【2025年版】今年が特別!弘前さくらまつり|見どころ&楽しみ方、歴史を紹介

🕓 2025/3/16
#観光地

弘前さくらまつり|見どころ&楽しみ方、歴史を紹介

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 目次

  1. 弘前さくらまつりとは?
  2. 弘前さくらまつりの見どころ
  3. 弘前さくらまつりの歴史
  4. 弘前さくらまつりの楽しみ方

はじめに

春の訪れとともに、日本全国から多くの観光客が集まる弘前さくらまつり。青森県弘前市の弘前公園で開催されるこの祭りは、約2,600本の桜が咲き誇り、日本三大桜名所の一つとして知られています。歴史ある弘前城と見事な桜のコントラストは、日本ならではの春の絶景を生み出し、訪れる人々を魅了し続けています。

2025年の弘前さくらまつりは**4月18日(金)から5月5日(月・祝)**までの18日間にわたり開催されます。昼間の桜はもちろん、夜桜ライトアップやボート遊覧、数々のイベントが用意され、訪問者に多彩な楽しみを提供します。本記事では、弘前さくらまつりの歴史や見どころ、楽しみ方などを詳しく紹介し、訪問を計画している方々に役立つ情報をお届けします。

 



 

1. 弘前さくらまつりとは? 

弘前さくらまつりは、青森県弘前市にある弘前公園で開催される日本有数の桜祭りです。約52種類・約2,600本の桜が園内に咲き誇り、その美しさから**「日本三大桜名所」の一つとして知られています。特に、弘前公園のソメイヨシノは開花密度が非常に高く**、満開時には空が見えないほどの桜のボリュームを誇ります。

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この桜の管理には、地元のリンゴの剪定技術を応用した「弘前方式」が活用されており、これにより100年以上経った古木でも健全な開花を維持できるといわれています。桜と歴史的な弘前城が織りなす風景は、日本国内外の観光客に大人気で、例年まつり期間中には約200万人もの花見客が訪れる一大イベントとなっています。

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2025年の弘前さくらまつりは、**4月18日(金)から5月5日(月・祝)**までの18日間開催されます。例年より早咲き傾向が続いているため、当初の予定より1日早めての開催が決定しました。開催期間中は、日中の花見はもちろん、夜桜ライトアップやボート乗り体験、さまざまなイベントが催され、昼夜問わず訪れる人々を魅了します。

 

>>京都嵐山の桜見どころはこちら

 

 


2. 弘前さくらまつりの見どころ 

西濠エリアと弘前城天守・下乗橋は、どちらも弘前さくらまつりの見どころの中でも特に人気の高いスポットです。桜の開花状況に合わせて、昼と夜、異なる時間帯に訪れることで、さまざまな表情の桜を楽しむことができます。2025年は特に貴重な春となるため、ぜひこの機会に訪れて、歴史と自然が織りなす壮大な桜の景観を体感してみてください。

 1. 西濠(にしぼり)エリア 

西濠エリアは、弘前公園の中でも特に美しい桜が楽しめるエリアのひとつです。このエリアの特徴は、水面に映る桜並木の美しさと、桜のトンネルを歩きながら楽しめる点にあります。

・春陽橋(しゅんようばし)と桜のトンネル

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西濠に架かる春陽橋から眺める桜のトンネルは、まるで桜の回廊を歩いているかのような圧巻の光景です。橋の上から見ると、両岸の桜が見事に枝を伸ばし、まるで花のアーチを描いているように見えます。満開の時期には、青空と桜のコントラストが美しく、観光客やカメラマンが多く訪れるスポットです。

・水面に映る桜と「花筏(はないかだ)」

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西濠沿いにはソメイヨシノの古木が連なっており、満開時にはその桜が水面に映り込み、まるで水鏡のような幻想的な景色を作り出します。特に散り始めの時期には、風に乗って花びらが濠へと舞い落ち、「花筏(はないかだ)」と呼ばれる水面が一面ピンク色に染まる風景が広がります。花筏は弘前ならではの風物詩であり、多くの人々がその光景を写真に収めようと訪れます。

