🕓 2023/12/22
#文化
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忍者は、日本の中世から近世にかけて活躍した特殊な工作員で、スパイ活動、破壊工作、潜入、暗殺など多岐にわたる任務を遂行していました。忍者は、僧や曲芸師、農民に変装し敵地に潜入する技術を持っており、盗聴や情報収集を行っていました。また、戦闘が必要な場合には、手裏剣や針術、火術などを使用していました。呪術や幻術、薬学などにも精通していたとされています。
日常生活では、普段は農作業を行い農民に扮することもあり、山伏や行商人に変装して諜報活動を行っていました。忍者は基本的に戦いを避け、変装を駆使して人々の生活に溶け込みながら情報を集めるのが主な仕事でした。
特に有名な忍者集団には、伊賀忍者や甲賀忍者がいますが、全国に様々な忍者集団が存在していました。伊賀忍者は、火術や呪術、特に「九字護身法」という呪術が有名で、甲賀忍者は、毒薬を用いた奇術や薬売りを装っての情報収集が得意でした。
現代では、実在した忍者のような存在はありませんが、忍者を名乗る人々が忍術を教えたり、忍者体験イベントを開催するなどして、忍者の文化を伝え続けています。
忍術の起源は複数の説があり、その始祖ははっきりしていませんが、「大伴細入」が初期の忍者とされる説があります。歴史的に忍者の存在が確認されるのは南北朝時代以降で、起源は13世紀後半の悪党にあるとされています。室町時代から戦国時代にかけて、忍者は足利家、織田家、徳川家などの大名の傭兵として活躍しました。
1590年、徳川家康の江戸入府に伴い、忍者は江戸城下での警備や情報収集に従事しました。しかし、明治新政府の成立と共に忍者は役割を終え、多くが別の職業に転じました。一方、江戸時代から小説や芸能では、虚像の忍者が描かれるようになり、「石川五右衛門」の物語などで派手で摩訶不思議な術を使う忍者のイメージが広まりました。江戸時代後期には、歌舞伎や浮世絵によって黒装束に手裏剣を持つ現代的な忍者のイメージが形成されました。
忍者は、多様な武器と道具を使いこなしていました。主な装備には以下のものがあります:
火車剣:
十字手裏剣に火縄が巻かれ、中心に火薬が仕込まれています。導火線に火をつけて投げると、照明や放火に使用されました。
鎖鎌:
鎖の先に分銅がついた武器で、鎖を敵の武器や手足に絡みつかせて動きを封じ、鎌で斬りつけます。
忍び鎌:
農作業用の鎌に見せかけた武器で、鎖を取り付けて鎖鎌としても使用できます。
万力鎖:
鎖の両端に錘がついた武器で、遠心力を利用して攻撃や護身に使います。
巻き菱:
地面にばらまき、敵の動きを封じる道具です。
角指:
忍者版のメリケンサックで、指輪のような形の武器です。
焙烙火矢:
小さな爆弾のようなもので、焙烙などの陶器に火薬を詰めて使用します。
手甲鉤:
熊手のような形の暗殺用の武器で、攻撃や防御に使用します。
くない:
鉄製の両刃の道具で、攻撃や壁登り、穴掘りなどに多用途に使われました。
手裏剣:
小形の刀剣・針様などの形状を持つ武器である。敵の戦闘力を減退させるため相手に打って使用されています。
これらの装備は、忍者が敵に気づかれずに任務を遂行するための工夫がなされており、彼らの技術の高さと創意工夫を示しています。
江戸時代の街並みが再現されたテーマパークで、忍者ショーや手裏剣、弓矢などの体験が可能です。散策しながら飲食店での食事も楽しめます。
東京の自然豊かな山里で、現代社会で役立つ忍術を学ぶことができます。忍者の技だけではなく、根底に流れる「和の心」を感じることもできます。
富士山麓に位置する忍者テーマパークで、手裏剣、弓矢、吹き矢などの体験ができます。本格的な忍者ショーや、日本庭園を背景にした写真撮影も人気です。
戸隠流忍者の里にあるテーマパークで、忍者のお宝を集めた忍宝館やからくり屋敷などのアトラクションがあります。子ども向けの忍者修業体験アスレチックも楽しめます。
新宿の忍者エンターテインメントスポットで、忍者の仕掛けを探し出す「からくり探し」や本物の鉄の手裏剣を体験できる「手裏剣体験」が楽しめます。剣術体験やマキビシ体験も提供しており、大都会の中で忍者体験を楽しむことができます。