotobuki.co.jp/

かつて佐竹北家の御用達を務めた鈴木酒造店は、1689 年創業の老舗。地下45 mから汲み上げる奥羽山脈の軟水と、秋田酒こまち・美郷錦など県産米を自家精米し、低温長期発酵で気品ある香味を磨き上げます。甲冑や古文書が並ぶ蔵見学(要予約)は、酒造りと武家文化を一度に味わえる貴重な体験。無料試飲コーナーでは看板銘柄「秀よし」の純米酒から斗瓶取りの限定品まで10種以上を利き比べできます。

項目 内容
正式名称 合名会社 鈴木酒造店(銘柄:秀よし・龍蟠)
創業年 1689 年(元禄2 年)
主な銘柄 秀よし(純米・純米吟醸・純米大吟醸)、龍蟠、季節限定「しぼりたて生原酒」ほか
見学 〇(要予約・所要30 分/見学料500 円)
試飲 〇(無料 10種前後)
直売所 あり(限定酒・酒粕・甘酒・リキュールなど)
アクセス JR羽後長野駅 徒歩約10 分/角館駅からJRで約25 分+徒歩

 

 2. 刈穂酒造|山廃仕込みと“全量酒槽しぼり”が光る職人蔵

出店:https://www.igeta.jp/kariho-page/

1913 年創業、雄物川のほとりに佇む刈穂酒造は、嘉永3 年築の蔵を受け継ぎ“山廃酛”と伝統の酒槽(ふね)しぼりで力強い辛口を醸します。仕込水は奥羽山脈の伏流水、米は秋田酒こまち・あきたこまちを中心に全量県産。蔵見学(要予約)は通年対応で、蔵人が酒槽しぼりや山廃酒母室を案内。試飲カウンターでは「刈穂 六舟」「Kariho Yamahai Extra Dry」などを有料テイスティングできます。

項目 内容
正式名称 秋田清酒株式会社 刈穂酒造
創業年 1913 年(大正2 年)
主な銘柄 刈穂(六舟・山廃純米・吟醸)、出羽鶴、やまとしずく限定酒 ほか
見学 〇(要予約・通年/見学料300 円〜)
試飲 〇(有料・3〜4種、季節変動)
直売所 あり(限定瓶、酒粕、グッズ)
アクセス JR神宮寺駅 徒歩約15 分/角館駅からJRで約35 分+徒歩
 

 

 



3. 角館の武家屋敷周辺の「日本酒おすすめセレクション」

黒板塀と枝垂れ桜が連なる“みちのく小京都”角館。奥羽山脈の雪解け水と秋田酒米が織りなす地酒は、武家屋敷の静寂や桧木内川堤の景観と相まって格別です。蔵見学や駅前の地酒専門店で手に入る5本を厳選し、味わい・造り・楽しみ方を詳しくまとめました。歴史散策や花見とペアでどうぞ。

 1. 秀よし 蔵の舞 純米大吟醸|鈴木酒造店

元禄創業の名門が放つフラッグシップ。山田錦と秋田酒こまちを40 %まで磨き、低温長期発酵で育んだ酒を袋吊りで丁寧に搾ります。果実を思わせる瑞々しい吟醸香と絹のような甘旨を備えながら、日本酒度+3.5が切れ味を演出。IWC2019純米大吟醸部門でトロフィーを受賞し、Kura Masterでもプラチナを獲得した実力派です。冷酒で香りを堪能し、比内地鶏の炭火焼や塩味のチーズで旨みを伸ばすと秀逸。

項目 内容
種別 純米大吟醸(精米歩合40 %)
味わい 洋ナシ・メロン系の香り/上品な甘みの後にシャープなキレ
飲み方 冷酒◎/常温○
相性料理 比内地鶏塩焼き、稲庭うどん、とんぶりと帆立のカルパッチョ
どこで買える・飲める 鈴木酒造〈直売所〉/地酒のふじた/角館駅前蔵

 

 2. 秀よし 桜の舞 純米吟醸〈春限定〉|鈴木酒造店

角館の夜桜をモチーフにした黒ボトルが目印。秋田酒こまちを50 %まで磨き、「こまち酵母スペシャル」で醸した一本は、白桃・リンゴの華やかさとやさしい甘みが春の花見弁当を彩ります。瓶燗火入れでアロマを封じ込め、ライトアップされた桜並木を眺めながら嗜むと格別。発売は2月下旬〜4月上旬の蔵出し分のみなので、見かけたら即購入がおすすめです。

