🕓 2025/6/28
#ホテル

目次
山口県について
本州最西端に位置するこの地は、関門海峡の雄大な景色や秋吉台のカルスト台地といった豊かな自然に恵まれると同時に、日本の近代化の扉を開いた明治維新において中心的な役割を果たした、深い歴史が刻まれた土地でもあります。
長州藩の拠点として、多くの志士たちが駆け巡り、新しい時代の夜明けを夢見た場所。そんな歴史と自然が交差する山口での滞在は、単なる観光に留まらない、知的好奇心と安らぎを同時に満たす特別な体験となり得ます。
そんな山口県を訪れる際に、特別な滞在を提供する日本を感じられる厳選高級ホテル3選を以下にご紹介します。
山口県の厳選和室旅館3選
1. 松田屋ホテル
■「 松田屋ホテル 」の魅力
特別な存在感を放つ老舗旅館です。その創業は延宝三年(1675年)にまで遡り、三百四十余年という圧倒的な時の流れをその身に刻んできました 。
大正時代に建造された情緒あふれる数寄屋風の本館、江戸時代中期に作庭されたと伝わる回遊式日本庭園、そして館内の随所に現存する本物の史跡。これらすべてが一体となり、「生きた博物館」としての風格を、今なお堂々と湛えています。
1. 歴史・文化的価値:志士たちの足跡を辿る
松田屋ホテルの最大の魅力は、日本の歴史が動いたその瞬間の空気を、五感で体験できる点にあります。館内には数多くの歴史的文化財が保存されていますが、その中でも白眉と言えるのが「維新の湯」と「西郷、木戸、大久保の会見所」です。
「維新の湯」は、1860年に設えられた浴槽が当時のまま現存する家族風呂で、坂本龍馬や高杉晋作、伊藤博文といった志士たちが密議の合間に入浴したと伝えられる、まさに歴史の証人です 。ガラス越しに眺めるだけの展示物とは一線を画し、宿泊者は実際にこの湯船に浸かることができます。
また、江戸時代中期に作庭された回遊式日本庭園内には、「西郷、木戸、大久保の会見所」が現存します 。ここで薩摩と長州の巨頭たちが、後の薩長同盟の具体的な協議を行ったとされており、日本の運命を決定づけた重要な会談の舞台となりました。
2. 建築・庭園の美:江戸と大正が薫る、情緒深い空間
館内は、大正時代の趣を残す木造二階建ての「本館」と、設備が整った「新館」で構成されていて、好みに合わせた滞在スタイルが選べます。
本館に足を踏み入れると、まるで時が止まったような懐かしさが広がります。磨かれた木の廊下や繊細な建具、そして緑豊かな庭園。まるで志士たちが今も息づいているかのような空気感に包まれます。一方で、新館には現代の旅に欠かせない快適さもしっかり完備。歴史ある建物でありながら、客室は清潔で居心地抜群です。
江戸時代から続く日本庭園を散策し、大正ロマン漂う空間に身をゆだね、そしてモダンな客室でのんびり過ごす。
そんな“過去と今”が交差する体験ができるのが、松田屋ホテルの魅力です。。
3. 温泉の多様性:歴史と風情を巡る湯浴みの旅
松田屋ホテルでは、趣の異なる湯処を巡りながら、湯田温泉の豊かな恵みを堪能できます。岩造りの重厚な「岩の湯」、蔵を移築した風情ある「蔵の湯」、檜香る開放的な「花柏の湯」は時間帯で男女が入れ替わるため、滞在中にすべての湯を楽しめるのも魅力。
加えて、歴史的文化財「維新の湯」も家族風呂として開放されており、趣ある湯めぐりが心をほどき、記憶に残る滞在へと導きます。
4. 食の真髄:「日本料理指南役」が紡ぐ長州四季料理
松田屋ホテルのもう一つの魅力は、山口の旬の恵みを活かした「長州四季料理」。その味を支えるのは、全国にわずか数名しかいない「日本料理指南役」の称号を持つ料理長です。卓越した技だけでなく、日本の食文化の継承と発展にも寄与する存在であることが、この食事を単なる美味にとどまらない特別な体験へと高めています。