・ボート乗り場での体験

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西濠にはボート乗り場があり、手漕ぎボートを借りることができます。ボートに乗れば、水面から見上げる桜並木の美しさを存分に堪能することができ、まるで桜の中を漂っているような感覚を味わえます。特に花吹雪が舞う時期には、水面が桜の花びらで覆われ、幻想的な雰囲気を楽しめます。

また、夜になるとライトアップが行われ、昼間とは異なる幽玄な光景が広がります。水面に映る桜と光が一体となり、静寂の中で夜桜を楽しめる特別な時間が流れます。

 

 2. 弘前城天守と下乗橋(げじょうばし)

弘前公園の象徴である弘前城天守は、桜とのコントラストが非常に美しく、多くの観光客やカメラマンが訪れる定番スポットです。特に、下乗橋(げじょうばし)周辺は、桜と天守、そして岩木山の美しい景観を楽しめる絶好の場所となっています。

・下乗橋(げじょうばし)の魅力

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下乗橋は赤い欄干が特徴的な橋で、弘前城天守と満開の桜を一緒に収めることができる絶好の撮影スポットです。赤い橋が桜の淡いピンクと調和し、華やかで美しい風景を作り出します。特に晴れた日には、青空の下で桜と橋、そして城が映え、まさに絵に描いたような光景が広がります。

・2025年の特別な見どころ

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2025年は、弘前城天守の移動前の最後の春となります。現在の仮位置にある天守と桜、そして岩木山を同時に望めるのは今年が最後のチャンスです。2026年秋には天守が元の位置へ戻されるため、この「天守・桜・岩木山」の三位一体の景観を楽しめるのは2025年が最後の機会となります。まさに今しか見ることのできない貴重な風景を堪能できる特別な年です。

・夜桜ライトアップの幻想的な風景

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夜になると、弘前城天守と桜がライトアップされ、幻想的な光景が広がります。下乗橋周辺では、赤い橋と桜がライトに照らされ、昼間とは異なる幽玄な美しさを楽しめます。特に、天守の白壁が柔らかな光に包まれ、桜の花びらがライトに照らされながら舞う様子は、まさに日本の春の風情を感じられる瞬間です。

 

 3. 桜のハート – 隠れたフォトスポット

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弘前公園内には、桜の枝が作り出す「桜のハート」と呼ばれる特別なフォトスポットがあります。これは、特定の角度から天守方面を見上げると、桜の枝と空の隙間が偶然にもハート形に見えるというもので、SNSでも話題になった隠れた名所です。

この「桜のハート」は、カップルや写真愛好家に特に人気があり、訪れた際にはぜひ探してみたいスポットの一つです。園内の公式パンフレットや観光案内所で紹介されている場合もあるため、事前にチェックしておくと見つけやすいでしょう。ハート型の桜のシルエットを背景に写真を撮ると、春の思い出として特別な一枚を残せるかもしれません

 

 

 


3. 弘前さくらまつりの歴史 

 1. 起源と桜植樹の歴史 

DALL?E 2025-03-15 15.02.06 - A historical scene of Hirosaki Castle in Japan during the Edo period (1715). The castle is surrounded by newly planted Kasumi-zakura cherry blossom sa

弘前城に桜が初めて植えられたのは1715年(正徳5年)とされ、京都・嵐山から持ち帰ったカスミザクラの苗木が城内に植えられたのが始まりです。しかし、この時点ではまだ桜の名所としての認識はなく、一部の地域に植えられるに留まりました。

明治維新後、廃藩置県により津軽藩が解体されると、弘前城も荒廃の一途をたどりました。そんな中、旧藩士たちはこの歴史ある城を守るため、桜の植樹活動を推進しました。1880年(明治13年)には内山覚弥が私財を投じて20本の桜を植樹し、さらに1882年(明治15年)には菊池楯衛がソメイヨシノの苗木1,000本を寄贈。これを機に、大規模な桜の植樹が行われました。

