宝厳院ライトアップの魅力|歴史とおすすめスポットを徹底解説

🕓 2025/2/17
#観光地

宝厳院ライトアップの魅力とは?

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 目次

  1. 宝厳院とは?
  2. 宝厳院のライトアップの詳細
  3. 宝厳院の歴史


はじめに

京都・嵐山には多くの名刹がありますが、その中でも特に紅葉シーズンに人気を集めるのが「宝厳院(ほうごんいん)」です。天龍寺の塔頭寺院として室町時代に創建されたこの寺院は、通常非公開ですが、春と秋の特別拝観時のみ一般に開放されます。特に秋のライトアップは、紅葉に彩られた庭園「獅子吼の庭」が幻想的に照らされることで有名で、毎年多くの参拝者や観光客が訪れます。

この記事では、宝厳院の歴史や見どころ、特にライトアップの魅力について詳しくご紹介します。訪れる前にチェックして、幻想的な光景を存分に楽しんでください。



 

1. 宝厳院とは? 

宝筐院は、京都市右京区嵯峨野に位置する臨済宗の寺院で、平安時代に第72代・白河天皇の勅願により創建されました。当初は「善入寺」と称していましたが、南北朝時代の1345年~1350年に、夢窓疎石の高弟である黙庵周諭禅師が中興開山として再興しました。その際、室町幕府第2代将軍・足利義詮の帰依を受け、「観林寺」と改称されましたが、後に再び「善入寺」に戻されました。

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寺伝によれば、南朝の武将である楠木正行は黙庵周諭に深く帰依しており、1348年の四條畷の戦いで戦死した際、黙庵によってその首級が寺内に手厚く葬られたと伝えられています。その後、足利義詮も自身の死後、正行の墓の傍らに葬られることを望み、1367年に没した際には、正行の墓の隣に埋葬されました。これにより、寺名も義詮の院号にちなみ「宝筐院」と改められました。

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その後、宝筐院は足利氏歴代の崇敬を受けて栄えましたが、室町幕府の衰退とともに寺勢も衰微しました。江戸時代末期には一時廃寺となりましたが、明治時代に京都府知事・北垣国道によって楠木正行ゆかりの史跡として石碑が建立され、大正時代には川崎財閥の川崎芳太郎によって再興されました。

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現在では、紅葉の名所として知られ、四季折々の美しい庭園が多くの参拝者や観光客を魅了しています。

 

 

 

 


2. 宝厳院ライトアップの詳細 

宝厳院(ほうごんいん)は、京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町に位置する臨済宗大本山天龍寺の塔頭寺院です。通常は非公開ですが、春と秋の特別拝観期間中に一般公開されます。特に秋の紅葉シーズンには、庭園「獅子吼(ししく)の庭」が約300本のモミジやイチョウで彩られ、その美しさで多くの訪問者を魅了します。この庭園は、江戸時代に策彦禅師によって作庭された回遊式山水庭園で、嵐山を借景とした風景が特徴です。

 

【 ライトアップされた庭園の主な見どころ 】
 ① 獅子吼の庭
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獅子吼の庭は、宝厳院の象徴ともいえる庭園です。江戸時代に作庭され、嵐山を背景に取り入れた回遊式庭園として名高いです。夜のライトアップでは、赤や黄色に染まった紅葉と庭園内の苔が、幻想的な風景を作り出します。

 ② 瀧門瀑(りゅうもんばく)

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庭園内にある瀧門瀑は、小さな滝が流れる美しいスポットです。ライトアップによって水流が輝き、周囲の紅葉とのコントラストが際立ちます。ここは特に写真映えするスポットとしても人気があります。

 ③ 玄関門周辺の紅葉トンネル

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宝厳院の玄関門周辺では、モミジがトンネルのように生い茂り、ライトアップされると幻想的な紅葉の回廊が現れます。ここを歩くことで、まるで別世界に入り込んだかのような体験ができます。


秋の特別拝観期間中には、夜間ライトアップも実施され、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を味わうことができます。
ライトアップされた庭園では、紅葉と苔のコントラストが美しく浮かび上がり、訪れる人々を魅了します。

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特に「獅子吼の庭」や「瀧門瀑」周辺は、ライトに照らされた紅葉と岩、滝のコントラストが見どころとなっています。また、玄関門周辺では、紅葉のトンネルがライトアップされ、幻想的な風景を楽しむことができます。

