🕓 2024/9/12
#グルメ
愛知県のグルメは、海産物や伝統的な味噌文化を活かした豊かな食文化が特徴で、特に「味噌カツ」や「ひつまぶし」、そして「手羽先」といった名古屋めしが有名です。濃厚な味噌だれが絡む味噌カツ、複数の食べ方を楽しめるひつまぶし、スパイシーな手羽先は、いずれも地元で愛され続け、観光客にも人気を集めています。
愛知県を訪れる際には、ぜひこれらの料理を味わい、その地域ならではの魅力を感じてください。
味噌カツは、名古屋を代表する「名古屋めし」として知られ、揚げたての豚カツに甘辛い味噌だれをかけた料理です。この料理の特徴は、東海地方特有の「八丁味噌」や「豆味噌」をベースにしたタレにあります。濃厚でコクのある赤味噌が、豚カツのサクサクとした衣に絡み合い、口の中で豊かな風味を楽しめるのが魅力です。タレは、一般的なソースとは異なり、豆味噌をベースにしているため、甘みと濃厚さが特徴です。タレには「サラサラ系」と「こってり系」があり、好みによって異なる食感が楽しめます。
発祥は、戦後間もない時期に街の食堂から広がったとされ、今では名古屋市内のほとんどのとんかつ屋で提供されています。
名古屋市中区の「味処 叶」が発祥の店とされており、昭和24年(1949年)に誕生しました。創業者が天丼のタレをヒントに、名古屋名物の八丁味噌を使ったタレを考案し、これを揚げた豚カツにかけたのが始まりです。当初はメニューには名前がなく、客が「味噌カツ」と呼び出したことで、その名称が定着しました。
ひつまぶしは、名古屋を代表する「名古屋めし」の一つで、鰻(うなぎ)の蒲焼きを細かく刻んでご飯の上に乗せ、さまざまな食べ方で楽しむことができる料理です。最大の魅力は、1つの料理で4つの食べ方を楽しめる点です。最初はそのままのうなぎの風味を楽しみ、次に薬味(わさびや海苔など)を加えて味の変化を楽しみます。3回目にはだし汁をかけてお茶漬け風にし、最後に自分の好きな方法で再度味わうことができます。
ひつまぶしは、明治時代に名古屋で生まれたとされる料理で、その発祥にはいくつかのエピソードがあります。名古屋の老舗「蓬莱軒」が考案したとされ、元々は出前用のうな丼が割れることを防ぐために、割れにくい木のおひつにご飯と鰻を盛りつけたのが始まりです。さらに、鰻を細かく切ってご飯にまぶすことで、出前先でも均等に分けられるように工夫されました。
また、ひつまぶしという名前は、「ひつ」(お櫃)に盛ったご飯に、鰻の蒲焼を「まぶす」ことから名付けられました。
手羽先は、名古屋の「名古屋めし」を代表する一品で、特にビールなどのお酒との相性が抜群です。最大の魅力は、そのスパイシーで濃い味付けです。特に「世界の山ちゃん」や「風来坊」などの名店では、独自の秘伝のタレとコショウを使った辛口の味付けが特徴で、一度食べ始めると止まらない魅力があります。甘辛いタレとスパイシーなコショウの組み合わせが、多くのファンを引きつけます。
揚げたての手羽先をビールと共に楽しむのは、名古屋の夜を満喫するスタイルの一つです。
手羽先の歴史は、昭和30年代に名古屋市で誕生しました。鶏の手羽先は当時、スープの材料として使われることが多かった部位ですが、ある飲食店の発注ミスがきっかけで、新しい料理として提供されることになりました。名古屋市熱田区で創業した「風来坊」がその発祥で、店主の大坪健庫が鶏の半身を揚げる「ターザン焼き」の代わりに、手羽先を揚げて秘伝のタレを絡めて提供したところ、瞬く間に人気を博しました。