🕓 2024/8/27
#文化
のんべい横丁の歴史や概要を詳しく解説
目次
- のんべい横丁の概要
- のんべい横丁の歴史
- のんべい横丁のおすすめグルメ
- のんべい横丁のその他スポット
はじめに
のんべい横丁は、東京都渋谷区に位置する歴史的な飲食街で、昭和の面影を色濃く残す貴重なエリアです。戦後間もない1940年代後半に形成されたこの横丁は、70年以上にわたり、時代の流れに左右されることなく独特の風情を保ち続けてきました。「のんべい」という言葉が示す通り、酒を愛する人々が集う場所で、狭い路地に小さな居酒屋やバーが所狭しと軒を連ねています。
この記事では、のんべい横丁の概要と歴史、そして訪れる際にぜひ立ち寄りたいおすすめのグルメスポットについて紹介していきます。
1. のんべい横丁の概要
のんべい横丁は、東京都渋谷区に位置する昭和時代の雰囲気を色濃く残す飲食街で、その歴史は70年以上にわたります。「のんべい」とは酒飲みを意味し、「横丁」は路地裏を指します。その名の通り、酒を愛する人々が集まる場所で、細い路地に小さな飲み屋や居酒屋、焼き鳥屋、バーなどが密集しています。
戦後間もない1940年代後半に、闇市として形成されました。再開発の波にもかかわらず、このエリアはその独特な昭和レトロな雰囲気を保ち続けており、今でもその魅力が衰えることなく、多くの人々に愛されています。現在、約38店舗が軒を連ねており、その多くが2~3坪(約6.6~10平方メートル)の小さな店舗で、わずか5~10席程度の規模です。
店内は狭いため、肩を寄せ合うようにして飲むスタイルが一般的で、訪れるたびに店主や隣の客と自然に会話が生まれ、伝統的なバー文化を直接体験できるのが特徴です。店内がいっぱいになると、次の店に移る「はしご酒」がこのエリアの定番となっています。
夜になると赤い提灯が灯り、独特のノスタルジックな風情が漂うのんべい横丁は、都会の喧騒から少し離れた、タイムスリップしたかのような感覚を味わえる場所です。新しい店も加わりつつも、長年続く老舗が多く残っており、地元の人々や観光客を問わず、多くの人々が足を運んでいます。
2. のんべい横丁の歴史
のんべい横丁は、東京・渋谷の中心部に位置する歴史的な飲み屋街で、その起源は第二次世界大戦直後に遡ります。戦後の混乱期に誕生したこの横丁は、長い歴史を持ち、現在でも当時の風情を色濃く残しています。以下、その歴史を主な出来事ごとに整理して紹介します。
1. 戦後の誕生と発展(1945年~1950年代)
のんべい横丁の始まりは、第二次世界大戦後の1940年代後半です。この時期、戦火を免れた渋谷の一角に自然発生的に闇市が形成され、そこに簡素な飲食店が立ち並ぶようになりました。戦後の日本では、物資の不足が深刻であり、人々は安価で手軽に飲食を楽しめる場所を求めていました。これが、のんべい横丁の原点となりました。
当初は、簡単な屋台や仮設店舗が並び、やがて固定された店舗として定着し、今ののんべい横丁の基礎が築かれました。
2. 高度経済成長期と横丁の成熟(1950年代~1970年代)
1950年代から1970年代にかけて、日本が高度経済成長を遂げる中で、のんべい横丁もその影響を受け、徐々に飲食店として成熟していきました。この時期には、居酒屋や小さなバーが次々と開店し、地元のサラリーマンや労働者にとっての憩いの場となりました。横丁の店舗は小規模ながらも個性豊かで、各店が独自のスタイルとメニューを提供していました。
3. 現代への移行と観光地化(1980年代~現在)
1980年代以降、バブル経済の崩壊や大型商業施設の進出により、のんべい横丁は一時的に衰退の危機に直面しました。しかし、横丁のレトロな雰囲気が逆に再評価されるようになり、観光地としての人気が高まっていきました。特に2000年代以降、外国人観光客や若者にとって「本物の東京」を感じられる場所として知られるようになり、再び多くの人々が訪れるようになりました。
現在でも、昔ながらの情緒を残しつつ、現代の東京の夜を楽しむことができる場所として親しまれています。
3. のんべい横丁のおすすめグルメ
ハーモニカのんべい横丁は渋谷にあるレトロな雰囲気の横丁で、多くの個性的な飲食店が集まるスポットです。ここでは、いくつかのおすすめグルメスポットを紹介します。
■ 黍 (Kibi)
「黍 (Kibi)」は、のんべい横丁の中でも特に洗練されたダイニングバーで、昭和レトロな雰囲気と現代的なおしゃれさが融合した空間が魅力です。女性店主が腕を振るう日替わりメニューが特徴で、特に冬季限定の「鰤しゃぶ」が絶品として評判です。梅干しを入れた出汁にくぐらせた鰤は、脂が乗っていて口の中でとろけるような旨味が広がります。この店は予約が推奨される人気スポットです。
■ ふじまさんち
「ふじまさんち」は、のんべい横丁で赤提灯が目印のこぢんまりとした居酒屋です。カウンター席が8席しかないこのお店は、店主との距離が近く、親しみやすい雰囲気が魅力。特に「ニラ玉」が人気メニューで、店主の父親から受け継いだ秘伝のレシピが使われています。ビールとの相性が抜群で、一度食べたら忘れられない味です。
■ ビストロ ダルブル 渋谷本店
「ビストロ ダルブル」は、カジュアルにフランス料理を楽しめるビストロです。特におすすめなのは「パテ」で、これをワインとともにゆっくりと味わうのが常連客の定番スタイルです。アットホームな雰囲気の中で、リラックスしてフレンチを楽しめるのがこの店の魅力です。
■ Curva
「Curva」は、サッカーファンに特に愛されている小さなバーで、外国人観光客にも人気があります。カウンター席5席のみの狭いスペースですが、フレンドリーなマスターとの会話や、サッカーについて熱く語れる場所として知られています。ここでは、モヒートや生姜ハイなどのカクテルも楽しめ、常連客同士の交流が盛んなのも特徴です。
さいごに
最後に、のんべい横丁は単なる飲み屋街ではなく、渋谷の歴史と文化が凝縮された特別な場所です。戦後の混沌とした時代から始まり、時代の移り変わりとともにその姿を変えながらも、昭和のノスタルジックな雰囲気を今なお保ち続けています。ここでは、肩を寄せ合いながら飲むお酒の味が、他では味わえない特別なものになります。
訪れるたびに新たな発見があり、日常の喧騒を忘れて心のリセットができる場所として、多くの人々に愛され続けています。渋谷を訪れる際には、ぜひ一度足を運んでみてください。