岡山県の厳選ホテル3選(1回は泊まりたいこだわりの和室旅館)

🕓 2025/5/26
#ホテル

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 目次

    1. 登録有形文化財の宿 名泉鍵湯 奥津荘
    2. 撚る屋 YORUYA
    3. ザ・シロヤマテラス津山別邸


岡山県について

岡山県は、中国地方の南東部に位置し、瀬戸内海の穏やかな海と蒜山高原や吉備高原などの豊かな自然、さらには歴史ロマンあふれる城下町や古い町並みが共存する魅力的な地域です。日本三名園の一つ「後楽園」や、漆黒の美しい姿を誇る「岡山城」をはじめ、倉敷の美観地区には江戸時代からの蔵屋敷や町家が立ち並び、歴史的風情を今に伝えています。

観光面では、「天空の山城」と呼ばれる備中松山城や、瀬戸内海に浮かぶアートの島・犬島や直島、湯郷・湯原・奥津といった美作三湯の温泉郷など、歴史と自然、芸術が織り成す個性豊かなスポットが数多く存在します。

そんな岡山県を訪れる際に、特別な滞在を提供する厳選高級ホテル3選を以下にご紹介します。




 

岡山県の厳選和室旅館3選

1. 登録有形文化財の宿 名泉鍵湯 奥津荘 

mv_pc出典:  名泉鍵湯 奥津荘  公式HP

 ■「 名泉鍵湯 奥津荘 」の魅力

岡山県鏡野町、美作三湯の一つ奥津温泉に佇む「名泉鍵湯 奥津荘」は、昭和2年創業、90余年の歴史を刻む登録有形文化財の宿です 。かつて津山藩主が愛し、鍵をかけて独り占めしたと伝わる「鍵湯」をはじめ、足元から自噴する全国的にも稀有な温泉が最大の魅力です 。

 1. 国登録有形文化財としての歴史的価値と建築美

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奥津荘は、昭和2年 (1927年) に建造された木造建築の趣を今に伝える宿であり、2018年11月に正式に国の登録有形文化財に登録されました 。玄関に見られる唐破風屋根や、館内に残る窓格子、格天井といった伝統的な日本建築の意匠は、訪れる者を昭和初期の風情へと誘います 。

棟方志功をはじめとする文人墨客に愛された歴史的背景も、この宿の文化的価値を深めています 。この歴史的価値の維持と現代的な快適性の追求との間で、宿の個性と運営努力が光ります。文化財としての指定は、宿にとってブランド価値を高める一方で、維持管理の難しさや現代の利便性との調和という課題も伴います。

 

 2. 「奇跡の湯」と称される足元湧出泉の湯浴み体験

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奥津荘最大の誇りは、湯船の底から温泉が自然湧出する「足元湧出泉」です。これは日本国内でもごく僅かしか存在しないと言われるほど稀少な源泉形態であり 、空気に一切触れることなく、湧いたそのままのピュアな湯(アルカリ性単純泉、ラジウム含有)を堪能できます 。

代表的な浴槽「鍵湯」は、かつて吉井川の川底であった場所に造られ、底の岩盤は今も川と繋がっています 。この自然の恵みそのままの湯は摂氏42.6度で湧き、加水・加熱の必要がない100%源泉かけ流しです 。美肌・美白効果、リュウマチ、神経痛、疲労回復に効能があるとされ 、多くの宿泊客がその泉質の素晴らしさを絶賛しています 

 

 3. 地元食材を活かした、心温まる郷土料理と季節の味覚

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奥津荘の食事は、岡山県産、奥津産の食材を中心に、料理長のこだわりが詰まった心温まる料理が提供されます 。名物料理には、牛の骨周りの肉を削いでいただく郷土料理「そずり鍋」  や、岡山を代表するブランド牛「千屋牛」を宿の源泉で味わうしゃぶしゃぶ  があります。