器の選び方や出汁の引き方に至るまで、随所に宿る美意識は、食通たちの心を掴み、宿泊者の声にも高く評価されています。歴史ある空間で味わうこの一膳一膳が、滞在に豊かな余韻を添えてくれます。
■「 松田屋ホテル 」へのアクセス情報

- 公式HP: http://www.matsudayahotel.co.jp/
- アクセス:JR山口線 湯田温泉駅より徒歩約10分
- 住所: 〒753-0056 山口県山口市湯田温泉3丁目6番7号
- グーグルマップ:https://maps.app.goo.gl/fZtZfmQMNUnNpvpA7
2. やまぐち・湯田温泉 古稀庵
出典:やまぐち・湯田温泉 古稀庵 公式HP
■「 やまぐち・湯田温泉 古稀庵 」の魅力
やまぐち・湯田温泉 古稀庵は、湯田温泉の中心にありながら、喧騒からそっと離れた静寂の隠れ家。2011年の開業以来、門をくぐった瞬間に日常のざわめきが消え、緑に包まれた庭園にわずか16室の客室が点在しています。静かで上質なひとときを過ごせる、大人のためのプライベートリゾートです。
1. 建築・空間デザイン:計算された静寂と究極のプライバシー
古稀庵の静けさは、偶然ではなく意図的に設計されたものです。手がけたのは、多くの名旅館を生んできた石井建築事務所。都市の中心という立地にあえて「静寂を創る」という挑戦のもと、敷地全体を低層の離れ屋形式で構成し、建物を渡り廊下でゆるやかに繋ぐことで、動線が自然と分散され、プライバシーも確保されています。
さらに豊かな植栽によって視線や音もやさしく遮られ、まるで山荘に滞在しているかのような静寂が生まれます。この“創られた静けさ”こそが、古稀庵の真髄です。
2. 全室源泉掛け流し露天風呂という絶対的な贅沢
古稀庵の真の贅沢は、全16室すべてが源泉かけ流しの露天風呂とテラスを備えた、ゆとりある和洋室であることにあります。一般的には最上級スイートに限られる仕様を全客室に標準とするのは、「すべての滞在者に最高のプライベート空間を」という揺るぎない哲学の表れ。
誰にも邪魔されず、好きな時間に名湯・湯田温泉を独り占めできる体験は、深い満足感と開放感をもたらします。さらに、客室ごとに足湯や庭、離れにはプールなど多彩な設えが用意され、訪れるたびに新たな魅力に出会えるのも魅力です。
3. 食のこだわり:「地産地味」を体現する、心に沁みる旬菜和食
古稀庵の料理は、「地産地味」という理念に貫かれています。地元の豊かな食材を使うだけでなく、その土地ならではの滋味深い味わいを、丁寧な調理で引き出すことを大切にしています。三方を海に囲まれた山口ならではの恵みを、奇をてらうことなく素直に生かした一皿は、「出汁が美味しい」「優しい味わい」と高く評価され、開業以来変わらぬ料理長の腕がその安定した味を支えています。
庭園を望む半個室で供される食事は、静けさと調和した時間の中で、心に深く沁み渡る味わいです。
4. 心尽くしのおもてなし:大人のための細やかな配慮とサービス
古稀庵のホスピタリティは、大人の感性に寄り添う静かな心配りに満ちています。マニュアルに頼らないおもてなしは、湯上がり処に用意された手作りアイスやドリンク、フランスの高級スパブランド「タルゴジャポン」を備えたアメニティなど、細部にまで及びます。
接客は丁寧ながらも過度に踏み込まず、心地よい距離感が保たれていると高く評価され、清掃や管理においても徹底された姿勢が、空間全体に上質な清潔感と静かな緊張感をもたらしています。見えないところにこそ宿る心づかいが、滞在を特別なものにしてくれます。
■「 やまぐち・湯田温泉 古稀庵」へのアクセス情報
- 公式HP: http://kokian.co.jp/
- アクセス: JR山口線 湯田温泉駅より徒歩10分