しかし、「城跡を花見の場にするべきではない」という反発もあり、苗木が折られる事件も発生しました。それでも、旧藩士たちの熱意が実を結び、次第に桜は市民に受け入れられるようになりました。**1895年(明治28年)**には弘前城跡が「弘前公園」として一般開放され、花見を楽しめる場所としての基盤が整いました。

 

 2. 観桜会の始まりと発展 

DALL?E 2025-03-15 15.03.29 - A realistic depiction of a historical Hanami festival at Hirosaki Park in 1916 (Taisho 5). The scene features cherry blossoms in full bloom with a lar

桜が広く親しまれるようになると、人々は春になると弘前公園に集まり、自然発生的に花見を楽しむようになりました。そして1916年(大正5年)、地元の若者グループ「呑気倶楽部(のんきくらぶ)」が花見イベント**「観桜会(かんおうかい)」**を企画。東京から映画技師を招いて桜を撮影し、パレードや仮装行列、露店の設置など、現在の「弘前さくらまつり」の原型となる催しを次々と実施しました。

**1918年(大正7年)**には弘前商工会(現・弘前商工会議所)が主催し、正式な観桜会がスタート。山車の運行、相撲大会、花火大会など、多彩なイベントが行われ、多くの観光客を魅了しました。

その後、**1921年(大正10年)**には弘前城天守閣が電灯でライトアップされ、夜桜見物の文化が生まれました。昭和時代に入ると、夜間照明が改良され、より幻想的な桜景観が楽しめるようになりました。

 

 3. 戦争と復活、そして「弘前さくらまつり」へ 

DALL?E 2025-03-15 15.03.27 - A realistic historical scene of Hirosaki Park during a Hanami festival in 1916 (Taisho 5). The park is filled with people gathered under full-bloom ch

しかし、戦時中の1944年(昭和19年)、戦況悪化により観桜会は中断を余儀なくされました。それでも、終戦直後の**1947年(昭和22年)**にはすぐに復活し、桜の植樹活動も再開。1956年(昭和31年)には、地元の元市議・福士忠吉氏が1,300本のソメイヨシノを寄贈し、外濠(そとぼり)を彩る桜並木が形成されました。

こうした流れの中で、**1961年(昭和36年)には観桜会が「弘前さくらまつり」**と改称。翌1962年には会期が4月22日~5月5日に固定され、全国的にも有名な春の祭りとしての地位を確立しました。

 

 4. 現代の「弘前さくらまつり」

「弘前さくらまつり」と名称を改めた後も、祭りは進化を続け、新たな要素が加わっていきました。1984年には「弘前城ミス桜コンテスト」が開始され、祭りの華として観光PR活動を担うようになりました。1989年には市制100周年を記念して「全国さくらシンポジウム」が開催され、この年から弘前城本丸と北の郭エリアが有料化され、桜の維持管理が強化されました。

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1995年には弘前公園の開園100周年を記念するイベントが行われ、2003年には本丸と北の郭エリアが春から秋にかけて通年有料化され、管理体制がさらに充実しました。2018年には観桜会の開催100周年を記念し、航空自衛隊ブルーインパルスによる祝賀飛行が実施され、多くの観光客を魅了しました。

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しかし、2020年には新型コロナウイルスの影響で祭りが初めて中止されるという歴史的な出来事が起こりました。その後、安全対策を講じながら再開され、再び賑わいを取り戻しています。2025年は弘前城天守が移動前の最後の春を迎える特別な年となり、例年以上に注目されるでしょう。


 

 5. 2025年は特別な年 

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2025年の「弘前さくらまつり」は、弘前城天守が元の位置へ戻る前の最後の春となるため、特別な意味を持ちます。現在の仮位置から眺める「天守・桜・岩木山」の三位一体の景観を楽しめる最後の機会となり、多くの観光客が訪れることが予想されます。

100年以上の歴史を誇る「弘前さくらまつり」は、地元の情熱と努力によって育まれた日本屈指の桜の祭典です。その伝統を守りながら、これからも進化を続け、未来へと受け継がれていくことでしょう。

 

>>京都嵐山の桜見どころはこちら

 