項目 内容
種別 純米吟醸(精米歩合50 %・季節限定)
味わい 白桃様の吟醸香/みずみずしい甘み/すっきり後口
飲み方 冷酒◎/常温◎
相性料理 いぶりがっこ&クリームチーズ、桜鯛昆布締め、よもぎ餅
どこで買える・飲める 鈴木酒造〈直売所〉/地酒のふじた(試飲可)

 

 3. 刈穂 吟醸 六舟|刈穂酒造

蔵に現存する6基の酒槽(ふね)から命名された辛口吟醸。美山錦を57 %まで磨き、中硬水で仕込んだ醪を木槽で搾るため、雑味のないクリアな旨みとシャープな酸が際立ちます。IWC2008ブロンズ受賞後も国内外で高評価を重ね、夏限定の薄にごり“Summer Mist”やスパークリング版など多彩な派生酒を展開。冷やして刺身、ぬる燗で山菜天ぷらと合わせると味幅が広がります。

項目 内容
種別 吟醸(精米歩合57 %)
味わい 爽やかな香り/淡麗辛口/鋭いキレと余韻
飲み方 冷酒◎/常温○/ぬる燗○
相性料理 ハタハタ寿司、タラの芽天ぷら、塩ジンギスカン
どこで買える・飲める 地酒のふじた/角館駅前蔵/居酒屋「土間人」ほか

 

 4. 雪の茅舎 純米吟醸|齋彌酒造店

全国新酒鑑評会で通算20回の金賞を誇る名蔵が、自社酵母で醸す看板酒。山田錦・秋田酒こまちを55 %まで磨き、無濾過ながらアミノ酸を抑えた設計で、リンゴを想起させる控えめな香りときめ細かな酸が絶妙なバランス。雪深い由利本荘の湧水由来の澄んだ後味が料理を選ばず、冷酒からぬる燗まで幅広く対応します。初めて雪の茅舎を飲むならまずこの一本が定番。

項目 内容
種別 純米吟醸(精米歩合55 %・無濾過原酒)
味わい 青リンゴ系の穏やかな香り/澄んだ旨み/キレの良い酸
飲み方 冷酒◎/常温◎/ぬる燗○
相性料理 きりたんぽ鍋、セリしゃぶ、真鱈白子ポン酢
どこで買える・飲める 角館駅前蔵/地酒のふじた/発酵小路田屋

 

 5. 天の戸 美稲八〇 純米|浅舞酒造

“米を削りすぎず味で勝負”を掲げる低精白の先駆け。秋田酒こまちを80 %精米のまま、秋田流花酵母 AK-1で醸し、芳醇な米旨とキレの良さを共存させました。2017年全国燗酒コンテストで最高金賞を獲得し、コスパ日本酒としてもメディア常連。常温〜ぬる燗にすると穀物の甘みと酸の立体感が増し、比内地鶏味噌鍋や山内いものこ汁と抜群に合います。

項目 内容
種別 純米(精米歩合80 %・無濾過火入れ)
味わい ふくよかな米旨/適度な酸/後口は辛口寄りでキレ良し
飲み方 常温◎/ぬる燗◎/冷酒○
相性料理 比内地鶏味噌鍋、いぶりがっこタルタル、舞茸炭火焼
どこで買える・飲める 角館駅前蔵/地酒のふじた/県内特約店

 

 

 



4. 角館の武家屋敷と酒蔵を巡る「モデルコース」

黒板塀と枝垂れ桜が続く武家屋敷通りを歩き、奥羽山脈の伏流水で醸す秋田の地酒を利き酒する――。歴史情緒と日本酒文化が同居する角館は、半日でも丸一日でも“濃い”体験が組めるのが魅力です。ここでは旅のスタイルに合わせて選べる 3つのモデルコース をご提案します。

 ①|武家屋敷と利き酒を満喫! 定番さんぽ&試飲コース

🕒 所要時間: 約 4 〜 5 時間 | 🧭 難易度: ★☆☆ | 🍶 試飲数の目安: 2ヵ所

出店:https://tazawako-kakunodate.com/ja/shops/167

角館のエッセンスを半日でギュッと味わう王道ルート。武家屋敷の重厚な屋敷門と春の桜並木(または秋の紅葉)を写真に収めたら、駅前と武家町の2つの地酒ショップで “角館ラベル” を飲み比べ。ランチは比内地鶏や稲庭うどんなど郷土グルメで腹ごしらえ――“武家屋敷×地酒” を気軽に楽しめる鉄板プランです。