 

 

 


3. 宝厳院の歴史 

宝厳院は、室町時代の創建以来、戦国時代の豊臣秀吉による寄進や幕末の戦火による焼失を経て、現在の姿へと再建されてきました。特に、近年は庭園の美しさが評価され、春と秋の特別拝観やライトアップが行われるなど、観光名所としての地位を確立しています。

 1. 1461年 – 宝厳院の創建 

DALL?E 2025-02-16 03.02.28 - A historical depiction of Ho?gon-in Temple in Kyoto during its early years in 1461. The image showcases a traditional Japanese Zen temple with wooden a※イメージ画像

宝厳院は、1461年に室町時代の禅僧・聖仲永光によって創建されました。創建当初は天龍寺の塔頭寺院として建立され、京都の禅宗寺院の一つとして発展しました。宝厳院の開山は策彦周良と伝えられ、彼は臨済宗の高僧で、日中外交にも関わった人物としても知られています。

 

 2. 1596年 – 豊臣秀吉による寄進 

DALL?E 2025-02-16 03.02.29 - A historical depiction of Ho?gon-in Temple in Kyoto during the late 16th century, showing the temple receiving support from Toyotomi Hideyoshi. The sce※イメージ画像

桃山時代、宝厳院は豊臣秀吉の庇護を受けました。1596年、秀吉は寺領を寄進し、寺院の維持と発展を支援しました。これは、秀吉が天龍寺を含む嵯峨・嵐山地域を重視していたことの表れでもあり、宝厳院もその恩恵を受ける形となりました。

 

 3. 1864年 – 禁門の変による焼失 

DALL?E 2025-02-16 03.02.31 - A historical depiction of Ho?gon-in Temple in Kyoto during the 1864 Kinmon Incident. The temple is engulfed in flames, with smoke rising into the sky a※イメージ画像

幕末の1864年(元治元年)、長州藩と幕府軍の間で起きた「禁門の変」による戦火が京都市内に広がり、宝厳院もその被害を受けました。戦火によって伽藍が焼失し、一時的に寺院の機能は失われました。これにより、多くの文化財や記録が失われ、宝厳院の歴史は大きな転換点を迎えました。

 

 4. 20世紀 – 再建と庭園の整備 

DALL?E 2025-02-16 03.02.33 - A historical depiction of Ho?gon-in Temple in Kyoto during the 20th-century restoration and garden development. The scene captures traditional Japanese※イメージ画像

明治時代には、寺院の再建が試みられましたが、大規模な修復は進みませんでした。本格的な再建が行われたのは昭和期に入ってからであり、庭園「獅子吼の庭」の整備が進められました。この庭園は、嵐山を借景としており、禅の精神を反映した美しい回遊式庭園として整備されました。

 

 5. 2002年 – 春・秋の特別公開が開始 

DALL?E 2025-02-16 03.02.36 - A scenic depiction of Ho?gon-in Temple in Kyoto during its special autumn and spring openings, featuring vibrant autumn foliage and delicate spring che※イメージ画像

2002年から、宝厳院の庭園と本堂が春と秋の特別公開として一般に開放されるようになりました。特に秋の紅葉シーズンには、多くの観光客が訪れ、幻想的なライトアップも開催されるようになりました。これにより、宝厳院は嵯峨嵐山の紅葉の名所として広く知られるようになり、文化財としての価値が再評価されるようになりました。

 

 

 


 さいごに 

宝厳院は、歴史的な背景と美しい庭園を兼ね備えた京都・嵐山の名刹です。室町時代に創建され、戦乱や火災を乗り越えながら再興されたこの寺院は、現在では紅葉の名所としても知られています。特に秋の特別拝観期間中に行われるライトアップは、幻想的な雰囲気を楽しめる貴重な機会であり、嵐山観光のハイライトともいえるでしょう。

嵐山エリアには、天龍寺や竹林の小径、嵯峨野トロッコ列車などの観光スポットも点在しているため、宝厳院の拝観とあわせて散策を楽しむのもおすすめです。

京都を訪れるなら、ぜひ宝厳院の特別拝観とライトアップを体験してみてください。幽玄な光に包まれた紅葉の景色が、きっと忘れられない思い出になることでしょう。