【岡山・倉敷 × 日本酒】白壁の町でほろ酔い散歩

🕓 2025/12/2
#日本酒

敷美観地区の酒蔵・酒屋・バルを巡る旅

1-Oct-11-2025-11-46-44-9988-AM
 目次

  1. なぜ「倉敷美観地区」で日本酒なのか?
  2. 散策の合間に喉を潤すおすすめ3選
  3. 古民家で味わう「岡山の幸 × 地酒」
  4. 日本酒香る「大人のデザート」 
  5. 【お土産】買って帰りたい「岡山の銘酒」3選 
  6. モデルコース:倉敷「ほろ酔い」半日プラン

はじめに

白壁の蔵屋敷と柳並木が続く倉敷川沿いの美観地区。歩くだけでも十分フォトジェニックなエリアですが、実は日本酒好きにとっても“聖地”のような町だということをご存じでしょうか。

「酒米のルーツ」とも呼ばれる岡山生まれの酒米・雄町(おまち)を使った地酒を、オシャレな古民家バルや、歴史ある酒屋で選び、飲み比べる——。

ガッツリ酔うというよりは、美しい景色の中で少しずつ味わいながら、自分好みの一本に出会う。そんな、大人のための「倉敷ほろ酔い散歩」へご案内します。



1. なぜ「倉敷美観地区」で日本酒なのか? 

 幻の酒米「雄町(おまち)」の“聖地”だから美味しい

岡山のお酒が全国の日本酒ファンから支持されている一番の理由は、なんと言っても酒米「雄町(おまち)」の存在です。

雄町は、1859年に現在の岡山市中区・雄町地区で発見された酒造好適米。100年以上にわたり造り続けられている“超ロングセラー酒米”で、現在でも原形を保ったまま栽培されている希少な在来品種として知られています。

山田錦や五百万石など、全国で使われている優良酒米の多くが、雄町の血を引いていることから、「酒米のルーツ」と呼ばれることも多い酒米です。

一時は栽培の難しさなどから生産量が激減し、「幻の酒米」と言われた時期もありましたが、近年は再び注目され、生産農家と蔵元の努力で復活。現在も、生産量の大部分(約9割以上)を岡山県が占めているとされ、まさに“雄町の国”が岡山なのです。

 雄町で仕込んだ日本酒の味わい

雄町の特徴を一言で表すなら、

「やわらかく溶けやすく、ふくよかな旨みが出やすい酒米」

というイメージ。

  • 口当たりが丸く、舌にのせるとじんわり旨みが広がる

  • 米の甘みとコクがしっかりあり、ボディのある味わいになりやすい

  • 旨みが濃いのにキレも良く、冷酒〜燗酒まで幅広く楽しめる

といった特徴から、“濃醇旨口”タイプが好きな人にはたまらない酒米です。

一方で、蔵ごとの造り方や精米歩合によって表情が大きく変わるのも雄町のおもしろさ。香り高い吟醸タイプから、どっしりとした燗映えする純米酒まで、幅広いスタイルが生まれます。

雄町で仕込んだ日本酒をこよなく愛する人たちは、いつしか「オマチスト」と呼ばれるようになりました。ラベルに「雄町」と書かれていると、つい手に取ってしまう——そんなコアなファンが全国に多く、産地別・精米歩合別に飲み比べる楽しみ方も定番です。

倉敷美観地区とその周辺には、雄町を使ったお酒を造る蔵元や、雄町を中心に県内の銘酒を集めた酒屋・バルが点在。“雄町の飲み比べ”ができる町だからこそ、日本酒好きにとって特別な旅先になるのです。

 

 



 2. 散策の合間に喉を潤すおすすめ3選 

倉敷美観地区には、昼間から気軽に「ちょっと一杯」が楽しめるスポットがいくつもあります。アートや町歩きの合間に、喉を潤しながら地酒の世界をのぞいてみましょう。

 ① 立ち飲み処 カケハシ|LOGIN Kurashiki 内の新スポット

複合施設「LOGIN Kurashiki(ログイン くらしき)」内に2024年春オープンした、比較的新しい日本酒バーが「立ち飲み処 カケハシ」。

白壁の町並みに溶け込むような落ち着いた外観と、木を基調にしたカウンター中心の店内は、ほどよくカジュアルで居心地の良い雰囲気です。

コンセプトは、

「食を通じて、地域と人をつなぐ橋に」

というだけあって、カウンターには備中エリアを中心とした岡山の日本酒がずらり。季節ごとにラインナップが入れ替わるので、リピートする楽しみもあります。

ここがおすすめ

  • 飲み比べセットで「好み探し」
    岡山の地酒を中心に、店主おすすめの数種を少しずつ味わえる飲み比べセットが人気。辛口・フルーティーなど、好みを伝えるとスタイルの違うお酒を組み合わせてくれるので、日本酒初心者でも安心です。

