【東大寺×日本酒】酒蔵巡りで地酒を堪能!奈良の日本酒を満喫する旅

🕓 2025/4/8
#日本酒

千年の祈りと一献の美酒。奈良で味わう静かな贅沢

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 目次

  1. 東大寺の歴史と見どころ
  2. 東大寺のおすすめ酒蔵
  3. 東大寺周辺の日本酒おすすめセレクション
  4. 東大寺と酒蔵を巡るモデルコース

はじめに

奈良を代表する世界遺産「東大寺」。その壮麗な大仏殿や、悠久の歴史を刻む建築群は、訪れる人々に深い感動を与えます。
一方、古都奈良には長い歴史を持つ酒蔵が点在し、地元の風土と文化が育んだ個性豊かな地酒が揃っています。

本記事では、東大寺の歴史と見どころを紐解くとともに、その周辺で楽しめる酒蔵巡りやおすすめの地酒をご紹介。
奈良ならではの「歴史と味覚の融合」を堪能できる、特別な旅へとご案内します。



 

1. 東大寺の歴史と見どころ 

仏教文化と国家の祈りが息づく、日本を代表する古都の大寺院

奈良県奈良市にある東大寺は、奈良時代の745年に聖武天皇の勅願によって創建された、日本を代表する大仏と仏教の聖地です。国家の平安と疫病退散を願い、巨大な盧舎那仏(大仏)を安置するために建立されたこの寺は、以後、奈良仏教の象徴として発展してきました。

1998年には「古都奈良の文化財」としてユネスコの世界文化遺産に登録され、世界中の旅行者を魅了しています。

 1. 見どころ 1|大仏殿と盧舎那仏像

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東大寺の象徴ともいえるのが、大仏殿とその中に鎮座する盧舎那仏像です。高さ約15メートル、重さ約250トンの巨大な青銅製仏像は「奈良の大仏」として親しまれています。大仏殿自体も木造建築として世界最大級であり、堂内には仏像の鼻の穴と同じ大きさとされる柱の穴くぐりも人気です。

 

 2. 見どころ 2|南大門と金剛力士像

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寺の正門にあたる南大門は、高さ約25メートルにもおよぶ壮大な木造建築。鎌倉時代に僧・重源によって再建されたもので、門内には運慶・快慶作とされる高さ8メートルの金剛力士像(仁王像)が睨みをきかせています。その迫力と精緻な造形は、仏像彫刻の傑作として名高く、多くの人を惹きつけます。

 

 3. 見どころ 3|二月堂とお水取りの儀式

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東大寺の東側に佇む**二月堂**は、旧暦2月に行われる「修二会」、通称「お水取り」で有名なお堂です。回廊式の建築と舞台から眺める奈良市内の景色は絶景で、夕暮れ時には特に美しい光景が広がります。現在の建物は江戸時代に再建されたものですが、その静謐な雰囲気と歴史ある儀式は今も人々の心を打ちます。

 

 4. 見どころ 4|法華堂(三月堂)と仏像群

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東大寺の中でも最も古い建物のひとつ、**法華堂**は、8世紀に創建された仏堂です。「三月堂」とも呼ばれ、内部には国宝級の仏像が数多く安置されています。特に、不空羂索観音菩薩立像や執金剛神像など、奈良時代の仏教彫刻の粋を今に伝える空間は、仏教芸術ファンにはたまらないスポットです。

 

 5. 見どころ 5|鏡池と大仏殿の水鏡風景

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大仏殿の正面に広がる**鏡池**は、その名の通り、水面に大仏殿が映し出される絶景スポットです。特に風のない穏やかな日には、堂々とした大仏殿の姿が鏡のように池に映り、幻想的な景観を生み出します。写真映えも抜群で、参拝後のひと休みにもおすすめの場所です。

 

【 東大寺の基本情報 】

項目 内容
所在地 奈良県奈良市雑司町406-1
アクセス 近鉄奈良駅から徒歩約20分/JR奈良駅からバス約10分+徒歩5分
拝観時間 8:00〜17:00(季節により変動あり)
拝観料 大人600円、中高生600円、小学生300円(大仏殿・法華堂・戒壇堂共通券)
バリアフリー対応 一部対応あり(舗装道やスロープ完備。二月堂など階段多い箇所もあり)

