オリジナル掛け軸の作り方記事|制作体験やOEM注文など

🕓 2025/1/12
#文化

制作方法やオリジナルの作り方を詳しく解説

 
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 目次
  1. 掛け軸とは
  2. 掛け軸の構造と材料
  3. 掛け軸の制作工程
  4. 掛け軸の制作体験
  5. OEM注文での掛け軸制作

 

はじめに

掛け軸は、日本の伝統的な室内装飾品であり、その美しさと文化的な意義は今なお多くの人々に愛されています。本記事では、掛け軸の基本的な説明から、その構造や材料、制作工程、そしてオリジナル掛け軸の制作体験やOEM注文について詳しく紹介します。

本記事では、掛け軸の構造や制作に必要な材料、制作工程を詳しく説明し、初心者でも理解しやすい内容となっています。日本の美意識や文化を象徴する掛け軸について、この機会に深く知り、理解を深めていただければ幸いです。

※画像に関してはあくまでもイメージになります



 

1. 掛け軸とは

掛け軸は、日本の伝統的な室内装飾品であり、書や絵画を布や紙で表装したものです。主に床の間に掛けられ、季節や行事、来客に合わせて取り替えることで、室内の雰囲気を演出します。

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その起源は飛鳥時代に遡り、仏教の伝来とともに仏画として日本に伝わりました。鎌倉時代以降、水墨画の流行や茶道の発展に伴い、芸術作品としての掛け軸が広く普及しました。掛け軸は、上部の「天」、下部の「地」、中央の「本紙」など、各部位に名称があり、それぞれが象徴的な意味を持っています

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また、表装の様式や使用される布地の種類によって、多様なデザインが存在します。現代においても、掛け軸は日本の美意識や伝統を象徴するものとして、茶室や和室の装飾に欠かせない存在であり、季節の移ろいや心情を表現する手段として愛用されています

 

 

 

 


2. 掛け軸の構造と材料 

掛け軸は、書や絵を布や紙で表装し、鑑賞するために作られた日本の伝統的な装飾品です。掛け軸の構造は、主に以下の部分から構成されています。

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 ■ 本紙 
本紙は掛け軸の中心部分で、書や絵が描かれた紙や絹の部分を指します。これは掛け軸の主役となる部分であり、書道の場合は墨で書かれた漢詩や俳句、格言などがここに含まれます。本紙の素材には、特に高品質な和紙や絹が用いられることが多く、これにより作品の寿命や美しさが保たれます。


 ■ 天地 
天地は本紙の上下に付けられる布や紙の部分で、作品を保護し、見栄えを良くするために使用されます。上部を「天」、下部を「地」と呼びます。天地の色や柄は、本紙の内容に合わせて選ばれ、全体の調和を図る役割を果たします。特に天と地のバランスは、掛け軸全体の美しさを決定する重要な要素です。


 ■ 中廻し 
中廻しは、本紙の左右上下を取り囲むように付けられる布や紙の部分です。これは装飾としての役割を果たし、作品を際立たせる効果があります。中廻しには、作品の雰囲気やテーマに合わせた色や柄が選ばれ、全体の美的バランスを整える重要な要素となります​。


 ■ 風帯 

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風帯は掛け軸の上部から垂れ下がる細長い布のことで、元々は風から本紙を守るために使われましたが、現在では装飾の一部として重要な役割を果たしています。風帯は、掛け軸のデザインに動きとアクセントを加えるため、色や柄の選択が重要です。


 ■ 一文字 
一文字は、本紙の上下にある幅の狭い布の部分で、装飾的な役割を果たします。特に豪華な装飾が施されることが多く、掛け軸全体の格式を高める役割があります。一文字の素材や色は、掛け軸のテーマやシーンに合わせて慎重に選ばれます​。


 ■ 軸先 

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軸先は、掛け軸の下部両端にある木や竹などの部分で、掛け軸を巻きやすくするためのものです。軸先は、掛け軸を保管する際に重要な役割を果たし、また装飾的な要素としてもデザインされています。伝統的な軸先には、象牙や漆などの高価な素材が使われることもあります​​。

 

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3. 掛け軸の制作工程 

掛掛け軸の制作は、繊細な作業と高い技術を要する伝統的なプロセスです。以下に、掛け軸の一般的な制作工程を詳しく紹介します。


 1. デザインと本紙の準備 

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掛け軸の制作において、最初に重要なのは本紙の準備です。本紙の素材には主に絹と和紙が使用されます。絹本(けんぽん)は、滑らかな質感と光沢が特徴であり、高級感のある仕上がりになります。和紙は、温かみのある風合いと耐久性が特徴で、特に手漉き和紙は高品質とされています。

本紙に描かれる書画は、墨や絵具を使用して制作されます。墨は、書道作品や水墨画に適しており、その濃淡や線の美しさが作品の魅力を引き立てます。絵具は、彩り豊かな絵画作品に使用され、日本画や現代アートの掛け軸にも用いられます​。


 2. 本紙の裏打ち

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本紙を裏打ち紙と呼ばれる薄い紙で補強する工程は、掛け軸の制作において非常に重要です。この裏打ち作業により、掛け軸の耐久性が向上し、巻きやすくなります。裏打ちは、本紙の補強とシワやたるみを防ぐために行われます。特に、和紙や絹で作られた本紙は湿気や乾燥により変形しやすいため、裏打ちにより安定させることが必要です。また、裏打ちを行うことで本紙が巻きやすくなり、保管時のダメージを防ぐ効果もあります​。


