🕓 2024/12/23
#グルメ
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広島県は、豊かな自然環境と美しい景観に恵まれた地域であり、瀬戸内海や中国山地などから得られる新鮮な食材を活かした独自の食文化が発展しています。温暖な気候と豊かな海の恵みにより、海の幸を中心とした多彩なグルメを楽しむことができます
特に「尾道ラーメン」、「広島焼き」、そして「汁なし担々麺」は広島県を代表するグルメとして人気です。広島県を訪れた際には、ぜひこれらの料理を堪能し、地域ならではの食文化を味わってみてください。
尾道ラーメンは、広島県尾道市を中心としたご当地ラーメンで、醤油ベースのスープに平打ち麺、そして豚の背脂を浮かせた独特のスタイルが特徴です。
スープは鶏ガラを基調とし、瀬戸内産の小魚(特に平子いわし)から取った出汁を加えることで、深い旨味と風味を実現しています。さらに、スープの表面に浮かぶ豚の背脂のミンチが、あっさりとしたスープにコクを加え、独特の味わいを生み出しています。麺は中細の平打ち麺が主流で、スープとの絡みが良く、食感も楽しめます。
尾道ラーメンの歴史は80年以上にわたり、地元の人々や観光客に愛され続けています。その発祥は、昭和初期に中国福建省出身の張氏が青竹で麺を作り、露店で「支那そば」として販売したことに始まります。戦後には、朱阿俊氏が屋台で中華そばを提供し、その後「朱華園」として店舗を構えました。このように、尾道ラーメンは地元の文化や歴史と深く結びつきながら発展してきました。
広島風お好み焼きは、小麦粉を水で溶いた生地を薄くクレープ状に広げ、その上に大量のキャベツ、もやし、豚肉、そして中華麺(焼きそば)を重ねて焼き上げます。さらに、最後に卵を加えて全体をまとめることで、ボリューム満点でありながらもバランスの取れた味わいを実現しています。この層状の構造により、各素材の風味が引き立ち、食感の多様性も楽しめます。
また、仕上げにかけられる特製の甘めのソースや青のり、かつお節が、全体の味をさらに深め、食欲をそそります。一口ごとに広がる豊かな風味と、外はカリッと中はふんわりとした食感が、多くの人々を魅了しています。
広島風お好み焼きの起源は、戦前に食べられていた「一銭洋食」とされ、水で溶いた小麦粉を薄く焼き、ネギなどをのせた簡素なものでした。戦後の物資不足の中、手軽に作れる食事として発展し、キャベツや麺、豚肉などの具材が加えられることで、現在の形に近づいていきました。特に、広島は鉄を扱う工場が多く、鉄板が比較的手に入りやすかったことから、お好み焼き屋が増えたと考えられています。
昭和30年代には、住宅の一部を改装した店舗が増えたり、麺や豚肉を加えたりするようになり、お好み焼きの普及が進みました。その後、昭和50年代の広島カープ優勝の頃からガイドブックなどにも掲載されるようになり、全国的に名が広まったとされています。
広島の「汁なし担々麺」は、独特の風味と刺激的な辛さで多くの人々を魅了しています。その最大の特徴は、花椒(ホアジャオ)による痺れるような辛味と、唐辛子のピリ辛さが融合した深い味わいにあります。麺に絡む特製のタレは、辛味と旨味のバランスが絶妙で、一度食べるとやみつきになると評判です。さらに、温泉卵やネギなどのトッピングが加わることで、より一層豊かな味わいを楽しむことができます。
食べる際には、提供されたらすぐに20~30回ほどしっかりと混ぜ合わせるのが一般的な食べ方とされています。これにより、麺とタレ、具材が均一に絡み合い、複雑で奥深い味わいを堪能できます。また、食後に残ったタレにご飯を加えて楽しむ「追い飯」も人気の食べ方の一つです。
広島で「汁なし担々麺」が注目され始めたのは、2000年代初頭のことです。広島市中区にある老舗店「キング軒」が、この料理の先駆者として知られています。花椒の効いた辛味と香り高いごま風味のタレを絡めて食べるスタイルは、地元で一気に人気を博しました。