 

 

 

 



2. 東大寺周辺のおすすめ酒蔵 

東大寺が位置する奈良市周辺は、日本酒の発祥地とされるほど、古くから酒造文化が根づいている地域です。特に東大寺の南側に広がる「ならまち」エリアには、歴史ある酒蔵や地酒の専門店が点在しており、寺院参拝のあとの立ち寄りスポットとしても人気を集めています。

ここでは、東大寺からアクセスしやすい奈良のおすすめ酒蔵をピックアップし、それぞれの酒造りの特色や楽しみ方をご紹介します。

 1. 今西清兵衛商店|伝統と革新が調和する超辛口の名門蔵

bg01出典:https://harushika.com

明治17年(1884年)創業、奈良町の中心に位置する今西清兵衛商店は、奈良を代表する銘柄「春鹿(はるしか)」で知られる酒蔵です。「南都諸白」と呼ばれる奈良伝統の製法を受け継ぎながら、キレのある超辛口の酒を中心に展開。とくに「春鹿 超辛口」は、国内外の日本酒ファンに絶大な人気を誇ります。

酒蔵内では、5種類の日本酒を試飲できる有料テイスティング体験が可能で、観光客にも好評。奈良漬や甘酒ソフトクリームなども販売されており、観光と味覚体験を一度に楽しめます。

項目 内容
正式名称 株式会社 今西清兵衛商店
創業年 1884年(明治17年)
主な銘柄 春鹿(超辛口、純米吟醸、にごり酒 など)
特徴 「南都諸白」の伝統を継承。超辛口が人気。
見学 試飲体験あり(5種・有料500円/予約不要)
試飲 可(春鹿製品から季節限定酒まで)
直売所 あり(酒蔵併設の売店)
アクセス 近鉄奈良駅から徒歩約15分、東大寺から徒歩約10分

 

 2. 奈良豊澤酒造|寺社とのつながりが深い老舗酒蔵

unnamed-Apr-07-2025-06-33-03-8507-AM出典:http://www.nara-toyosawa.jp/

明治元年(1868年)創業の奈良豊澤酒造は、東大寺や春日大社に御神酒を奉納してきた歴史を持つ老舗。代表銘柄「豊祝(ほうしゅく)」は、柔らかくふくよかな味わいが特徴で、奈良の風土に根差した酒造りを今も続けています。

近鉄奈良駅構内には直営の売店と利き酒コーナーもあり、旅の途中に気軽に立ち寄って地酒を楽しめます。

項目 内容
正式名称 奈良豊澤酒造株式会社
創業年 1868年(明治元年)
主な銘柄 豊祝、義助 など
特徴 寺社への奉納の歴史あり。ふくよかで飲みやすい味わい。
見学 現地見学は要問合せ/駅構内で試飲可
試飲 近鉄奈良駅売店で可能
直売所 あり(駅売店および本社にて販売)
アクセス 近鉄奈良駅構内(本社は駅から車で約10分)

 

 3. 奈良春日山酒蔵|春日大社の神水が育むクラフト日本酒

kv_02出典:https://narakasugayama-shuzo.co.jp

奈良春日山酒蔵は、春日大社の神域に湧き出る清水を仕込み水に使用する、小規模でこだわりの強い酒蔵です。元々は江戸時代から続く八木酒造が母体で、「升平(しょうへい)」などの銘柄を展開。

蔵見学は休止中ですが、酒の試飲・販売は継続中。春日大社や東大寺からのアクセスもよく、歴史と自然の恵みに包まれた日本酒体験ができます。

項目 内容
正式名称 奈良春日山酒蔵(旧・八木酒造)
創業年 江戸時代(創業年不詳)
主な銘柄 升平 など
特徴 春日大社の神水を使用。少量生産の手づくり酒にこだわる。
見学 現在休止中(今後再開の可能性あり)
試飲 可(販売店・イベントスペースにて)
直売所 あり(蔵内およびオンライン)
アクセス 東大寺・春日大社から徒歩約10〜15分

