🕓 2025/5/26
#グルメ

目次
宮崎県のグルメについて
宮崎県は、九州の東岸に位置し、日向灘の豊かな海と、霧島連山や尾鈴山地を擁する緑豊かな山々に囲まれた土地です。温暖な気候と豊富な日照時間は農業や畜産業に最適であり、沿岸部では黒潮が運ぶ新鮮な魚介類が水揚げされます。また、肥沃な大地ではブランド地鶏や和牛、農作物が育ち、畜産文化・農耕文化・漁師文化が調和して、多彩な郷土料理が育まれてきました。
なかでも「地鶏の炭火焼き」「チキン南蛮」「釜揚げうどん」は、宮崎を代表するグルメとして県民に深く愛され、訪れる人々の舌をも魅了しています。宮崎を訪れた際にはぜひこれらの料理を堪能し、温暖な気候と豊かな自然が生み出す宮崎ならではの美味なる食文化に触れてみてください。
宮崎県の厳選グルメ3選
1. 地鶏の炭火焼き
出展:https://www.miyazaki-city.tourism.or.jp/
● 地鶏の炭火焼きの魅力
地鶏の炭火焼きの魅力は、まずその五感を刺激する体験にあります。目の前で豪快に炎を上げて焼かれる鶏肉、パチパチと爆ぜる炭の音、そして何よりも、あたり一面に広がる炭の薫り。これらが一体となり、期待感を高めます。
主役となるのは、宮崎が誇る「みやざき地頭鶏」をはじめとする地鶏です。一般的な若鶏とは異なり、しっかりとした歯ごたえと、噛むほどに広がる鶏本来の濃厚な旨味が特徴です 。この上質な地鶏を、高温の炭火で一気に焼き上げることで、鶏の表面は香ばしく、内部には旨味と肉汁が凝縮されます。炭火ならではの燻されたような独特の香りは、まさに絶品と言えるでしょう。
そして、この料理を特徴づけるのが、その黒々とした見た目です。これは決して焦げているわけではなく、強火の炭火で焼き上げる過程で、鶏自身の脂が炭に落ちて炎が上がり、その炎と煙で鶏肉が燻されることで生まれる、計算された「黒さ」なのです 。
● 地鶏の炭火焼きの歴史
宮崎の地鶏炭火焼きの歴史は、宮崎のブランド鶏「みやざき地頭鶏」の誕生と深く結びついています。その祖先である「地頭鶏(じとっこ)」は、旧島津藩領(現在の宮崎県や鹿児島県の一部)で古くから飼育され、その美味しさから当時の地頭職に献上されていたという記録が残るほど、価値の高い鶏でした 。
しかし、この地頭鶏は国の天然記念物に指定されたため、食用としての利用は難しくなりました。そこで宮崎県は、この地頭鶏を新たな宮崎ブランドとして確立すべく、長年にわたる研究と交配を重ねました 。その結果、1991年に初代「みやざき地鶏」が誕生し、さらなる改良を経て現在の「みやざき地頭鶏」が完成したのです 。
● 地鶏の炭火焼きを食べるならココ! !
- 店名:丸万焼鳥 本店
- 魅力:
宮崎で地鶏の炭火焼きを語る上で、その名を避けて通れないのが「丸万焼鳥 本店」です。創業は昭和29年(1954年)とされ、「鶏もも炭火焼の元祖」とも称されるこの店は、地元民から絶大な支持を受けつつ、観光客の舌をも掴んで離さない超人気店です。
メニューは潔く、看板料理の「もも焼き」と「鶏たたき」が中心 。この絞り込まれた品揃えは、料理への絶対的な自信の表れと言えるでしょう。名物の「もも焼き」は、焼き加減(レアが人気)や、骨付きのままか、食べやすくカットされた「バラシ」かを選ぶことができます 。一口頬張れば、プリッとした弾力のある歯応えと共に、鶏の濃厚な旨味がジュワッと溢れ出し、炭の香りが鼻腔を駆け抜けます 。シンプルな塩味が素材の力を最大限に引き立て、添えられた柚子胡椒やガーリック塩で味に変化をつけるのも一興です。 - 住所:宮崎県宮崎市橘通西3-6-7
- アクセス:宮崎駅から徒歩約20分 (宮崎駅から971m)
- グーグルマップ:https://maps.app.goo.gl/dNt5x8C8vRfDdoVW8
2. チキン南蛮
出展:https://kumamoto.guide/spots/detail/9037
● チキン南蛮の魅力
チキン南蛮の魅力は、その味と食感のコントラストにあります。サクッと揚げられた鶏肉に、甘酸っぱい特製の「甘酢」がジュワッと染み込み、その上からたっぷりと自家製タルタルソースがかけられます。鶏肉の香ばしさと柔らかさ、衣のサクサク感、甘酢の酸味と甘み、そしてタルタルソースのクリーミーなコクとまろやかさ。これらが口の中で一体となり、複雑で奥深い味わいを生み出します。
チキン南蛮には、大きく分けて二つの系統が存在します 。一つは、タルタルソースをたっぷりとかけて味わう、現在最も広く知られているスタイル。もう一つは、タルタルソースを用いず、甘酢ダレだけでシンプルに鶏肉の味を堪能するスタイルで、これは発祥の店の一つ「直ちゃん」のスタイルとして知られています。また、各飲食店が独自のタルタルソースを開発したり、「チキン南蛮カレー」のような進化系のメニューが登場したりと、そのバリエーションは広がり続けています 。
● チキン南蛮の歴史
チキン南蛮発祥の地は、宮崎県延岡市とされています 。その歴史は昭和30年代、延岡市内にあった洋食店「ロンドン」の賄い料理として誕生した「鶏から揚げ甘酢漬け」に始まります 。
この「ロンドン」で修行していたのが、「おぐら」の創業者である甲斐義光氏と、「直ちゃん」の先代店主でした 。「直ちゃん」は、この「ロンドン」の賄い料理のスタイル、つまり揚げた鶏むね肉を甘酢にくぐらせたものを、現在も忠実に守り続けています 。一方、甲斐義光氏が昭和31年に創業した「おぐら」では、この甘酢漬けの鶏肉に、さらにタルタルソースをかけるという独創的なアイデアを加えました 。
「南蛮」という名前の由来は、前述の通り戦国時代に来日したポルトガル人やその文化を指す言葉にあります。彼らがもたらした食文化の一つに、唐辛子入りの甘酢に食材を漬け込む「南蛮漬け」があり、これに鶏肉を用いたことから「チキン南蛮」と呼ばれるようになったと言われています。
●チキン南蛮を食べるならココ! !