  • 岡山食材を使った小皿つまみ
    黄ニラや地元野菜、小魚など、岡山らしい素材を使ったおつまみも充実。しっかり食事というよりは、「0次会」や「二軒目」にちょうどいいボリューム感です。

  • 一人旅にもやさしい雰囲気
    明るく開放的なカウンターで、一人客も多いのが特徴。スタッフが倉敷や岡山の見どころも教えてくれるので、旅の情報収集がてら立ち寄るのにもぴったりです。

※営業時間や定休日は変動することがあるため、最新情報は「LOGIN Kurashiki」や店舗の公式SNSでご確認ください。

 

 ② 地酒販売会社 土手森(どてもり)|“宝探し感覚”で一本を選ぶ老舗酒屋

倉敷川沿いの道を歩いていると、石垣の上に白壁の建物、その脇に大きく「地酒」と染め抜かれた暖簾が目に入ります。ここが、地元で長く愛されてきた酒屋「地酒販売会社 土手森」です。

大正15年(1926年)創業の老舗で、店内に入ると、岡山県内の日本酒・焼酎・ワイン・地ビールが所狭しと並びます。

ここがおすすめ

  • 岡山の地酒が“ずらり”と並ぶ棚
    取り扱いの中心は、岡山県内の蔵元のお酒。観光地価格ではなく、地元目線のラインナップと価格帯で、ふだん使いの一本から贈答用まで幅広く揃います。

  • オリジナル銘柄も要チェック
    超辛口の日本酒「爺爺婆婆(じじばば)」や、白桃酒「桃娘」、マスカット酒「葡萄嬢」など、土手森オリジナルの遊び心あふれる銘柄も。ラベルデザインも個性的で、お酒好きへのお土産にぴったりです。

  • 店主との会話もごちそう
    「どんな料理と合わせたい?」「辛口と甘口、どっちが好き?」といった会話をしながら、好みに合う一本を一緒に探してくれる店主さんの存在も魅力。まさに“宝探し感覚”で、自分だけの一本に出会えるお店です。

※店内での試飲・立ち飲み(いわゆる角打ち)の可否は、時期や状況によって変わるため、利用したい場合はその場でスタッフに確認を。

 

 ③ 菊池酒造「燦然(さんぜん)」|雄町×音楽醸造の実力派を押さえておく

倉敷市玉島に蔵を構える明治11年創業の蔵元・菊池酒造。代表銘柄の「燦然(さんぜん)」は、全国新酒鑑評会や海外コンテスト、燗酒コンテストなどで受賞歴を重ねる実力派ブランドです。

倉敷美観地区周辺の酒屋や飲食店でもよく見かける銘柄なので、「倉敷で飲むなら、ぜひ一度はグラスで試してほしい一本」として紹介しておきたいお酒です。

 注目の一本:燦然 特別純米 雄町

  • 種類:特別純米

  • 原料米:岡山県産 雄町 100%

  • 精米歩合:65%

  • アルコール度数:15.5%前後

ふっくらとした甘い香りに、熟したバナナのような穏やかな果実感。口に含むと、柔らかな甘みと豊かな酸がふわっと広がり、そのあとを追いかけるように、雄町らしいふくよかな旨みがじんわりと続きます。

冷酒でも美味しいですが、常温〜ぬる燗にすると酸と旨みがより立ち上がり、毎日の晩酌にも連れて帰りたくなるタイプの食中酒です。

 

 「音楽醸造」への取り組みもユニーク

菊池酒造は、クラシック音楽を酒造りに取り入れた「音楽醸造」でも知られています。モーツァルトの楽曲を流し、その振動をタンクに伝えながら発酵を促す純米大吟醸「蔵リズム」は、ストーリー性も含めてギフトに選ばれることが多い一本。

美観地区の飲食店や酒屋で「燦然」を見かけたら、ぜひ一度グラスで味わってみてください。

 

 