- 住所: 〒753-0056 山口県山口市湯田温泉2-7-1
- グーグルマップ : https://maps.app.goo.gl/zqxpa8cj4CAXJDWz6
3. 大谷山荘別邸 音信
■「 別邸 音信 」の魅力
長門湯本温泉の地に静かに佇む、全18室の温泉リゾート。日本最古の湯治文化を現代的に再解釈した「モダン湯治」の思想は、世界的建築家・隈研吾氏も審査に加わったアワードで高く評価されました。8,000㎡の敷地に広がる建築美と静寂の中、自分自身と深く向き合う贅沢な時間が流れます。
1. 建築デザイン:光と影、静寂をデザインしたモダニズム空間
別邸 音信において、建築は湯治文化を再解釈した「モダン湯治」の思想を体現する中核的存在です。設計を担った石井建築事務所は、ウォールナットやブラックチェリーなどの濃色木材と洋石材を用い、重厚かつ静謐な空間を創出。間接照明が織りなす光と影のコントラストが、瞑想的な美しさを引き立てます。「どこを切り取っても絵になる」と評される館内には、美意識が隅々にまで息づいています。
一方で、裸足で歩き、座して寛ぐといった日本の暮らしの所作も自然に溶け込み、現代性の中に懐かしさが宿ります。この空間に身を委ねること自体が、心をほぐす癒しの体験となるのです。
2. 究極のプライベート空間:8,000㎡の敷地にわずか18室という贅沢
別邸 音信が提供する本質的な贅沢は、圧倒的な「空間のゆとり」にあります。8,000㎡の敷地にわずか18室という贅沢な構成は、比類なき静けさとプライベート感を生み出しています。客室はすべて源泉かけ流しの露天風呂付きで、最小でも69㎡、最大107㎡という広さ。
館内では他の宿泊客と顔を合わせることも少なく、聞こえるのは川のせせらぎや鳥の声といった自然の音ばかり。12歳以下の宿泊を控える方針も相まって、大人のための穏やかな時間が丁寧に守られています。この空間は、心を静め、自分自身と向き合うための贅沢な余白を与えてくれます。
3. 温泉とウェルネス:大谷山荘との連携がもたらす相乗効果
別邸 音信のウェルネス体験は、隣接する母館「大谷山荘」との連携により、他にはない深みと広がりを備えています。客室露天風呂や音信専用の大浴場に加え、大谷山荘の多彩な温泉施設も自由に利用できるのが特長です。静寂に包まれたプライベート空間と、寝湯や露天風呂など11種の湯船を巡る開放的な湯めぐり。
先鋭的なデザインと伝統的な旅館の風格という異なる魅力を、気分に応じて自在に楽しめる贅沢な体験は、音信ならではの価値といえるでしょう。一つの滞在で、静と動、両方の癒しを味わえる特別な時間が流れます。
4. 国際的評価とホスピタリティ:世界が認めるおもてなし
別邸 音信のクオリティは国内にとどまらず、国際的にも高く評価されています。ミシュランガイドへの掲載に加え、「Luxury Japan Hotel of the Year 2022」では、建築家・隈研吾氏らの審査によりベスト5に選出。こうした外部評価は、接客、食事、清潔感すべてにおいて高得点を獲得する宿泊者レビューにも裏打ちされています。
到着時のバレーパーキングなど細やかで洗練されたサービスは、名旅館・大谷山荘のもてなしの精神を受け継ぎつつ、世界水準へと昇華されたもの。別邸 音信は、地方旅館の枠を超えたラグジュアリーリゾートとして、その存在感を確かなものとしています。
■「 別邸 音信 」へのアクセス情報
- 公式HP: https://otozure.jp/
- アクセス: JR美祢線 長門湯本駅より徒歩約15分(無料送迎あり、要事前連絡)
- 住所:〒759-4103 山口県長門市深川湯本2208番地
- グーグルマップ : https://maps.app.goo.gl/oypeMYuCb7CtUj5AA