天龍寺について|歴史や概要を詳しく解説

🕓 2024/7/28
#文化

天龍寺の歴史や概要を詳しく解説

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 目次

  1. 天龍寺の概要
  2. 天龍寺の歴史
  3. 天龍寺の見どころ


はじめに

天龍寺(てんりゅうじ)は、京都嵐山の美しい景観に囲まれた、臨済宗天龍寺派の大本山です。この寺院は1339年、足利尊氏によって建立され、後醍醐天皇の冥福を祈るために設立されました。

天龍寺は、世界遺産「古都京都の文化財」として1994年にユネスコに登録され、その美しい曹源池庭園は日本で最初に史跡・特別名勝に指定されました。この記事では、天龍寺の歴史と見どころについて詳しく紹介します。

 

 

1. 天龍寺の概要 

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天龍寺(てんりゅうじ)は、京都市嵐山に位置する臨済宗天龍寺派の大本山であり、嵯峨天皇を祀るために1339年に足利尊氏によって建立されました。この寺院は、特にその庭園である「曹源池庭園(そうげんちていえん)」で有名です。この庭園は、日本で初めて史跡・特別名勝に指定され、紅葉の季節には特に美しい景観を楽しむことができます。

この寺院は、後醍醐天皇の冥福を祈るために建てられ、その名は後醍醐天皇の死後に夢に現れた龍が天に昇る姿に由来しています。天龍寺は、禅宗の五山制度において「京都五山」の第一位に位置付けられる格式高い禅寺であり、日本の禅宗文化において重要な役割を果たしてきました。

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「京都五山」の第一位に位置付けられる格式高い禅寺であり、その歴史と文化的価値から1994年に「古都京都の文化財」としてユネスコの世界遺産に登録されました。寺院の中心にある曹源池庭園は、夢窓疎石によって設計されたもので、池泉回遊式庭園としての美しさを誇ります。庭園内には、四季折々の自然が楽しめる他、周囲の嵐山の景色が庭園の一部として取り入れられています​。

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建物は度々火災に見舞われ、現在の建物は主に明治時代(1868-1912年)に再建されたものです。しかし、庭園は14世紀に作られたオリジナルの形で残されており、その歴史的価値は非常に高いです。天龍寺では、禅宗の教えに基づいた瞑想や修行が行われ、訪問者は禅の精神を体感することができます。

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天龍寺へのアクセスは、京都駅からJR嵯峨嵐山駅までの電車で約16分、そこから徒歩13分ほどで到着します。また、嵐山駅からも近く、観光に訪れるには便利な立地です。

 

 

 

 

2. 天龍寺の歴史 

天龍寺は、その創建から現在に至るまで多くの重要な出来事を経験してきました。以下に、主要な出来事を時系列で紹介します。

 ■ 創建と背景 (1339年)unnamed

天龍寺は1339年に足利尊氏によって建立されました。これは、後醍醐天皇の冥福を祈るために設立され、足利尊氏の弟である足利直義が「金龍が天に昇る夢」を見たことから「天龍寺」と名付けられました。当初は「龍興寺」と呼ばれていましたが、直義の夢に基づき「天龍寺」と改称されました。天龍寺の創建資金は、中国との貿易によって得た収益で賄われ、「天龍寺船」として知られる商船がその一環として運行されました​ 。天龍寺の初代住職には有名な禅僧、夢窓疎石が任命されました。

 

 ■ 発展と影響 (14世紀)

天龍寺は京都五山の一つとして重要な地位を占めており、1386年には五山の第一位に昇格しました。この時期には、夢窓疎石が庭園設計を行い、「曹源池庭園」が完成しました。この庭園は、日本で最初の「特別名勝」に指定され、その美しさは現在も保たれています。天龍寺は文化的な中心地としても栄え、京都の禅宗文化に大きな影響を与えました。

 

 ■ 火災と再建 (15世紀~19世紀)

天龍寺は、長い歴史の中で何度も火災に見舞われました。最初の大規模な火災は1358年に発生し、その後も1467年から1477年の応仁の乱や18世紀初頭の火災など、多くの再建が繰り返されました。特に1467年からの応仁の乱では、天龍寺を含む多くの京都の寺院が大きな被害を受けました。

その後、豊臣秀吉の支援を受けて1590年に再建が進められましたが、火災は続き、江戸時代にも数回の火災に見舞われました。1815年の火災ではほぼ全ての建物が焼失し、その後、1864年にも再び火災が発生しました。現在の建物の多くは、これらの火災後に再建されたものです。

 

 ■ 近代の保存活動 (20世紀~現代)

天龍寺は、1994年にユネスコの世界遺産「古都京都の文化財」として登録され、国際的な文化財としての地位を確立しました。現在も多くの文化財や庭園が保存されており、特に曹源池庭園はその美しさから特別名勝に指定されています。

