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城崎温泉について|歴史や概要を詳しく解説

作成者: BesPes|Oct 11, 2024 6:33:58 PM

🕓 2024/10/20
#温泉

城崎温泉の歴史や概要を詳しく解説

 


 目次

  1. 城崎温泉の概要
  2. 城崎温泉の歴史
  3. 城崎温泉の見どころ


はじめに

城崎温泉は、1300年以上の歴史を持ち、兵庫県豊岡市に位置する日本有数の温泉地です。奈良時代にその起源を遡るこの温泉地は、長い歴史の中で文化的にも豊かな発展を遂げ、国内外の観光客に愛されています。

魅力は、豊かな温泉文化と自然環境の調和、そして「外湯めぐり」などの伝統的な体験です。また、城崎温泉の町並みには、歴史的な建物や文化に触れられるスポットが数多く点在し、訪れる人々に多彩な楽しみを提供しています。この記事では、城崎温泉の概要、歴史、そして見どころについて、詳しく紹介します。

 

1. 城崎温泉の概要 

城崎温泉は兵庫県北部、豊岡市に位置する歴史ある温泉地で、1300年以上の歴史を持っています。奈良時代の717年、僧侶の道智上人が千日間の修行を経て温泉を湧き出させたという伝説から始まりました。

江戸時代には「海内第一泉」と呼ばれ、現代でも国内外から訪れる多くの観光客に愛されています。歴史的に見ても、政治家や文人に愛され、志賀直哉などの著名な作家もこの地で創作活動を行いました。志賀直哉の「城の崎にて」という短編は、城崎温泉の静かな情景や自然に対する感慨が描かれています。

城崎温泉の特徴の一つは、「外湯めぐり」と呼ばれる7つの共同浴場を巡る体験です。これらの外湯には、それぞれ独自の歴史や趣があり、浴衣を着て下駄を鳴らしながら湯巡りを楽しむことができます。代表的な外湯には「鴻の湯」や「御所の湯」などがあり、各湯が異なるテーマで訪れる人々を癒しています。

温泉街には、レトロな遊技場があり、昔ながらの射的やスマートボールといった昭和の風情が残るゲームを楽しむことができます。特に「谷口屋遊技場」は、昭和29年に創業された温泉街ならではの遊び場で、浴衣姿で遊技に興じる姿は、昔の温泉街の風景を思い出させるものです。

温泉街自体も風情ある町並みで、旅館やカフェ、食べ歩きスポットが充実しており、歴史的な建物や美しい自然環境が融合しています。特に冬季には、日本海で水揚げされた「松葉ガニ」や「但馬牛」などのご当地グルメも楽しめます。

 

 

 

 

2. 城崎温泉の歴史 

河口城崎温泉の歴史を西暦ごとに分けてまとめました。以下に、主要な出来事とその時代背景を記載しています。

 1. 717年: 城崎温泉の開湯 

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城崎温泉の歴史は奈良時代の717年、僧侶の道智上人によるものです。道智上人はこの地を訪れ、難病に苦しむ人々を救うために四所明神の神託を受けて、千日間の修行を行いました。この修行の満願の際、霊湯が湧き出し、これが城崎温泉の始まりとされています。湧出した温泉は現在の「まんだら湯」として知られ、その後、温泉寺も建立され、温泉地としての基盤が築かれました​。

 

 2. 江戸時代: 「海内第一泉」として栄える 

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江戸時代、城崎温泉は「海内第一泉」と称され、全国でも有数の温泉地としての地位を確立しました。温泉番付では、有馬温泉に次ぐ西の関脇として高い評価を受け、温泉街では湯治客が集まり、賑わいを見せていました。当時の城崎では、鍋焼きやぜんざい、そばなどの料理が楽しめる店も多く、温泉と共に食文化も発展していました。

 

 3. 1917年: 志賀直哉の「城の崎にて」 

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文豪・志賀直哉は1917年、大正時代に城崎温泉を訪れ、そこで「城の崎にて」という短編小説を執筆しました。この作品は、城崎の静かな自然や温泉街の雰囲気を背景に、人間の死生観を描いています。志賀直哉はこの温泉地を心から愛し、他の文人たちも彼に続いて城崎を訪れるようになりました。城崎は「文学の町」としての顔も持つようになり、多くの文学碑が現在も町中に残されています。

 

 4. 1925年: 北但大震災 

出展: ジャパンアーカイブズ 

1925年5月23日に発生した北但大震災は、城崎温泉に壊滅的な被害をもたらしました。この地震のマグニチュードは6.8で、特に豊岡市と城崎町で甚大な被害が出ました。城崎温泉では、町の8割が全焼し、特に昼時だったために多くの女性が炊事中に建物の倒壊に巻き込まれて亡くなりました。全町で283人が犠牲となり、575棟の家屋が全焼しました。

この大震災後、町は復興に向けて大規模な計画を立ち上げました。外湯(共同浴場)の再建をはじめ、道路や橋梁の修復、さらに耐火建築の推進が行われました。昭和10年までには、外湯を中心とした城崎温泉街の基盤がほぼ整い、町全体が再び活気を取り戻しました。

 

 5. 1963年: 山陰海岸国立公園に昇格 

出展: きのさき温泉観光協会 公式サイト

1963年、城崎温泉を含む山陰海岸一帯は、山陰海岸国立公園に指定されました。この地域は自然の美しさに加え、温泉地としての長い歴史や文化的価値も評価され、国立公園として保護されることになりました。これにより、城崎温泉は単なる温泉地ではなく、自然と文化の調和が取れた観光地としてさらに発展し、多くの観光客が訪れるようになりました​。