 3. 古民家で味わう「岡山の幸 × 地酒」 

日が暮れてライトアップされた倉敷川沿いは、昼間とはまた違う幻想的な表情に。せっせくなら、歴史ある町家や古民家をリノベーションしたお店で、岡山の幸と地酒をゆっくり味わいましょう。

 ① 古民家バル 旧本藤邸|庭園を眺めながらイタリアンと日本酒を

倉敷駅から徒歩圏、美観地区のほど近くにある「古民家バル 旧本藤邸」は、築60年以上といわれる古民家をリノベーションしたイタリアンバル。中庭を囲むように客席が配され、ライトアップされた庭を眺めながら食事を楽しめる、雰囲気抜群の一軒です。

自家製の生パスタやナポリ風ピッツァなど、本格イタリアンをカジュアルに楽しめるのが魅力。ワインはもちろん、地元の日本酒を置いていることもあり、「日本酒×イタリアン」というペアリングにも挑戦できます。

 おすすめの楽しみ方

  • 海老とマッシュルームのアヒージョ × 雄町の地酒
    ガーリックとオリーブオイルの香りが立ち上るアヒージョに、ふくよかな雄町の日本酒を合わせると、オイルと旨みが溶け合って一体感のあるペアリングに。バゲットをオイルに浸しつつ、合間に一口日本酒を含めば、箸もグラスも止まりません。

  • シーンに合わせて席を選ぶ
    デートなら、中庭を望む窓際席がおすすめ。グループ利用や女子会なら、古民家の梁が見える少し奥まったテーブル席で、時間を忘れて語らうのも良い過ごし方です。

 

 ② 民芸茶屋 新粋(しんすい)|赤提灯が誘う「大人の居酒屋」

大正8年に割烹旅館として創業し、現在は居酒屋スタイルへと姿を変えた「民芸茶屋 新粋」。美観地区の一角にひっそり佇む、地元客と観光客が自然に混ざり合う大人の居酒屋です。

木の温もりを感じる店内には、民芸品や古道具がさりげなく飾られ、どこか懐かしい空気が漂います。カウンター席に座れば、目の前で料理が仕上がっていく様子を眺めながら一杯やれるのも醍醐味。

 岡山らしい肴と地酒を

メニューは季節ごとに変わりますが、訪問時には、

  • 黄ニラを使ったお浸しや和え物

  • ガラエビの唐揚げ

  • 瀬戸内の魚介を使った日替わりの一品

など、岡山らしさを感じる肴が並んでいました。

キレのある辛口の純米酒と一緒に黄ニラをつまめば、野菜の甘みと日本酒の酸が絶妙にマッチ。殻ごとカリッと揚がったガラエビは、軽めの純米酒や特別純米と合わせれば、止まらなくなる「最強のつまみ」です。

口コミでも、

「観光地のど真ん中とは思えない、落ち着いた雰囲気」
「季節ごとのメニューが楽しみ」

といった声が多く、“倉敷の夜、一軒だけ選ぶならここ”というリピーターもいる実力店です。

 

 ③ 地酒と郷土料理 さわらや|備前焼の器で飲む至福

“岡山といえば鰆(さわら)”というイメージを、そのまま一軒の店に凝縮したようなのが、「地酒と郷土料理 さわらや」。倉敷川近くにあり、手入れの行き届いた小さな庭を眺めながら、落ち着いた時間を過ごせます。

 体験ポイント

  • 名物・鰆の藁焼き(わらやき)
    高温の藁火で一気に炙った鰆は、外は香ばしく、中はレア。カツオのたたきとはまた違った上品な脂の甘みが口いっぱいに広がります。看板メニューとして知られる一皿です。

  • 鰆づくしのコースで“鰆の深掘り”
    刺身、藁焼き、レアカツ、しゃぶしゃぶ……と、コースひとつで鰆のさまざまな表情が楽しめるのも専門店ならでは。岡山らしい魚をとことん味わいたいなら、鰆コースを事前予約しておくのがおすすめです。

  • 30種類以上の地酒 × 備前焼の酒器
    日本酒は岡山県内の酒蔵を中心に30種類以上。お猪口や徳利には、地元の焼き物・備前焼や倉敷ガラスが使われることも多く、「備前焼で飲むとお酒がまろやかに感じる」と評判です。

 

 



 4. 日本酒香る「大人のデザート」 

「お酒はそんなに強くないけれど、雰囲気は楽しみたい」という人におすすめなのが、日本酒をさりげなく取り入れたスイーツ。甘味処巡りの途中で立ち寄りたい、大人のデザートスポットをご紹介します。