また、創業以来の名物として、源泉で蒸しあげた「薯蕷蒸し」や「強蒸し」も提供され、滋味深い味わいが楽しめます 。季節によっては、松茸、河豚、松葉蟹、天然猪といった高級食材を用いた会席コースも用意され 、四季折々の味覚を堪能できます。 

 

 4. 文人墨客にも愛された、静寂に包まれる上質なおもてなし

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奥津荘は、世界的版画家・棟方志功が愛し、作品を残した宿として知られています 。彼の作品が館内に展示され、宿の文化的な雰囲気を高めています 。客室はわずか8室と小規模で 、宿泊は中学生以上に限定されているため 、静かで落ち着いた大人の空間が保たれています。宿泊客からは、「奥ゆかしい接遇」「細やかな気遣い」「付かず離れずの適度な接客」といったスタッフの温かいおもてなしが高く評価されています 。

宿の向かいにある古民家を改装したラウンジ「さみゅーと」では、宿泊客が無料でドリンクを楽しめるサービスもあり、湯上がりのリラックスタイムを豊かにしています。

 

 ■「 名泉鍵湯 奥津荘 」へのアクセス情報

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2. 撚る屋 YORUYA 

2024_1211_0941-scaled出典:撚る屋 YORUYA 公式HP

 ■「 撚る屋 YORUYA 」の魅力

岡山県倉敷市、歴史的な白壁の町並みが美しい倉敷美観地区に2024年11月14日に開業した「撚る屋 YORUYA」は、築110年の呉服屋別邸を再生した全13室の料理宿です 。空間デザインは「SIMPLICITY」と建築設計は「今井健雄建築設計事務所」が手がけ、歴史的建造物の趣と現代的な洗練が融合しています。

 1. 倉敷美観地区に佇む、歴史と現代が交差する料理宿

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「撚る屋 YORUYA」は、江戸時代の面影を色濃く残す倉敷美観地区の一角、東町に静かに佇みます 。このエリアは、かつて幕府直轄地「天領」として栄え、明治期には紡績産業で発展を遂げた倉敷の歴史と文化を象徴する特別な空間です 。宿名は、様々な人々の想いを「撚り合わせて」発展してきた倉敷の歴史と、この場所で新たな物語を「紡いで」いきたいという願いが込められています 。

美観地区の景観に溶け込みながら、訪れる人々に心安らぐ時間を提供し、街の歴史、建物の記憶、そして宿の未来が重なり合う体験を創出しています 。

 

 2. 築110年の古民家再生と、洗練された建築デザインの融合

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「撚る屋」の建物は、明治期に呉服屋「十六屋」(難波家) の別邸として建てられた築約110年の伝統的建造物を再生したものです 。空間デザインは「SIMPLICITY」、建築設計は伝統建築の改修を多く手がける「今井健雄建築設計事務所」が担当しました 。既存建物の歴史的な梁や柱、土壁などを活かしつつ 、新たに漆喰や煉瓦を用いた棟を増築し、新旧が見事に調和した空間を創出しています 。

客室は「お箸」など倉敷や宿のコンセプトに通じる名が付けられ 、それぞれ異なる趣を持ち、中庭を望む半露天風呂付きの部屋など多様なタイプがあります。

 

 3. 二十四節気・七十二候を映す、倉敷ならではの食体験

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「料理宿」を標榜する「撚る屋」の食体験は、新見料理長  の指揮のもと、単なる四季ではなく、日本の繊細な季節の移ろいを示す二十四節気・七十二候の節目で食材や調理法を決定するという徹底したこだわりが特徴です 。瀬戸内の魚介、岡山の野菜や牛肉など、その日に水揚げされた新鮮な食材や近郊で育つ旬の素材を最大限に活かし 、醤油や出汁、塩、酢、ポン酢に至るまで基本的な調味料は全て自家製で、季節ごとに味を調整しています 。

夕食はカウンター席のみで提供されるコース料理で、客との対話を通じて味を微調整し、倉敷の風土を感じさせる日本料理を追求しています。

 