 

 

 

3. 城崎温泉の見どころ 

城崎温泉には、外湯めぐりをはじめ、歴史や文化、自然を楽しめる多彩な観光スポットが揃っています。以下に、訪れるべき主要スポットを詳しく紹介します。

 ■ 外湯めぐり 

城崎温泉の外湯めぐりは、7つの個性的な温泉施設を楽しむことができる伝統的な体験です。それぞれの外湯には特徴があり、歴史やご利益が異なります。

 1. 鴻の湯

鴻の湯は、城崎温泉の最古の外湯として知られており、約1400年前にコウノトリが傷を癒したという伝説が由来です。温泉の名前もこの伝説に由来し、「しあわせを招く湯」として愛されています。静かで素朴な雰囲気が特徴で、温泉街の中心部から少し離れた閑静なエリアに位置しており、庭園露天風呂がその魅力の一つです。自然に囲まれた露天風呂では、季節ごとに異なる風景が楽しめ、特に緑豊かな庭園が訪れる人々を癒します。

 2. 御所の湯


御所の湯は、後堀河天皇の姉である安嘉門院が入浴したと伝えられたことからその名がつけられました。2020年に大規模な改修を経てリニューアルされ、全面露天風呂として生まれ変わりました。館内には、但馬の自然を模した植栽が施され、四季折々の風景を楽しむことができます。滝の眺めを楽しみながらの入浴や、女性に人気のミストサウナも完備されており、「美人の湯」として女性客から特に人気があります。

 3. まんだら湯

まんだら湯は、城崎温泉の開祖である道智上人が修行の末に湧き出したと伝えられる温泉です。城崎温泉の7つの外湯の一つで、「一生一願の湯」とも呼ばれています。唐破風様式の建物が特徴的で、落ち着いた雰囲気の中、心安らぐひとときを過ごすことができます。歴史的背景と共に、静かな湯浴みを楽しめる外湯です。

 

 ■ 城崎ロープウェイと温泉寺 

城崎温泉ロープウェイは、温泉街から大師山の山頂までを結ぶ空中散歩を楽しめるアクティビティです。ロープウェイは途中、1300年の歴史を持つ「温泉寺」の参拝駅で停車します。この温泉寺は、かつて城崎で入湯する際に最初に参拝する場所とされ、湯治客がここで湯杓を授かり、湯治を行っていた伝統があります

また、山頂駅からは城崎温泉の全景や日本海を見渡すことができ、ミシュランのグリーンガイドで一つ星を獲得した絶景スポットとしても知られています。

 

 ■ 城崎麦わら細工伝承館 

城崎の伝統工芸である「麦わら細工」は、約300年の歴史を持ち、色鮮やかに染めた麦わらを用いて細工を施す技術です。城崎麦わら細工伝承館では、その歴史と技術を学ぶことができるとともに、実際に細工の体験も可能です。江戸時代から続くこの伝統は、兵庫県の伝統工芸品にも指定されており、桐箱やアクセサリーなど、多様な作品が展示されています。

 

 ■ 極楽寺 

まんだら湯の近くに位置する極楽寺は、城崎温泉の静かな仏教寺院です。この寺院は、枯山水の石庭「清閑庭」が特徴で、落ち着いた雰囲気の中で訪れる人々を癒します。また、予約をすれば住職による説教や座禅の体験も可能で、禅の世界に触れる貴重な体験ができます。

 

 ■ 木屋町小路 

木屋町小路は城崎温泉の中心部に位置し、「和のにぎわい」をテーマにしたおしゃれな休憩スポットです。2008年にオープンしたこのエリアは、温泉街の散策途中に立ち寄りやすく、観光客に人気があります。

小路には、地元食材を使用したグルメやスイーツのお店が軒を連ねており、湯上がりのひとときに最適な場所です。プリンやビネガードリンク、手作りせんべいといった地元ならではのグルメが楽しめるほか、地元産の木材を使った雑貨店やリラクゼーションサロンもあります。また、木屋町小路には休憩スペースや広場もあり、リラックスできる空間が提供されています。

 

 ■ 玄武洞公園 

玄武洞公園は、160万年前の火山活動によってできた「玄武洞」を中心に、壮大な自然の造形美を堪能できる場所です。溶岩が冷えて形成された柱状節理が特徴的で、その美しい岩壁は圧倒的なスケールです。園内には「青龍洞」「白虎洞」「南朱雀洞」「北朱雀洞」などの洞窟もあり、見どころ満載です。また、玄武洞ミュージアムでは、鉱物や化石などが展示されており、自然の力を学べます。

 

 ■  城崎文芸館  

「城崎文芸館」は、城崎温泉にゆかりのある作家たちの作品や展示を楽しめるスポットです。特に、志賀直哉の短編小説『城の崎にて』は、彼が湯治中に滞在していた際に執筆されたもので、城崎温泉の文学的な一面を感じられます。文芸館では、白樺派の作家たちに関する展示もあり、文学好きにはたまらない場所です。

 

 

 

 さいごに 

最後に、城崎温泉はその長い歴史と豊かな文化を背景に、訪れる人々に癒しと感動を与え続けてきました。外湯めぐりや歴史的建物、自然豊かな景観、そして温泉街ならではの風情は、他では味わえない魅力です。また、レトロな遊技場や伝統工芸など、温泉地以外の楽しみも充実しており、どの世代でも楽しめる多様な体験が揃っています。

城崎温泉は、四季折々に異なる顔を見せるため、何度訪れても新たな発見と感動が待っています。あなたもぜひ、城崎温泉で癒しと文化の旅を体験してみてください。