 

 

 

 



3. 東大寺周辺の日本酒おすすめセレクション 

奈良の歴史ある酒蔵が手がける地酒は、その土地の風土と文化を反映した奥深い味わいが魅力です。ここでは、東大寺周辺で楽しめる代表的な銘酒を、「味わい」「飲み方」「料理との相性」などの切り口で紹介します。観光の合間の一杯や、お土産選びにもおすすめのセレクションです。

 1. 春鹿 超辛口|今西清兵衛商店

奈良を代表する銘柄「春鹿」の中でも、特に人気の「超辛口」は、キレのあるドライな飲み口と、まろやかな旨味のバランスが絶妙な一本。日本酒ビギナーにも飲みやすく、魚料理や天ぷらとの相性が良好です。ならまちの蔵元で試飲体験も可能。

項目 内容
蔵元 今西清兵衛商店(春鹿)
種別 特別本醸造・超辛口
味わい シャープでクリアな辛口、ほんのり旨味が広がる
飲み方 冷酒または常温
相性料理 天ぷら、焼き魚、奈良漬けなど

 

 2. 豊祝 純米酒|奈良豊澤酒造

「豊祝」は、ふくよかで優しい味わいが特徴の純米酒。どこかほっとする米の旨味があり、和食全般と好相性。奈良駅構内の店舗で気軽に購入・試飲できるのも嬉しいポイントです。

項目 内容
蔵元 奈良豊澤酒造(豊祝)
種別 純米酒
味わい 柔らかくまろやか。旨味主体で飲み飽きない
飲み方 常温〜ぬる燗
相性料理 肉じゃが、煮物、出汁の効いた料理全般

 

 3. 升平 純米吟醸|奈良春日山酒蔵

春日大社の神水を使ったクラフト日本酒「升平」は、透明感のあるすっきりとした味わいと上品な香りが特徴。少量生産で丁寧に醸されており、食事との相性も抜群。奈良町の蔵やセレクト酒店で購入可能。

項目 内容
蔵元 奈良春日山酒蔵(升平)
種別 純米吟醸
味わい フルーティーで爽やか、スムーズな口当たり
飲み方 冷酒〜常温
相性料理 白身魚の昆布締め、冷奴、柿の葉寿司など

 

【補足|どこで飲める?買える?】

店舗名 特徴 所在地/アクセス
今西清兵衛商店 酒蔵見学&試飲(有料)可能。超辛口が人気 東大寺から徒歩約10分(奈良町エリア)
豊祝 近鉄奈良駅売店 試飲・販売あり。駅構内なのでアクセス至便 近鉄奈良駅構内
なら泉勇斎 奈良県内の地酒が120種以上。有料試飲あり 東大寺から徒歩約15分(ならまち商店街内)
蔵元直売店(各蔵) 各酒蔵併設の直売スペースで購入・一部試飲可能 各酒蔵(徒歩圏またはタクシー利用が便利)
 
 

 

 

 



4. 東大寺と酒蔵巡りのモデルコース 

古都奈良の象徴・東大寺を中心に、その周辺に点在する酒蔵や地酒スポットを巡るモデルコースをご紹介します。徒歩や公共交通機関を活用しながら、「歴史・文化・味覚」が織りなす奈良ならではの一日旅をお楽しみください。

 ①|歴史探訪と蔵元見学を両立するスタンダードコース

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🕒 所要時間:約6〜7時間|🧭 難易度:★☆☆|🍶 試飲数の目安:2ヶ所

東大寺や南大門、二月堂など奈良の歴史的な建築美を堪能した後、徒歩圏内にある今西清兵衛商店(春鹿)を訪れ、試飲と蔵元直販の日本酒を楽しむ王道プラン。最後はならまち散策で、お土産探しにもぴったりの充実コースです。

