
千年の祈りと一献の美酒。奈良で味わう静かな贅沢

目次
はじめに
東大寺の南に広がるならまちには、今も酒蔵が残っています。大仏殿から歩いて行ける距離で、参拝のあとに地酒を飲み比べることができます。
この記事では、東大寺周辺の酒蔵3軒とその代表銘柄、東大寺の見どころ、両方を1日で巡るモデルコースを紹介します。
東大寺周辺のおすすめ酒蔵
奈良市には「日本清酒発祥の地」とされる正暦寺があり、酒造りの歴史が長い土地です。東大寺の南側のならまちには、酒蔵や地酒の専門店が集まっています。以下の3軒は、蔵元か直営店に東大寺・近鉄奈良駅から歩いて行けます。
1. 今西清兵衛商店|「南都諸白」を受け継ぐ「春鹿」の蔵
明治17年(1884年)創業、奈良町の中心に位置する今西清兵衛商店は、銘柄「春鹿(はるしか)」の蔵元です。奈良伝統の製法「南都諸白」を受け継いでおり、看板商品は「春鹿 超辛口」です。
酒蔵ショップでは5種類を飲み比べる有料のきき酒(700円、2026年9月時点)ができ、奈良漬や酒器も販売しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社 今西清兵衛商店 |
| 創業年 | 1884年(明治17年) |
| 主な銘柄 | 春鹿(超辛口、純米吟醸、にごり酒 など) |
| 特徴 | 「南都諸白」の伝統を継承。超辛口が人気。 |
| 見学 | きき酒あり(5種・700円/予約不要、2026年9月時点) |
| 試飲 | 可(春鹿製品から季節限定酒まで) |
| 直売所 | あり(酒蔵ショップ 10:00〜17:00、火曜休/2026年9月時点) |
| アクセス | 近鉄奈良駅から徒歩約15分、東大寺から徒歩約20分 |
2. 奈良豊澤酒造|鑑評会での受賞歴を重ねる老舗酒蔵
明治元年(1868年)に大阪・玉造で酒卸業として創業し、昭和初期に奈良市今市町へ酒蔵を移した老舗・奈良豊澤酒造。代表銘柄は「豊祝(ほうしゅく)」です。
近鉄奈良駅(奈良近鉄ビルB1・切符売り場横)には直営店があり、電車に乗る前に地酒を飲めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 奈良豊澤酒造株式会社 |
| 創業年 | 1868年(明治元年) |
| 主な銘柄 | 豊祝、無上盃、貴仙寿吉兆 など |
| 特徴 | 「大吟醸 豊祝」が全国新酒鑑評会で金賞を多数受賞。ふくよかで飲みやすい味わい。 |
| 見学 | 現地見学は要問合せ/近鉄奈良駅の直営店で飲用可 |
| 試飲 | 近鉄奈良駅の直営店(14:00〜21:00、2026年9月時点)で地酒を飲める |
| 直売所 | あり(醸造元小売は平日8:00〜17:00) |
| アクセス | 直営店は近鉄奈良駅(奈良近鉄ビルB1)、醸造元は奈良市今市町 |
3. 奈良春日山酒造|春日山原始林の麓で約400年続く酒蔵
奈良春日山酒造は、世界遺産「春日山原始林」の山麓、奈良市高畑町に蔵を構える約400年の歴史を持つ酒蔵です。2022年12月に八木酒造から社名を変更し、「升平(しょうへい)」などの銘柄を展開。
蔵見学は行っていませんが、店舗で購入できます(営業時間は公式サイトで確認)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 奈良春日山酒造株式会社(旧・八木酒造) |
| 創業年 | 約400年の歴史(公式サイトによる) |
| 主な銘柄 | 升平 など |
| 特徴 | 春日山原始林の山麓に蔵を構える。少量生産の手づくり酒にこだわる。 |
| 見学 | 実施なし(最新情報は公式サイトで確認) |
| 試飲 | 要確認(最新情報は公式サイトで確認) |
| 直売所 | あり(蔵内およびオンライン) |
| アクセス | 奈良市高畑町(春日大社から徒歩約20分) |
東大寺周辺の日本酒おすすめセレクション
1. 春鹿 超辛口|今西清兵衛商店
「春鹿 超辛口」は、ドライな飲み口のあとに米の旨味が残る純米酒。天ぷらや焼き魚に合わせやすく、ならまちの蔵元のきき酒で試せます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 今西清兵衛商店(春鹿) |