- 店名:味のおぐら 本店
- 魅力:
タルタルソースをかけたチキン南蛮の元祖として、その名を全国に轟かせているのが「味のおぐら 本店」です。1956年創業の老舗洋食店であり、「食べログ 洋食 百名店」にも選出されるなど、その実力は折り紙付き 。宮崎でチキン南蛮を味わうなら、まず訪れるべき一軒と言えるでしょう。
店の佇まいは、昭和の雰囲気を色濃く残すレトロな洋食屋といった風情 。細い路地にありながら、その人気ぶりは絶大で、食事時には店の外まで行列ができることも珍しくありません 。 - 住所:宮崎県宮崎市橘通東3-4-24
- アクセス:R宮崎駅西口より徒歩約15分
- グーグルマップ:https://maps.app.goo.gl/5c9EufiBkJPp1aTF7
3. 釜揚げうどん
● 釜揚げうどんの魅力
釜揚げうどんの魅力は、その究極のシンプルさにあります。茹で上がったばかりの熱々のうどんを、茹で汁である「釜湯」ごと器に盛り、温かいつけ汁で味わう。ただそれだけなのに、そこには奥深い美味しさが凝縮されています。
主役は何と言っても麺。多くの店が自家製麺にこだわり、店ごとに「コシのあるもちもち太麺」や「つるりとした食感の細麺・平麺」など、個性豊かな麺を提供しています 。茹でたてだからこそ楽しめる、小麦本来の豊かな風味と甘みは、釜揚げうどんならではの醍醐味です 。
そして、麺の味を決定づけるのが「つけ汁」。昆布やいりこ、椎茸、鰹節、鯖節など、様々な素材から丁寧に取った出汁に、醤油やみりんを合わせたもので、各店が秘伝のレシピを持っています 。ほんのり甘めの優しい味わいのものから、すっきりとしたキレのあるものまで、その個性は多岐にわたります。
● 釜揚げうどんの歴史
うどんは日本全国で食されていますが、釜揚げうどんがこれほどまでに宮崎の地で愛され、独自の「〆文化」を形成するに至った背景には、興味深い物語があります。
宮崎市における釜揚げうどんの発祥の店として広く認識されているのが、1966年創業の老舗「重乃井」です 。そして、宮崎で釜揚げうどんが広まった理由として特筆すべきは、「重乃井」の創業者である伊豫正氏の妻、美津子さんが香川県の出身であったという事実です 。
香川県といえば、言わずと知れた讃岐うどんの本場であり、釜揚げうどんは讃岐うどんの伝統的な食べ方の一つ。この個人的な繋がりが、遠く離れた宮崎の地に新たな食文化の種を蒔いたのです。
● 釜揚げうどんを食べるならココ! !
- 店名:重乃井
- 魅力:
宮崎で釜揚げうどんを味わうならば、その発祥の店であり、今なお絶大な人気を誇る「重乃井」は外せません 。1966年の創業以来、半世紀以上にわたり宮崎のうどん文化を牽引してきたこの店は、地元民はもちろん、プロ野球の長嶋茂雄氏をはじめとする多くの著名人にも愛されてきました 。
店の扉を開けると、そこには長年使い込まれた風格と、客の活気が満ちています。壁には訪れた有名人のサイン色紙が所狭しと飾られ、その歴史と人気を物語っています 。
「重乃井」の釜揚げうどんは、まず麺へのこだわりが際立っています。二代目店主が前夜から2時間かけて足踏みで生地を練り、それを延ばして手切りするという、昔ながらの製法を守り続けています 。こうして作られるうどんは、やや細めで、つるりとした喉越しと程よいコシが特徴です。 - 住所:宮崎県宮崎市川原町8-19
- アクセス:JR宮崎駅(西口)より徒歩18分
- グーグルマップ:https://maps.app.goo.gl/1UVe1asGq17gQPkr7