時間帯 行程 内容
9:00〜12:00 東大寺参拝&境内散策 大仏殿、南大門、二月堂などを見学。境内の広さに合わせてゆったり巡る。
12:00〜13:00 昼食(奈良町周辺) 「粟 ならまち店」などで奈良の郷土料理と地酒のペアリングランチを堪能。
13:00〜14:30 今西清兵衛商店を訪問 酒蔵見学(要予約)や試飲を体験。代表銘柄「春鹿」を味わいながら酒造りの奥深さに触れる。
14:30〜16:00 ならまち散策&買い物 「なら泉勇斎」などで地酒を試飲しつつ、お土産探し。町屋の風情ある街並みを楽しめる。

 

 ②|利き酒重視!奈良の酒文化を深掘りするハシゴ旅コース

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🕒 所要時間:約7〜8時間|🧭 難易度:★★☆|🍶 試飲数の目安:3〜4ヶ所

東大寺の参拝後、奈良町エリアに点在する複数の酒蔵や地酒専門店を巡る、日本酒好き向けのディープな体験コースです。各スポットで試飲しながら、奈良ならではの味わいを比較して楽しめます。

時間帯 行程 内容
9:00〜11:30 東大寺観光+ミュージアム訪問 大仏殿・南大門・法華堂を中心に効率よく回り、東大寺ミュージアムで仏教美術にも触れる。
11:30〜12:30 昼食(ならまち) 「うゐの奥山」など地元の日本酒が楽しめる和食店で昼食。
13:00〜14:00 奈良豊澤酒造(豊祝)訪問 近鉄奈良駅直結の売店で豊祝を試飲・購入。時間に余裕があれば蔵の見学も。
14:00〜15:00 奈良春日山酒蔵を見学 春日山の湧水を使った銘酒「升平」を製造する蔵を訪問。季節限定の酒に出会えることも。
15:00〜16:00 なら泉勇斎で総まとめ試飲 奈良県内の酒蔵から集められた120種類以上の地酒を試飲し、気に入った一本をお土産に。

 

 ③|気軽に楽しむ地酒のある街歩きコース

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🕒 所要時間:約5〜6時間|🧭 難易度:★☆☆|🍶 試飲数の目安:2〜3ヶ所

徒歩圏で東大寺と地酒を味わえる、のんびりとした観光+地酒体験プラン。アクセスや時間に制約のある方や観光初心者にもおすすめの、ゆるやかな奈良時間を満喫できるコースです。

時間帯 行程 内容
9:00〜12:00 東大寺&境内ゆったり巡り 朝の静かな時間に大仏殿や回廊を巡る。二月堂からの眺望もおすすめ。
12:00〜13:00 昼食(奈良町) 「蔵武D」などで日本酒と洋食の組み合わせを堪能。
13:00〜14:00 酒と器 久保田で試飲 奈良の酒と酒器を扱う店で地酒を飲み比べ。気に入った器も購入可能。
14:00〜15:00 カフェ or 再度地酒を楽しむ 「なら泉勇斎」で気になる銘柄を追加で試飲、カフェで甘味と地酒のマリアージュを楽しむ。

 

【モデルコース早見表(比較)】

コース名 特徴 試飲数の目安 滞在時間 移動の多さ
東大寺と酒蔵訪問をバランスよく満喫 2ヶ所 約6〜7時間 少なめ(徒歩中心)
酒蔵を巡って利き酒重視の飲み比べ体験 3〜4ヶ所 約7〜8時間 中程度(公共交通)
徒歩圏でのんびりとした街歩き&試飲 2〜3ヶ所 約5〜6時間 ほぼ徒歩圏内
 

 

 

 



 さいごに 

東大寺の壮大な歴史に触れたあとは、奈良が誇る酒蔵や地酒にじっくりと向き合ってみてはいかがでしょうか。
神聖な空気に包まれた寺社と、職人たちが丹精込めて醸す日本酒には、どちらも「時を超える価値」が宿っています。

一日の旅で奈良の深さと奥行きに触れられる――そんな体験が、ここにはあります。
ぜひ、歴史と味わいが織りなす東大寺×地酒の旅を楽しんでみてください。