時間帯 行程内容
9:30 – 10:00 JR角館駅到着 → 駅舎右手の〈角館駅前蔵〉で観光マップ&手荷物預け|角館限定酒を試飲(有料)
10:00 – 11:30 武家屋敷通り散策(青柳家・石黒家など)→ 黒板塀と桜並木を撮影
11:30 – 12:00 武家町入口〈地酒のふじた〉で「秀よし・桜の舞」など無料利き酒&お土産選び
12:00 – 13:00 古民家レストランで郷土ランチ(比内地鶏親子丼/稲庭うどん など)
13:00 – 14:00 桧木内川堤を散策しながら写真撮影 → カフェ休憩 or 追加ショッピング
14:00 – 角館駅へ戻り列車移動/武家屋敷のミュージアム見学など自由行動

 

 ②|角館+老舗酒蔵を深掘り! 刈穂・秀よし満喫コース

🕒 所要時間: 約 7 〜 8 時間 | 🧭 難易度: ★★☆ | 🍶 試飲数の目安: 2ヵ所+α

秋田の日本酒 秀よし 鈴木酒造 酒造観光 酒蔵出店:https://www.hideyoshi.co.jp/sakagurakanko/

角館からJRで南へ――山廃仕込みと“酒槽しぼり”で名高い〈刈穂酒造〉、藩御用酒の伝統を守る〈鈴木酒造店・秀よし〉を1日で巡る欲張りプラン。両蔵ともガイド付きツアーと試飲が充実しており、秋田の辛口から華やかな吟醸まで幅広いスタイルを体験できます。帰路は角館に戻り、武家町の居酒屋で“締めきりたんぽ”はいかが。

時間帯 行程内容
9:00 – 10:00 JR角館駅 → 武家屋敷をさっと散策/写真撮影
10:00 – 10:30 JR角館駅発 → JR奥羽本線で神宮寺駅へ(約20 分)
10:35 – 12:00 徒歩15 分で〈刈穂酒造〉着 → 酒槽しぼり蔵見学+有料テイスティング(3〜4種)
12:00 – 12:25 タクシーで〈鈴木酒造店・秀よし〉へ移動(約15 分)
12:30 – 13:30 甲冑ギャラリー付き蔵見学+無料試飲10種超/蔵内食事処でランチ(稲庭うどん膳など)
13:45 – 14:30 蔵限定酒・酒粕ソフト購入 → タクシーで大曲駅へ
14:45 – 15:15 JR大曲駅発 → 角館駅着
15:15 – 16:30 武家町のカフェ or 居酒屋「土間人」で晩酌セット(きりたんぽ&利き酒)

 

 ③|駅前で“ちょい飲み”! 利き酒ライトプラン

🕒 所要時間: 約 2 〜 3 時間 | 🧭 難易度: ★☆☆ | 🍶 試飲数の目安: 2ヵ所+食べ歩き

出店:https://www.akita-tourism.com/member/content/577

乗り換え待ちや秋田新幹線の発車前にサクッと角館の地酒を味わいたい人向け。駅前の蔵造り案内所と地酒ショップをハシゴし、武家屋敷通り入口で桜皮細工の猪口を土産に購入。時間があればハタハタ寿司やいぶりがっこなどローカルつまみも追加して“角打ち気分”を満喫できます。

時間帯 行程内容
任意 JR角館駅到着 → 駅構内で手荷物ロッカー利用
13:00 – 13:30 〈角館駅前蔵〉で秋田各蔵の有料試飲(3杯セットなど)&地域限定ボトル購入
13:30 – 14:00 駅前レンタサイクル or 徒歩で〈地酒のふじた〉へ → 「桜の舞」など無料利き酒
14:00 – 14:30 武家屋敷通り入口の土産店で桜皮細工のお猪口&いぶりがっこを購入
14:30 – 角館駅へ戻り新幹線乗車/秋田内陸線で田沢湖方面へ延長も可
 
 
 
 
 


 さいごに 

角館の町歩きは、ただ景色を眺めるだけでなく、土地が育んだ米と水、そして蔵人の技に触れる“味わいの旅”でもあります。黒塀越しに感じた武士文化の気配や、蔵見学で聞いた杜氏の息づかい——そのすべてが一杯の酒に凝縮されています。

歴史と自然に抱かれたこの町で、お気に入りの一本と出会い、心に残る余韻とともに帰路につけますように。