🕓 2024/10/14
#温泉
有馬温泉の歴史や概要を詳しく解説
目次
はじめに
有馬温泉は、日本三古泉の一つとして長い歴史を持ち、古代から多くの人々に愛されてきた温泉地です。その豊富な泉質と歴史的な名所が点在するこの地では、温泉を楽しむだけでなく、歴史や文化に触れることもできるため、訪れる人々にとって特別な体験が得られる場所となっています。
本記事では、有馬温泉の特徴や歴史、そして訪れるべき見どころについて、詳しくご紹介します。
1. 有馬温泉の概要
有馬温泉は、日本三古泉の一つとして名高く、兵庫県神戸市の山間に位置する歴史的な温泉地です。その歴史は飛鳥時代にまで遡り、舒明天皇が631年に訪れた記録が『日本書紀』に記されています。この温泉は、その豊富な泉質と長い歴史により、日本国内外の観光客に愛されています。
有馬温泉の最大の特徴は、「金泉」と「銀泉」という2種類の温泉です。金泉は鉄分を多く含む赤褐色の塩化物泉で、保温・保湿効果が高く、特に肌に良いとされています。一方、銀泉は無色透明の炭酸泉やラジウム泉で、リフレッシュ効果が期待できる温泉です。これらの泉質は、地球内部の深い層から供給され、非常に希少な成分が含まれています。
温泉地としての有馬は、戦国時代に豊臣秀吉によって大きく発展しました。1596年の慶長伏見地震で温泉の温度が急上昇し、秀吉は大規模な改修工事を行い、これにより有馬温泉は再び繁栄しました。また、秀吉は「湯山御殿」を建設し、彼自身も湯治を行ったとされています。この工事は有馬温泉の基盤を固め、その後350年以上にわたって続く繁栄に寄与しました。
温泉街は、伝統的な旅館や温泉施設が立ち並び、六甲山地に囲まれた静かな雰囲気が魅力です。温泉を楽しむだけでなく、歴史的なスポットを巡りながら散策することもでき、訪れる人々にとってリラックスできる特別な場所となっています。
2. 有馬温泉の歴史
有馬温泉の歴史について、西暦ごとに正確にまとめました。これにより、有馬温泉の重要な出来事をより詳しく理解できると思います。
1. 631年 - 舒明天皇の訪問
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有馬温泉の最古の記録は、飛鳥時代に遡ります。『日本書紀』によると、舒明天皇が631年に有馬を訪れ、約3か月間滞在し温泉を楽しんだことが記されています。この出来事により、有馬温泉はその後も天皇や貴族の間で知られるようになり、有馬の名が広まりました。
2. 724年 - 行基による復興
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行基は、奈良時代の著名な僧で、社会事業にも積極的に取り組んでいたことで知られています。724年、行基は薬師如来の導きにより有馬を訪れ、温泉地が荒廃しているのを目にしました。彼はここで「温泉寺」を建立し、有馬温泉の再興を手がけました。この温泉寺には、行基が自ら作成したと伝えられる薬師如来像が安置されており、これが温泉寺の象徴となっています。
この温泉寺の再興によって有馬は再び繁栄し、370年もの間、温泉地として栄えることとなります。
3. 1097年 - 仁西による再建
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11世紀末、有馬温泉は大洪水によって壊滅的な打撃を受けました。このとき、有馬温泉を再興したのが、奈良県吉野山からやってきた僧、仁西です。彼は、洪水で荒廃していた有馬温泉を修復し、温泉寺の再建に尽力しました。また、仁西は12の宿坊を新たに設立し、有馬の復興を強く後押ししました。
さらに、仁西は平家の落人とともに活動し、温泉寺の復興とともに、有馬温泉全体の再興を成功させました。この時期から、有馬温泉は「湯治場」としての役割を強め、庶民や貴族の間で人気を集めました。
4. 1597年 - 豊臣秀吉の大規模改修
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有馬温泉の近代的な発展には、豊臣秀吉が大きく関与しています。彼は1596年に発生した慶長伏見地震で温泉の温度が急上昇するなどの問題が生じた際、大規模な改修工事を行い、温泉地としての基盤をさらに強化しました。