 大手まんぢゅうカフェ|銘菓 × 日本酒の“ご褒美セット”

岡山を代表する銘菓「大手まんぢゅう」。その世界観をカフェスタイルで楽しめるのが、倉敷美観地区にある「大手まんぢゅうカフェ」です。

白壁の町並みを眺めながら一息つける落ち着いた空間で、銘菓とドリンクのペアリングを楽しめます。

 ここで味わいたいメニュー

  • 蒸したて大手まんぢゅうセット
    蒸したての大手まんぢゅうとドリンクがセットになった人気メニュー。ドリンクはコーヒーやラテ、玄米茶などに加え、なんと日本酒を選ぶこともできます。甘い餡と日本酒の組み合わせは意外なほど相性が良く、「大人の和スイーツ」といった趣です。

  • 大手まんぢゅうソフト
    まんじゅうの皮や餡を使ったソフトクリームは、甘すぎず上品な味わい。散策のお供にテイクアウトして、倉敷川沿いを歩きながら楽しむのもおすすめです。

  • 夏限定・大手まんじゅうかき氷
    夏季限定で、まんじゅう由来のシロップやトッピングを合わせたかき氷が登場することも。暑い季節のクールダウンにぴったりです。

※営業時間は「12:00〜17:00(L.O.16:30)」、月〜水曜定休(変更の場合あり)。最新情報は公式サイトでご確認ください。

 

 ジェラート 吟六(ぎんろく)|地産フルーツを贅沢に味わう

2025年3月1日、美観地区にオープンしたジェラート専門店が「吟六(ぎんろく)」。店主は、知り合いのぶどう農家の手伝いを10年続けてきたという、フルーツ愛あふれる方です。

リノベーションした古民家の土間を活かした店内で、岡山県産フルーツをふんだんに使ったジェラートを味わえます。

ショーケースには、その日によって6〜14種類ほどのフレーバーが並び、取材時には、

  • ベリーA×ミルク

  • チョコ×おかやまバナナ

  • 宇治濃抹茶×さちのか苺

など、岡山らしいフルーツを主役にしたジェラートが揃っていました。

フレーバーは2種類を組み合わせる「ダブル」のみで、白桃やマスカット、いちじく、すいか、柿、よもぎなど、季節ごとに内容が変わるのも魅力です。

日本酒を楽しんだあとに、フルーツジェラートで口の中をリセットする——そんな“ほろ酔い散歩の締め”にもぴったりのお店です。

※現在は主に土日のみ営業で、11:30〜15:00(売り切れ次第終了)が基本。営業日・時間は変動しやすいので、最新情報は公式Instagram(@ginroku.kurashiki)をチェックしてください。

 

 

 



 5. 【お土産】買って帰りたい「岡山の銘酒」3選 

自宅に帰ってからも倉敷旅の余韻に浸れる、鉄板銘柄を3本ピックアップ。いずれも岡山らしさの詰まった一本で、日本酒好きへのプレゼントにもおすすめです。

 ① 燦然(さんぜん)特別純米 雄町|雄町の魅力が詰まったバランス派

倉敷・玉島の菊池酒造が手掛ける「燦然」は、雄町を多く使う蔵としても知られるブランド。その中でも「燦然 特別純米 雄町」は、雄町らしいふくよかさと、飲み飽きしないバランスの良さを兼ね備えた一本です。

 味わいのイメージ

  • ふくらみのある甘い香り

  • 熟したバナナを思わせる穏やかな果実香

  • 柔らかい甘みと、輪郭を与える酸

  • 余韻にはお米の旨みがじんわり続く

冷酒でもおいしく、常温〜ぬる燗にすると酸と旨みが一段と立ち上がる“万能選手”。和食全般はもちろん、バターを使った魚料理やチーズとも合わせやすい、「家に一本あると心強い」食中酒です。

基本データ(燦然 特別純米 雄町)

  • 種類:特別純米

  • 原料米:岡山県産 雄町 100%

  • 精米歩合:65%

  • アルコール度数:15.5%

 

 ② 御前酒(ごぜんしゅ)GOZENSHU 9 NINE|菩提酛仕込みのモダンな酸

岡山・真庭市の蔵元「辻本店」が手掛ける御前酒は、古来の酒母「菩提酛(ぼだいもと)」を復活させたことで知られるブランド。その中でも「GOZENSHU 9 NINE レギュラーボトル」は、雄町と菩提酛の個性が出会った“白ワイン感覚で楽しめる純米酒”として人気です。

