🕓 2025/6/8
#グルメ

目次
鹿児島県のグルメについて
鹿児島県は、九州の南端に位置し、東シナ海と太平洋に面し、錦江湾に浮かぶ雄大な桜島や霧島連山、屋久島などの離島群といった豊かな自然に恵まれた土地です。温暖な気候と火山灰土壌は、さつまいもや茶などの農業、そして全国に名高い黒豚や黒牛といった畜産業を育んできました。
なかでも「黒豚料理」「さつま揚げ」「鶏飯」は、鹿児島を代表するグルメとして県民に深く愛され、訪れる人々の舌をも魅了しています。鹿児島を訪れた際にはぜひこれらの料理を堪能し、温暖な気候と豊かな自然、そして独自の歴史が生み出す鹿児島ならではの美味なる食文化に触れてみてください。
鹿児島県の厳選グルメ3選
1. 黒豚 - 鹿児島の至宝
● 黒豚の魅力
鹿児島黒豚は、日本有数の高品質豚肉として知られています。きめ細かく柔らかな肉質と、噛むほどに広がるジューシーな旨味、特に脂身の上品な甘みが特徴です。科学的分析でも旨味成分は白豚の約3.7倍、甘味成分は約6.7倍と証明されています。
その美味しさの秘密は、さつまいもを配合した特別飼料にあり、脂の融点が高くさっぱりとした後味を実現。代表料理「黒豚しゃぶしゃぶ」ではその甘みと旨味をシンプルに楽しめます。また郷土料理「とんこつ」も人気です。
栄養価も高く、美しい見た目とともに旅の思い出に彩りを添えてくれる逸品。温暖な鹿児島の自然が育んだ黒豚を、ぜひ現地で味わってください。
● 黒豚の歴史
かごしま黒豚の起源は約400年前、薩摩藩主・島津家久が琉球から豚を移入したことに始まります。一説には中国から琉球・奄美を経て伝来したとも言われ、1546年には鹿児島で豚の飼育記録も確認されています。
島津家は早くから黒豚を藩の特産品と位置付け、幕末には薩摩藩主・島津斉彬が豚肉を贈答し絶賛された記録も。西郷隆盛も愛した逸話が残ります。
明治以降、イギリス原産のバークシャー種を導入し在来種との交配・改良を重ね、現在の「かごしま黒豚」の礎を築きました。昭和・平成にも「サツマ」「ニューサツマ」などの系統豚が開発されています。
黒豚の品質向上に欠かせなかったのが「さつまいも」。同じく琉球由来で薩摩に伝わったさつまいもは、黒豚の飼料として理想的であり、肉質改善に大きな役割を果たしてきました。こうして黒豚とさつまいもは、鹿児島の豊かな食文化を形作る重要な柱となったのです。
● 黒豚を食べるならココ! !
- 店名:黒豚料理 あぢもり
- 魅力:
1978年創業の**「黒豚料理 あぢもり」は、鹿児島・天文館にある黒豚しゃぶしゃぶ発祥の店として知られる老舗。最大の特徴はポン酢やごまだれを使わず、特製和風出汁にくぐらせた黒豚を生卵に絡めて食べる独自のスタイル。この食べ方はすき焼きとしゃぶしゃぶの長所を融合させたもので、店主の長年の研究成果です。
店内は料亭のような落ち着いた和空間で、カウンター、テーブル席、個室、70名対応の宴会場まで完備。接待から家族利用、大人数の宴会まで幅広く対応。
ランチには黒豚とんかつ**も人気で、「黒豚スペシャルミックスカツセット」ではロース、ヒレ、バラ3種を一度に楽しめます。長年地元で愛され、「とんかつ 百名店」にも選出。伝統を守りつつ柔軟なサービスで多様な客層に支持されています。 - 住所:鹿児島県鹿児島市千日町13-21
- アクセス:「天文館通」電停で下車後、徒歩約5分
- グーグルマップ:https://maps.app.goo.gl/dxmBtCuxB7pUgg4K7
2. さつま揚げ - 鹿児島のソウルフード
● さつま揚げの魅力
さつま揚げは鹿児島県民に「つけあげ」と呼ばれ親しまれるソウルフード。魚のすり身を主原料とし、甘みのある味わいと多彩な食感が特徴です。低温・高温の二度揚げで、外は香ばしく中はしっとり仕上がります。砂糖を使った甘みは「おもてなし」の心を反映し、鹿児島の地酒やみりんとともに魚の旨味を引き立てます。使用魚はイトヨリダイやエソ、アジ、サバなど地魚を季節に応じてブレンド。
豆腐を加えたソフトなタイプや魚肉の弾力を活かしたタイプもあり、具材はゴボウや人参、きくらげ、さつまいも、タコ、イカ、チーズなど多彩。棒状・角型・小判型など形状も豊富で、揚げたては格別の美味しさ。真空パックはお土産にも人気で、自宅でも鹿児島の味が楽しめます。
● さつま揚げの歴史
さつま揚げの起源は諸説ありますが、最も有力なのは琉球料理「チキアーギ」が薩摩に伝わった説。薩摩藩主・島津斉彬が琉球でこれを味わい、薩摩でも再現を命じたとも言われています。
鹿児島版は焼酎や地酒、みりん、砂糖で独自の甘みと風味を加え、本家とは異なる味わいに進化しました。また斉彬が保存性の高い揚げ物の開発を奨励した説や、港町・いちき串木野市などで豊漁の魚を無駄なく活用するため庶民の知恵から生まれたとも言われます。
これらの影響が重なり、琉球文化・藩主の先進性・庶民の工夫が融合して現在のさつま揚げが誕生。明治以降、交通網や物産展を通じて「さつま揚げ」の名で全国に広まり、今や鹿児島を代表する名産品となりました。
● さつま揚げを食べるならココ! !