秀吉は温泉の効能を熟知しており、有馬温泉に御殿「湯山御殿」を築き、自らも湯治に訪れました。この改修工事によって、現代に至る有馬温泉の発展が始まりました。
5. 江戸時代 - 温泉地としての確立
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江戸時代には、有馬温泉は庶民にも広く利用されるようになりました。当時、参詣や湯治のために有馬を訪れる人々が増え、温泉街はますます繁栄しました。特に、貝原益軒が著した『有馬湯山記』には、湯治場として有馬温泉が繁栄した様子が記されています。
また、この時代に「温泉番付」が作られ、有馬温泉は「西の大関」として格付けされるほどの名声を持つようになりました。
6. 現代の有馬温泉
現在でも有馬温泉は日本国内外から多くの観光客を迎え、公共浴場「金の湯」「銀の湯」をはじめとする多くの施設で、伝統的な温泉文化が体験できます。豊臣秀吉が愛した「太閤の湯」も引き続き有名で、有馬温泉は現代に至るまで温泉地として栄えています。
3. 有馬温泉の見どころ
城有馬温泉の見どころには、温泉を楽しむだけでなく、歴史や文化に触れられるさまざまなスポットが点在しています。以下に、有馬温泉を訪れた際にぜひ立ち寄りたい主要なスポットを紹介します。
■ 金の湯・銀の湯
「金泉」と「銀泉」の異なる泉質を楽しめる公衆浴場です。金の湯では、鉄分を多く含む赤茶色の温泉「金泉」を堪能できます。泉温は高く、体を芯から温め、特に神経痛や筋肉痛、冷え性などに効果があるとされています。銀の湯では、炭酸泉とラジウム泉が混合した無色透明の「銀泉」が楽しめます。
こちらは肌がつるつるになる効果があり、リフレッシュに最適です。また、銀の湯の近くには「炭酸泉源公園」があり、天然の炭酸水を飲むこともできます。
■ ねね橋と太閤橋
ねね橋は、有馬温泉の中心部に位置する美しい朱色の橋で、豊臣秀吉の妻であるねね(北政所)にちなんで名付けられました。秀吉とねねは有馬温泉を何度も訪れ、温泉の効能を楽しんだと言われています。この橋は、ねねが有馬を訪れた際に川を渡ったことに由来しており、歴史的にも重要な場所です。
太閤橋は、有馬温泉にまつわる豊臣秀吉の歴史を象徴するもう一つの橋です。秀吉は有馬温泉を特に愛し、何度も湯治に訪れていました。太閤橋は、秀吉が通ったとされる道に架かる橋で、その名が示す通り、秀吉(太閤)にゆかりのある場所です。
■ 炭酸せんべい
有馬温泉の名物である炭酸せんべいは、炭酸泉を使用した軽くてパリッとした食感が特徴のお菓子です。明治時代に誕生し、長い歴史を持つ炭酸せんべいは、地元の水源である炭酸泉の炭酸水を使って作られています。そのさっぱりとした味わいと、サクサクとした食感はお土産としても非常に人気です。
炭酸せんべいは有馬温泉街の多くの店舗で購入でき、特におすすめの店舗は三津森本舗や湯の花堂本舗です。これらの店舗では、昔ながらの製法で焼き上げた炭酸せんべいを味わうことができ、店舗によっては焼きたてを提供している場所もあります。
■ 温泉寺
奈良時代、行基によって創建された温泉寺は、有馬温泉の歴史と深く関わる寺院です。本尊には薬師如来が祀られており、有馬の温泉の守護寺としても信仰を集めています。温泉寺の境内には「御祖師庵」という資料館があり、有馬温泉の歴史や文化を学ぶことができるため、訪れる際にはその歴史的価値も味わってみるとよいでしょう。
■ 太閤の湯殿館
太閤の湯殿館は、兵庫県神戸市の有馬温泉に位置し、1995年の阪神・淡路大震災後に発見された豊臣秀吉の「湯山御殿」の遺構を保存・展示している資料館です。この御殿は秀吉が有馬温泉をこよなく愛した象徴でもあり、館内では彼が入浴した湯ぶねの遺構や、庭園、蒸し風呂、岩風呂の遺構が見られます。また、瓦や茶器などの出土品も展示され、秀吉と有馬温泉の歴史を学べる場所として観光客に人気があります。
さいごに
最後に、有馬温泉はその長い歴史と豊かな文化を通じて、訪れる人々に癒しと感動を与えてきました。温泉の魅力だけでなく、歴史的な建造物や神社、博物館など、見どころが満載で、誰もが楽しめるスポットが多く存在します。ぜひ、有馬温泉を訪れ、その独自の文化と風情を堪能し、心身ともにリフレッシュするひとときを過ごしてみてください。