 3. 裂地の選定と裁断 

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裂地の選定と裁断は、掛け軸の美しさを引き立てる重要な要素です。裂地にはさまざまな種類があり、その選定と裁断は非常に重要です。まず、裂地の選定では、金襴や緞子、無地などが主に使用されます。金襴は綾織や繻子織の組織に金箔や銀箔を織り込んだ豪華な布で、格式の高い掛け軸に使われます。一方、緞子は経糸と緯糸を使い分けて文様を表現した織物で、伝統的な文様が多く用いられます。また、無地は文様を持たない裂地で、シンプルな美しさを引き立てます。

裂地の文様には、有職文様や吉祥文様、植物文様などがあります。有職文様は平安時代以来の伝統的な文様で、公家の装束などに使用されました。吉祥文様は幸運や長寿を祈願する意味を持つ文様で、鶴亀や宝尽しなどがあります。植物文様には、唐草や牡丹、菊などがあり、季節感や自然美を表現します。


 4. 本紙と裂地の接合 

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「本紙と裂地の接合」とは、掛け軸の中心部分である本紙(絵や書)と、その周囲を装飾する裂地(布地)をつなぎ合わせる工程を指します。この工程は、掛け軸の全体的な美しさや耐久性を左右する非常に重要な作業です。職人は、糊を使いながら慎重に両者を接合し、隙間や歪みが生じないよう細心の注意を払います。また、接合部分の見栄えも考慮しながら、美しい仕上がりを追求します。


 5. 風帯と風鎮の取り付け 

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風帯は掛け軸の上部に取り付けられる細い布で、通常は上下に二本の布が垂れ下がります。風帯は元々、掛け軸が風で揺れないようにするために使用されていましたが、現在では主に装飾目的で使用されています。風鎮は、掛軸の両端に取り付けられる錘で、掛軸が風で揺れないように安定させる役割を持ちます。

風鎮は陶器や磁器、メノウ、水晶、黒檀などのさまざまな素材で作られています。現代の住宅では気密性が高くなっているため、風鎮は主に装飾としての意味合いが強くなっています。


 6. 最終調整と仕上げ 

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掛け軸における「最終調整と仕上げ」とは、全体の完成度を高めるために最後の微調整を行い、作品としての美しさと機能性を完成させる工程です。この作業には、掛け軸全体のバランス確認や、糊付け部分の最終的な固定、シワや不均一な部分の調整などが含まれます。また、掛け軸を保護するために最終的な掃除や点検も行われます。​

 

 

 BesPesでの掛け軸の制作 

弊社では完全オーダーメイドの、オリジナルの掛け軸の制作を行なっております。

  • 掛け軸が欲しいがどのようなデザインがいいのかわからない
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  • 部屋に合う掛け軸を制作したい

伝統的な掛け軸を制作できる業者と連携しており、作品の制作から掛け軸の選定までオリジナルのデザインの制作が可能です。

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4. 掛け軸の制作体験 

 ■ Scrothing Picture(東京都豊島区) 

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Scrothing Pictureは、東京都豊島区巣鴨にある施設で提供されているオリジナル掛け軸制作体験サービスです。このサービスでは、お客様自身の画像やデータを使用して、オリジナルの掛け軸を制作することができます。お客様のお気に入りの画像やデータを事前に提供し、掛け軸用に調整した後、専用の和紙に印刷されます。使用する素材の色や柄を選び、専用のデジタル落款を作成することで、自分だけのオリジナル掛け軸を完成させることができます​。

掛け軸制作体験は、初心者でも簡単に楽しむことができ、特別な一枚を自分の手で作り上げることができます。撮影や着物レンタルなどのオプションを利用することで、さらに充実した体験が可能です。興味のある方は、ぜひ一度体験してみてください​。

・出展/公式HP:https://new-function.com/collaboration/scrothing-picture/

 

 ■ 京都春秋 表具師工房 

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京都春秋 表具師工房では、一流の表具師による工房見学と体験が提供されています。表具師とは、掛け軸や襖、障子などを制作する職人のことで、その高い技術を間近で学ぶことができます。この体験では、実際に掛け軸の一部を制作しながら、伝統技術の奥深さを体感できます。

プロの職人から直接技術を学び、自分の手で伝統工芸品を作ることができるため、非常に価値のある体験となります。

・出展/公式HP:https://kyotoshunju.co.jp/?p=190

 

 

 


5. OEM注文での掛け軸制作 

 ■ 谷口松雄堂 

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京都の和紙製品メーカー、谷口松雄堂は、掛け軸のオリジナル制作サービスを提供しています。同社は伝統的な和紙やエンボス加工紙を使用し、オリジナルデザインを掛け軸に仕立てます。印刷には高精度のオフセット印刷やインクジェットプリンターを使用し、その後、国産の表装メーカーによる本格的な機械表装加工を行います。これにより、高品質でありながら低価格、短納期を実現しています​ ​。

・出展/公式HP:https://www.taniguchi.co.jp/direct-order/kakeziku.html


 ■ HATTORI 

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HATTORIは、伝統的な掛け軸制作だけでなく、タペストリーとしても使用できる掛け軸のオリジナル制作を行っています。ポリエステル素材を使用した掛け軸やタペストリーをインクジェット印刷で制作し、キャラクターグッズなどの用途にも対応しています。裂地や一文字などの選択肢も豊富で、熟練の表具師と相談しながら制作を進めることができます。

・出展/公式HP:https://hattoribana.co.jp/sales/item/kakejiku/

 

 


 さいごに

本記事を通じて、掛け軸の基本的な知識から、その構造や制作工程、さらにオリジナル掛け軸の制作体験やOEM注文について詳しく紹介しました。掛け軸は、日本の美意識や文化を象徴する重要な芸術品であり、その美しさと深い文化的意義は今なお多くの人々に愛され続けています。

伝統的な芸術品が、これからも多くの人々に愛され続け、その美しさと文化が未来に継承されていくことを願っています。