この庭園は、創建当時の姿を今に伝えるものであり、夢窓疎石によって設計されました。また、現代においても禅宗の修行や瞑想の場として機能しており、多くの参拝者や観光客が訪れています。

 

 

 

 

3. 天龍寺の見どころ 

天龍寺は、京都嵐山地区に位置する重要な禅寺で、その見どころは多岐にわたります。以下は、天龍寺で特に注目すべきスポットです。

 ■ 曹源池庭園弁天堂 (2)-Jul-27-2024-07-40-34-7561-AM

曹源池庭園は、天龍寺の主要な見どころの一つで、700年以上の歴史を持つ日本庭園です。この庭園は夢窓疎石(Muso Soseki)によって設計され、建設されました。池泉回遊式庭園であり、池の周囲を散策することで、さまざまな視点から庭園の美しさを楽しむことができます。庭園の中心には大きな池があり、その周囲には石や松の木が巧妙に配置されています。特に、池を背にした嵐山の景色が庭園に取り込まれ、四季折々の変化する風景が訪れる者を魅了します。

庭園には、日本最初の「特別名勝」としての指定を受けたことでも知られており、その美しさと歴史的価値は高く評価されています。秋には紅葉、春には桜が咲き誇り、訪れる人々に四季折々の自然美を楽しむ機会を提供しています。この庭園は、ただ眺めるだけでなく、禅の教えに基づく静寂と調和の場としても重要視されています。

 

 ■ 雲龍図スクリーンショット 2024-07-27 16.36.37

雲龍図は天龍寺の法堂の天井に描かれた巨大な龍の絵で、「どこから見てもこちらを見ている龍」として知られています。この絵は、1997年に加山又造よって描かれ、天龍寺の創建者である夢窓疎石の650年記念として制作されました。天井に描かれた雲龍図は、直径9メートルにわたる大規模なもので、訪れる者に深い印象を与えます。

雲龍図は、週末や特定の祝日に公開されており、その迫力を間近で体感することができます。この絵の描かれた法堂は、禅宗の教えを伝えるための重要な場としても機能しており、禅の修行や瞑想が行われることもあります。

 

 ■ 書院と庫裏スクリーンショット 2024-07-27 16.27.43

書院と庫裏は天龍寺の主要な建物で、特に書院は僧侶たちの居住や学問の場として使われてきました。書院は「大方丈」と「小方丈」の二つに分かれており、大方丈は1899年に、小方丈は1924年に完成しました。大方丈は、主に儀式や大規模な行事に使用される広い建物で、正面には中門を向く広い縁側があり、背面には曹源池庭園を望む窓が設けられています。内部は伝統的な方丈建築様式で、釈迦像が祭られた中央部を中心に六つのセクションに分かれています。

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庫裏は禅寺の台所としての機能を果たしており、食事の準備や寺の経済活動の中心として重要な役割を果たしています。庫裏には「達磨図」と呼ばれる禅の開祖・達磨大師を描いた絵が飾られており、禅の教えに触れることができます。また、庫裏は訪問者に対しても開放されており、その建築や内部の装飾は訪れる人々に禅の精神を伝える貴重な体験を提供しています。

 

 ■ 天龍寺の年間行事スクリーンショット 2024-07-27 16.34.15

天龍寺では、年間を通じてさまざまな仏教行事が行われており、それぞれが独自の意味と歴史を持っています。新年を迎える「正月の茶会」では、初詣の参拝者が多く訪れ、新しい年の平和と繁栄を祈ります。2月3日には「節分会」が行われ、厄除けのために豆まきが実施されます。3月15日には「涅槃会」が行われ、釈迦の入滅を記念して、その教えを再確認する場となっています。

4月8日には「花祭り」が開催され、釈迦の誕生日を祝います。この行事では、花で飾られた祭壇に甘茶をかける儀式が特徴です。8月には「盂蘭盆会」が行われ、先祖供養として灯籠流しが行われ、亡くなった先祖の霊を供養します。10月の「達磨忌」では、禅の開祖達磨大師を記念し、その教えと精神を再確認する法要が行われます。最後に、12月8日の「成道会」では、釈迦が悟りを開いた日を記念し、悟りの道の重要性を強調する法要が行われます。

 

 

 

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 さいごに 

天龍寺は、その歴史的背景と美しい庭園、そして豊富な文化遺産によって、京都の観光地としてだけでなく、仏教文化と禅の精神を学ぶ場所としても非常に重要な役割を果たしています。曹源池庭園をはじめとする庭園の美しさや、雲龍図、書院と庫裏などの見どころは、訪れる人々に深い感動を与えます。

京都を訪れた際には、ぜひ天龍寺に足を運び、その豊かな歴史と文化を体験してみてください。