よく冷やしてワイングラスで飲むと、いきいきとした酸と雄町由来の旨みが際立ち、カルパッチョやマリネなど、洋風の前菜ともよく合います。

基本データ(GOZENSHU 9 NINE レギュラーボトル)

  • 種類:純米酒

  • 原料米:岡山県産 雄町

  • 精米歩合:65%

  • アルコール度数:15度

  • 日本酒度:+5(やや辛口)

  • 酸度:1.4

熟成した菩提酛の酸×雄町の濃醇な旨みという組み合わせで、脂の乗った魚や鰻、ハードチーズなど、味の濃い料理とも好相性です。

 

  ③ 大典白菊 純米 白菊米|米の旨みをじっくり味わう“王道食中酒”

高梁市・成羽町の白菊酒造が醸す「大典白菊」。中でも「大典白菊 純米 白菊米」は、蔵の名前にもなっている酒米「白菊」を100%使用した、食中酒として評価の高い一本です。

白菊米は雄町の血を引くと言われる酒米で、

  • ソフトでふんわりとした口当たり

  • 豊かな米の旨み

が特徴。食事と一緒にじっくり飲み進めたくなる、落ち着いた味わいの純米酒に仕上がっています。

基本データ(大典白菊 純米 白菊米)

  • 種類:純米酒

  • 原料米:岡山県産 白菊米 100%

  • 精米歩合:65%

  • アルコール度数:16〜17度

  • 日本酒度:+4(すっきりめの辛口)

  • 酸度:1.8

冷やしてもおいしく、常温〜ぬる燗にすると、米の旨みとふくらみがより豊かに感じられます。煮物や焼き魚、肉じゃがなど、「おうちごはんの定番おかず」との相性が抜群の一本です。

 

 

 



 6. モデルコース:倉敷「ほろ酔い」半日プラン 

最後に、ご紹介したスポットをゆるっと回る「ほろ酔い半日モデルコース」を。

 15:00 大原美術館でアート鑑賞

日本初の西洋美術を本格的に収蔵した美術館として知られる大原美術館で、国内外の名画や工芸品をゆっくり鑑賞。感性にスイッチを入れてから、町歩きへ。

 16:30 「カケハシ」または「土手森」で0次会

  • 「立ち飲み処 カケハシ」で、雄町を使った地酒の飲み比べ

  • 「地酒販売会社 土手森」で、お土産候補のボトルを物色&店主と相談

どちらか一軒でも、ハシゴしても良し。“軽く一杯&情報収集”に最適な時間帯です。営業時間はそれぞれ公式情報を要チェック。

 17:30 夕暮れの倉敷川沿いを散歩

マジックアワーに染まる白壁と柳並木は、この時間帯だけのご褒美のような景色。余裕があれば、川舟流しに乗って水面から町並みを眺めるのもおすすめです。

 18:30 「新粋」または「旧本藤邸」で晩ごはん

  • しっとり“居酒屋時間”を楽しみたいなら、「民芸茶屋 新粋」で黄ニラ料理やガラエビなど岡山らしい肴と地酒を。

  • 記念日やデートなら、「古民家バル 旧本藤邸」で庭園を眺めながらイタリアン × 日本酒のペアリングを。

その日の気分や同行者に合わせて、好みの一軒を選びましょう(どちらも人気店なので、夜は予約推奨です)。

 20:30 夜風に当たりながら宿へ

人通りが落ち着き、静けさを取り戻した美観地区もまた格別。ほんのりと酔いの残る身体で、石畳を踏みしめながら宿へ戻る時間も、旅の大切なワンシーンです。

 

 

 



 さいごに 

白壁の町並みと静かに流れる倉敷川、そして雄町をはじめとする岡山の銘酒たち。倉敷美観地区は、ただ「観光する」だけでなく、景色とお酒と人との出会いを通じて、心がふっとゆるむ時間をくれる場所です。

一軒ごとに少しずつグラスを傾けながら、蔵元や酒屋のストーリーに耳を傾ける。合間にスイーツやジェラートで一息つきつつ、気に入った一本をお土産に連れ帰る——そんな楽しみ方ができるのも、「日本酒の町・倉敷」ならでは。

次の休日は、酔うためではなく、“ごきげんになるための一杯”を探しに、倉敷美観地区をゆっくり歩いてみませんか。あなたの新しい「お気に入りの一本」との出会いが、きっと待っているはずです。