 


4. 弘前さくらまつりの楽しみ方 

弘前さくらまつりでは、花見だけでなく多彩なイベントや体験が楽しめます。桜の絶景を満喫するだけでなく、弘前ならではの伝統文化や特別な体験を通して、祭りの魅力を存分に堪能しましょう。

 ■ お濠めぐりボート 

弘前公園内のお濠では、手漕ぎボートガイド付き舟に乗って、水上から桜を楽しむことができます。視点が変わることで、地上からとは異なる特別な景色が広がり、優雅な時間を過ごせます。

① 西濠(にしぼり)エリア – 手漕ぎボート

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  • 料金:1隻 60分 1,500円
  • 運行時間:9:00~16:30(受付は16:00まで)
  • 特徴
    • ソメイヨシノの古木が立ち並ぶ桜並木の下をボートで進むことができる。
    • **花筏(はないかだ)**と呼ばれる、水面一面に桜の花びらが浮かぶ幻想的な景色を間近で堪能できる。
    • 家族やカップルでゆったり楽しめる人気のアクティビティ。
    • 混雑時は待ち時間が発生するため、早めの利用がおすすめ。

② 内濠(中濠)エリア – ガイド付き舟「中濠観桜舟」

nakabori_main (1)※出展:https://www.hirosaki-kanko.or.jp/edit.html?id=nakabori

  • 料金:大人1,500円 / 小中高生1,000円 / 幼児500円
  • 運行時間:9:00~16:30(随時出発)
  • 特徴
    • スタッフが舟を漕ぐため、参加者は座って景色を楽しめる。
    • 約20分の遊覧で、弘前城天守と桜を水上から一望できる特別な体験。
    • 水面に映る桜のリフレクション(反射)が美しく、フォトジェニックなスポットとしても人気。
    • 日本語のほか、英語対応のツアーも用意されているため、海外観光客にも好評。


 ■ ガイドツアー

祭り期間中、訪問者が弘前公園の魅力を深く理解できるよう、さまざまなガイドツアーが企画されています。​例えば、「エクスプレス・ガイドツアー」は、国際色豊かなフェスティバルアンバサダーチームが英語で公園内のインスタ映えスポットを案内するツアーです。

​45分程度のコースで、最少催行人数は2名、料金は大人1人1,000円(弘前城有料区域入場料別)となっています。​また、夜のライトアップされた公園を巡る「夜桜 'カンパイ' ツアー」も人気です。​75分程度のコースで、料金は大人1人3,000円(弘前城有料区域入場料別)です。​これらのツアーは事前予約が必要で、詳細は公式サイトで確認できます。

 

 ■ ミス桜コンテスト 

​弘前さくらまつりの名物の一つである「弘前城ミス桜コンテスト」は、1984年(昭和59年)に開始され、以来、弘前市の観光PR活動において重要な役割を果たしています。

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  • 選考基準:満18歳以上の独身女性で、弘前市または青森県内在住、もしくは弘前市に愛着のある方が応募資格を持ちます。ただし、高校生や他のミス任期中の方は除かれます。
  • 活動内容
    • 弘前さくらまつりをはじめ、弘前ねぷたまつり、弘前城菊と紅葉まつり、弘前城雪燈籠まつりなど、市内の四大まつりや各種イベントに参加し、弘前市の観光や物産のPRを行います。 ​
    • 県外の公的行事(函館や東京など)にも参加し、弘前市の魅力を広く伝える役割を担います。

 


 

 

 


 さいごに 

弘前さくらまつりは、歴史・文化・自然が融合した日本屈指の花見イベントです。美しく咲き誇る桜と、歴史ある弘前城のコントラストは、訪れる人々に感動を与えます。夜桜ライトアップやお濠めぐり、伝統芸能の披露など、さまざまな楽しみ方があり、一日中飽きることがありません。

2025年は弘前城天守の移動前の最後の春となり、桜・城・岩木山の壮観な景色を楽しめる貴重な機会です。ぜひ、事前の準備を万全にし、最高の花見体験を堪能してください