- 店名:揚立屋 天文館店
- 魅力:
「揚立屋」のさつま揚げは、無リンすり身にこだわり、素材本来の旨味を引き立てる甘さ控えめ・さっぱりとした後味が魅力。伝統製法と現代の健康志向が調和した逸品として、多くの人に支持されています。
天文館店では、揚げたてのさつま揚げをその場で味わえるのが最大の魅力。外は香ばしく、中はふんわりorプリッと弾力があり、魚の旨味が広がります。プレーン、チーズ、さつまいも、とうもろこしの他、季節限定品も豊富で選ぶ楽しさも格別。観光の中心・天文館通アーケード内にあり、食べ歩き用のベンチなど観光客にも配慮。伝統と革新を両立し、鹿児島観光でぜひ立ち寄りたい一軒です。 - 住所:鹿児島県鹿児島市東千石町13-16
- アクセス:鹿児島市電「天文館通」電停から徒歩約1分
- グーグルマップ:https://maps.app.goo.gl/gnpFVx55VdSH8nmZ8
3. 鶏飯 - 奄美の心温まるおもてなし料理
● 鶏飯の魅力
鶏飯(けいはん)は、奄美大島を代表する郷土料理。温かいご飯に鶏肉、錦糸卵、甘煮しいたけ、パパイヤ漬けなどを彩り豊かに盛り付け、鶏ガラスープをたっぷりかけていただきます。
命とも言えるスープは、鶏の旨味が凝縮されあっさりと滋味深い味わい。具材が織りなす食感と風味が一体となり、食べるたびに異なる美味しさが楽しめます。
地元では軽食や朝食、締め料理として親しまれ、食べる人が自ら具材を盛る体験型の魅力も。栄養バランスに優れ、心も体も温まる一杯は、奄美の自然と文化が詰まった逸品です。訪問時にはぜひ味わいたい料理のひとつです。
● 鶏飯の歴史
鶏飯は江戸時代、薩摩藩の支配下にあった奄美大島・赤木名地区で誕生。重税と厳しい生活の中、島民が薩摩の役人をもてなすため、限られた食材で心を込めて作った料理です。彩り豊かな具材と鶏ガラスープに込められたのは、おもてなしの心とささやかな抵抗の意志。
昭和43年、皇太子同妃両殿下(現・上皇ご夫妻)が奄美訪問時に鶏飯を召し上がり、その逸話が全国に広まりました。
今では奄美を代表する郷土料理として、地元でも観光客にも親しまれ、一杯に歴史・文化・自然の恵みが詰まった特別な料理となっています。
● 鶏飯を食べるならココ! !
- 店名:元祖鶏飯 みなとや
- 魅力:
「元祖鶏飯 みなとや」は昭和21年創業、鶏飯発祥の店として知られる奄美の名店。黄金色に澄んだ鶏の旨味たっぷりのスープは雑味がなく、濃厚な味わいが評判で、多くの人がこの一杯を求めて訪れます。
鶏飯セットは、鶏肉・錦糸卵・甘煮椎茸・パパイヤ漬けなどを自分好みに盛り付け、熱々のスープをかけて仕上げる体験型の楽しさも魅力。
皇太子同妃両殿下(現・上皇ご夫妻)が来島時に召し上がり、おかわりされた逸話も有名です。奄美空港から車で約10~15分とアクセスも良く、奄美旅行の最初や締めくくりにぴったり。昼時には行列必至の人気店ですが、並んででも味わう価値のある一杯がここにあります。。 - 住所:鹿児島県奄美市笠利町大字外金久81
- アクセス:奄美空港から車で約10~15分
- グーグルマップ:https://maps.app.goo.gl/PMRZEcvGVM2ewBfx5