| 種別 | 純米酒(純米超辛口) |
| 味わい | シャープでクリアな辛口、ほんのり旨味が広がる |
| 飲み方 | 冷酒または常温 |
| 相性料理 | 天ぷら、焼き魚、奈良漬けなど |
2. 豊祝 純米酒|奈良豊澤酒造
「豊祝」の純米酒は、米の旨味が前に出るやわらかな味わい。煮物など出汁の効いた料理に合い、近鉄奈良駅の直営店で飲めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 奈良豊澤酒造(豊祝) |
| 種別 | 純米酒 |
| 味わい | 柔らかくまろやか。旨味主体で飲み飽きない |
| 飲み方 | 常温〜ぬる燗 |
| 相性料理 | 肉じゃが、煮物、出汁の効いた料理全般 |
3. 升平 純米吟醸|奈良春日山酒造
「升平」の純米吟醸は、すっきりとした飲み口と穏やかな香りの一本。高畑町の蔵の店舗や、地酒を扱う酒店で購入できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 蔵元 | 奈良春日山酒造(升平) |
| 種別 | 純米吟醸 |
| 味わい | フルーティーで爽やか、スムーズな口当たり |
| 飲み方 | 冷酒〜常温 |
| 相性料理 | 白身魚の昆布締め、冷奴、柿の葉寿司など |
【補足|どこで飲める?買える?】
| 店舗名 | 特徴 | 所在地/アクセス |
|---|---|---|
| 今西清兵衛商店 | きき酒(有料)可能。超辛口が人気 | 東大寺から徒歩約20分(奈良町エリア) |
| 豊祝 近鉄奈良駅の直営店 | 地酒を飲める直営店。駅直結でアクセス至便 | 近鉄奈良駅構内 |
| なら泉勇斎 | 奈良県内の地酒が120種以上。有料試飲あり | 近鉄奈良駅から徒歩約10分(ならまち商店街内) |
| 蔵元直売店(各蔵) | 各酒蔵併設の直売スペースで購入・一部試飲可能 | 各酒蔵(徒歩圏またはタクシー利用が便利) |
東大寺の歴史と見どころ
東大寺は、天平15年(743)に聖武天皇が盧舎那大仏造立の詔を出したことに始まる寺院です。大仏の鋳造は天平勝宝元年(749)に終わり、天平勝宝4年(752)4月に開眼供養会が営まれました。聖武天皇・行基菩薩・良弁僧正・菩提僊那の4人にちなみ、「四聖建立の寺」とも称されます。
伽藍は治承4年(1180)と永禄10年(1567)の兵火で大きな被害を受け、鎌倉時代には重源上人が、江戸時代には公慶上人が復興を担いました。現在の大仏殿は宝永6年(1709)に落慶したもので、創建時より東西の幅が縮小されたものの、今も世界最大級の木造建造物です。主な見どころは次のとおりです。
- 大仏殿と盧舎那仏:大仏殿の高さは約48.7m、大仏さまの像高は14.98m。いずれも国宝です。
- 南大門:鎌倉時代に再建された東大寺の正門。建仁3年(1203)に運慶・快慶らが造った高さ約8.4mの金剛力士像が左右に立ちます。
- 二月堂:旧暦2月に修二会が行われることが名の由来。寛文7年(1667)に焼失し、その2年後に再建されました。24時間参拝できます。
大仏殿の拝観時間は4〜10月が7:30〜17:30、11〜3月が8:00〜17:00で、入堂料は大人800円(現金のみ)です。近鉄奈良駅からは徒歩約20分です(2026年9月時点)。
東大寺と酒蔵を巡るモデルコース
近鉄奈良駅を起点に、すべて徒歩で回る一例です(所要時間は目安)。
- 午前|東大寺:近鉄奈良駅から徒歩約20分。南大門で金剛力士像を見上げてから大仏殿へ。混雑を避けたい場合は、開門直後の時間帯がおすすめです。
- 午前〜昼|二月堂:大仏殿のあとは境内の二月堂へ。参拝後、昼食をとってからならまち方面へ向かいます。
- 午後|今西清兵衛商店(春鹿):東大寺から徒歩約20分。酒蔵ショップのきき酒(5種700円)で飲み比べ。
- 夕方|豊祝 近鉄奈良店:今西清兵衛商店から近鉄奈良駅までは徒歩約15分。奈良近鉄ビルB1の直営店(14:00〜21:00)で、帰りの電車の前に地酒をもう一杯。
記載の料金・時間は2026年9月時点のもので、変更される場合があります。