 4. 地域に開かれたワインバーと、上質な滞在を約束する客室

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宿の入口に併設された「Bar YORUYA」は、宿泊客以外も利用可能な、地域に開かれた空間です 。近年注目される岡山県産のワインをはじめ、ナチュラルからクラシックまで幅広い国内外のワインや、岡山産の地酒も楽しめます 。

客室は全13室、スタンダードからスイート、メゾネットタイプまで5つの多様なタイプがあり、広さは30㎡から76㎡です 。歴史的な梁や柱が見える部屋や、高い天井と自然光が豊かな部屋など、それぞれ異なる意匠が凝らされ、倉敷での上質な滞在を約束します。

 

 ■「 撚る屋 YORUYAへのアクセス情報

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3. ザ・シロヤマテラス津山別邸 

img_main_01出典:ザ・シロヤマテラス津山別邸   公式HP

 ■「 ザ・シロヤマテラス津山別邸 」の魅力

2019年開業の「ザ・シロヤマテラス津山別邸」は、津山城跡を擁する鶴山公園を間近に望む、津山市中心部に位置するホテルです 。 「美作の迎賓館」をコンセプトに 、津山の歴史と文化を継承しつつ、現代的な快適さを提供します。最上階の展望露天風呂「津山温泉 城見SPA」からの眺めは格別で 、地元食材を活かした美食の数々も魅力です。

 1. 津山の歴史と文化を継承する「美作の迎賓館」

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ザ・シロヤマテラス津山別邸は、かつて津山藩主が客人をもてなした国名勝「衆楽園」のように、大切な賓客をもてなす現代の迎賓館としての役割を担います 。出雲街道の要衝として栄え、江戸から明治期には蘭学研究の中心地でもあった津山の歴史的背景を尊重し 、地域に開かれたホテルを目指しています 。

「別邸に集う」をシンボルフレーズに、津山城跡を望むロケーションで、歴史と文化に触れる滞在を提供します。

 

 2. 津山城を一望する展望温泉と、多様なニーズに応える客室

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ホテル8階に位置する展望露天風呂「津山温泉 城見SPA」では、美肌の湯として知られる津山の名湯「百々温泉」の湯を湛え、眼下に広がる津山城跡の絶景を眺めながら湯浴みを楽しめます 。特に日没から22時頃までは城跡がライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれます。

客室は全11タイプ65室と多彩で、露天風呂テラス付き特別客室からビジネス利用に適したツイン・ダブルルーム、さらには専用エレベーターやドッグランを備えた愛犬と泊まれるドッグフレンドリーフロアまで、幅広いニーズに対応しています。

 

 3. 「晴れの国おかやま」の恵みを堪能する美食の数々

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「晴れの国」と称される温暖な気候に恵まれた岡山県。その豊かな食材を活かした料理が、ザ・シロヤマテラス津山別邸の大きな魅力です 。ホテル7階の「シェフズダイニング 咲楽」では、奈義牛をはじめとするご当地牛のステーキをメインに、山陰地方の新鮮な魚介、地産の野菜や果物を取り入れた懐石コースが楽しめます。

1階の「地産ダイニング みまさかキッチン」では、岡山県発祥と言われる卵かけご飯や地元津山の味覚を取り入れた和洋朝食ブッフェが人気で、特に目の前で握られるおにぎりは多くの宿泊客から絶賛されています。

 

 4. 地元アートとモダンデザインが織りなす、洗練された空間美

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館内は、津山城の石垣をイメージしたエントランス壁や日本瓦の庇  など、地域の歴史や風土を反映したデザインが特徴です。ロビーには、岡山県産の丸太杉や和紙、児島デニムのパッチワークを用いた家具、染織家・加納容子氏による絞り染めの暖簾、居森幸子氏によるニードル和紙アート「白景」など、地元作家のアートワークが随所に配され、ホテルにいながら岡山のアートに触れることができます。

これらの伝統的な素材や技法と、現代的なデザインが見事に融合し、洗練された心地よい空間を創り出しています。 ​

 

 ■「 ザ・シロヤマテラス津山別邸 」へのアクセス情報

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